4.舞妓さんの仕事も見掛けだけではわからない大変な職業です、木暮実千代演じる美代春姉さんのプロ意識に惚れこんでしまいました。いい映画です。 【白い男】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2008-12-20 13:05:02) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 みんな若尾さまを目当てに観始めるでしょうけど、すぐ判りますけどこの映画は小暮実千代を愛でるのが正解です。もう何と言いますか、彼女をギュッと絞ったら色気の汁が滴り落ちそうな感じなんです。彼女が冒頭でなじみ客にぶつける捨てゼリフが、現代のキャバクラ嬢の言う本音と大して変わらないところはとても面白い、時代に関係なくこの世界は変わらないものなんだなとしみじみ思いました。若尾文子も時代にあった自我を持った舞妓を好演していて、初めてお座敷に上がる時の初々しさは胸キュンものです。 80分余りと尺は短い映画ですが、実に濃厚な80分間の溝口ワールドです。「女を撮らせたら溝口」と言われただけあって、小暮実千代の演技を観てると、どうしてここまで繊細な演出が出来るんだろうと感嘆してしまいました。また出てくる男と言う男が、だらしなく狡猾で卑怯で女優陣を引きたててくれます。状況が変わる場面になると必ず電話が鳴るという作劇術もなかなか興味深かったです。そして忘れてはならないのが置屋の女将の浪花千栄子で、男も女も操る手腕はまるで老練な政治家みたいで怖くなってきます。 こうなると同じ溝口の『祇園の姉妹』もぜひ観たくなってきました。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-06-25 21:54:37) (良:1票) |
2.「恵比寿ガーデンシネマ」の『溝口健二 没後五〇年特別企画』において鑑賞。
主演は木暮実千代。
木暮実千代の出演作品を観るのは初めてで、“初”木暮実千代であったのだが、そのお色気に見事打ちのめされてしまった。
若い若尾文子より大人の色気漂う木暮実千代が本作では気に入った。 自分も大人になったということかな?
本作は溝口健二作品の中で一番のお気に入り作品となった。 やはりその要因は京都・祇園の風景や文化を見事に描ききっていることに尽きる。
“うなぎの寝床”と呼ばれる京都独特の長屋が建ち並ぶ街風景には特に目を奪われた。
その他の街風景にもため息が出るばかり。 こういった風景を見られるだけでも十二分に価値のある作品であった。
他の溝口作品で私の好きな『残菊物語』や『山椒大夫』に比べるとライトな仕上がりで、上映時間も短い。
それが逆に私にとっては功を奏し、全体として締まりのある切れ味鋭い作品と感じることができた。
最後は溝口作品に特徴的な“怒涛な展開”。 本作では恥ずかしながら劇場で涙してしまった。
最後の主演二人のやり取りは、まさに圧巻。 涙無しには観られようはずもありゃしない。
他の溝口作品でもそうだったが、最後に急展開し、感動的なラストにもっていく運びは、観ていてゾクゾクする。 本作は特にそれが強かった。
今日は風邪気味で体調が悪かったが、本作を観てカタルシスを得ることにより、ストレスと疲れが吹っ飛び、風邪が治ってしまった程だ。
これでますます溝口健二にハマってしまった。
それと同時に、一人でも多くの日本人に、溝口健二作品を観てもらいたいという思いも強くなるばかりである。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-09-02 11:13:19) (良:1票) |
1.祇園の姉妹もよかったがそれとはまた違った味のある話でした。芸者として生きるために遭遇する抗うことのできない出来事に美代春自らが盾となり無垢な美代栄へと自身の理想を投影したラストの言葉が素晴らしかった。男と女の質以前の人権に焦点が当たっていて生きることの難しさがよく現されていた作品でした。コンチキチンと遠くで聞こえるお囃子を背に祇園の町を歩く二人は溜息が出るほど美しかった。 【カリプソ】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-06-17 17:24:16) (良:1票) |