5.『シンドラーのリスト』(1993)のネガともとれる痛烈な批評性。場面省略を駆使した、特にクライマックスにかけてのドラマの緩急制御と幕引きの鮮やかさ。同一構図・同一移動の反復が生み出すズレによって豊かに意味を広げる撮影技法の見事さ。(観客が気付かぬくらい慎ましく微妙な移動撮影によってドラマ効果をあげる手腕など実に巧妙である。) また、ネックレス・自転車・小瓶・ブルーの髪飾りなど、ドラマの伏線としての豊かな小道具類は人物描写とも的確に連携しており、全体として非常に完成度が高い。充実した細部とともに、画面は見どころに溢れている。とりわけ中盤に訪れる、自転車を扱ぐヒロインの場面から岸辺の場面にかけての高揚感が素晴らしい。回想の序盤から娼婦的なニュアンスで何度も強調されていたヒロイン(エリカ・マロジャーン)の豊かな胸と表情の意味が、ここではっきりと切り替わり聖性を帯びる。岸辺に寝そべり、子供のように縮こまる男たちを両腕に抱く姿はまさに聖母としての彼女を強く印象づけ、浅薄な男女のドラマを越えていく。 ラストのレストランで、オフ空間から彼女の澄んだ歌声を響かせる演出もまた心憎い。 【ユーカラ】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-02-12 21:33:46) |
4.暗い日曜日が凄い曲。グッきた。内容は不自然が自然。悲しい。自分には合っている映画。酔ったさ、全部に。怨んでてくれて良かった。 【ヒロヒロ】さん 10点(2004-10-17 16:35:30) |
3.レンタルビデオで観てドツボにはまりました。その夜は寝れなくてビリーホリデーの暗い日曜日引っ張り出して聞きまくってました。DVD、サントラ買って繰り返し繰り返し。。。ドイツ語の脚本もダウンロード。なんでこんなにはまるのかな?最初は暗い映画だろうなあと心の準備をしてたのですが、意外な程(いい意味で)軽い流れで展開が楽しめました。劇中に流れる映画館での「呪われた曲」のニュースシーンは奇妙&ラストはハリウッド的?(でも爽快な締め)でもいいんです。とにかく。素晴らしい。 【jade】さん 10点(2003-07-19 14:04:45) |
2.映画を見終わった後にこんなに暗い気分になった映画は無いです。それでもなんで頭にのこってるんだろう。ラズロが尊厳を保てるように生きることができなかったのが非常に悔しいけど、その分最後にじーんと感動がくる。いや、感動じゃないなぁ、この感覚は映画を見ないと分からないかもしれない。個人的にはピアニストのアラン(?)が強烈に印象を受ける。彼が自殺したのはイロナとの関係でちょっとした動揺があったり色々な背後があったと思うんだけどすごいそこら辺の描写がうまい!!とどめに歌が流れて、死んでしまったところが自分は一番胸にギュンときたところです。それは別としてイロナ(エリカマロジャーンだっけ?)綺麗すぎ!あんだけ男が魅了されたのも分かる気がする。 |
1.今年観た中で1番でした。音楽が頭から離れない。 【愛人/ラモス】さん 10点(2002-12-18 14:03:29) |