4.《ネタバレ》 あ、いかん、他の映画に10点つけてしまった。11点は無いのか、11点。高校生の大昔見たときは、ただの長い映画でした。歳を重ね、映画の本数を重ね、再見してみると、あら、大変、凄い映画じゃないの。最初から最後までうっとりしてしまいました。そんな映画はなかったなぁ。メタ映画というか、劇中に劇があるというか。しかも、その劇中劇以外の部分も演劇的にしている。閉じられた空間ではなく、開かれた空間で、演劇を見る感じ。映画が演劇に勝負しようとしているのか。恋愛を語るならフランス人には勝てない、って言いますが、その感じそのままの台詞、台詞、台詞。悪党もいる、狂言回しもいる、決闘なんてものもある、古典的恋愛ストーリー。演技をするのを演技するという役者。たくさんの、たくさんの人。天井桟敷の人々は映画の中では劇を見る人々。私達も映画を見ている天井桟敷の人々。映画の中で天井桟敷の人々を愛すべき人たちのように描いていました。だから、この映画は見ている私達を愛してくれている、という暖かさも感じさせてくれました。 【K-Young】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-01-26 14:40:37) (良:3票) |
3.195分の長編。どんなときも愛に生きたいと願う人々、切なさのこる。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-08-09 22:01:22) (良:2票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 「映画に恋をする」という言葉が、喩えでも何でもなく実際に起こり得る現象なのだと教えてくれた、記念すべき一本。 とにかくもう、主人公バティストがパントマイムを駆使してヒロインの無実を証明する場面にて、一気に心を奪われてしまい、そこからは夢心地で最後まで観賞する事が出来ました。 ラスネールがモントレー伯爵を殺害する場面にて、直接その姿をカメラには映し出さず、第三者の反応を映す事によって表現する件なんかも、凄く良かったですね。 長尺の中にも、要所要所でハッとさせられる演出が散りばめられており、全く飽きる事がありません。 観客としての自分は、ガランスよりもナタリーの方に惹かれるものがあり、主人公の行動に全面的に賛成出来た訳ではないのですが、それだけに「人を愛する事」の業の深さについて考えさせられましたね。 あんなに想ってくれる奥さんがいながら、可愛い子供がありながら、それでも不貞を働いてしまうなんて、情けない男だなと思う一方、どうしても「その恋は間違っている」と否定する事が出来ないという。 全編に渡って台詞が洗練されており、何でもない会話シーンだけでも楽しかったりする為、観ているだけで幸せな気持ちに浸れたのですけど…… それだけにラストシーンの訪れには、とうとうこの映画が終わってしまうのか、という寂しさが伴いましたね。 最後の一幕、去りゆくガランスを追いかけるも、決してその声が届かない主人公の姿は、映画が終わる事を否定しようとしても叶わない自分の姿にも重なり合い、とても切ない気持ちになった事を、良く憶えています。 今でも時々、昔の恋を思い出す時のような気持ちで鑑賞し、その度に再び恋してしまう。 そんな映画です。 【ゆき】さん [DVD(字幕)] 10点(2016-04-05 08:34:32) (良:1票) |
1.ナチの占領下に巨費を投じて作られたという。これぞまさしくフランスという作品。ナチに占領されたって1人残らずフランス人を殺さない限り、我々はこういう映画を作る、と言う強烈な自己主張を感じた。ジャン・ルイ・バローが気品溢れる演技で、見せる。いま、巧い役者は多いけれど気品のある役者というと、すぐ思いつくのはマギー・スミスくらい。私はもうあの出だしの音楽を聴くだけで胸が熱くなります。何度見たか数え切れません。恋愛1つとっても人の心はどうすることも出来ないのだと思い知らせてくれます。マルセル・カルネ監督の「北ホテル」もいい。 【大木眠魚】さん 10点(2003-05-12 00:02:53) (良:1票) |