7.料理がひとつの芸術であり、優れた料理がいかに人に影響を与えるかが、これ以上は望めないくらいの説得力をもって伝わってくる。晩餐のシーンのこれ以上でも以下でもいけない抑制の効いた素晴らしい演出から、見事なオチへと持っていく。ガブリエル・アクセル監督の映画文学。アシール・パパンとレーヴェンイェルム将軍の人生を見つめる作者のまなざしが、人生の酸いも甘いもかみわけたような人の寛容さと愛情を感じさせて暖かい。 【アンドロ氏】さん 9点(2003-01-02 00:00:42) (良:3票) |
6.わー、もの凄く暮らすことを躊躇しそうなわびしい19世紀のデンマークの寒村だ、とまず寒々しいロケーションに圧倒される。そこに生まれ、出ることなど夢想すらしない敬虔な姉妹。二人の“何事もなかった”それぞれの人生に降って沸いた二つのできごと。この二つのことが年月を経て、不思議な発酵力を見せる。こんなに何も無い場所にも人生の妙は訪れるのかあ。バベットは神様が遣わしてくれた「世俗の喜び」なのかも。質素な食事も良いけれど、美味しさで心を満たすこともそれはとても幸福なこと。 厨房でのバベットの所作が凛として、出来上がる料理も目を奪われるほどに美しい。あ、でもうずらが籠の中でぴよぴよ鳴いていたのにはひるんでしまった。私は軟弱だ。 こんなにも地味で難しいテーマを映像化した、その懐の深さと滋味溢れる味わいに脱帽しました。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-01-17 00:40:52) (良:2票) |
5.5番目の方のコメントでありましたけど、それに全く同じくで、もうさ、理屈抜きで好き。最後は期待してた程の大感動までには至らなかったのですが、それがかえって良かったのかも。じわ~~っと来るあの暖かさがとても好き。更には、料理の味に全く触れようとしなかった爺さん婆さんたちのボケぶりもまたお見事で。そしてみんながみんなとてもお茶目でかわいらしくって。とってもほのぼのって気分にさせてくれました。 そして最後に私が替わって言っておいてあげましょう、バベットご苦労さん。結局、誰からも美味しかったよとは言ってもらえなかったねっ。けどさ、あれで良かったのだよ。わたしゃ感動したよ、しましたよ。ご苦労様でした。。 【3737】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-03-06 00:23:47) (良:2票) |
4.じいさん、ばあさんと、こういうハッピー・サッド系には弱いのだ。登場人物ひとりひとりの表情までよく出来ていて、これ以上足さず引かずのバランスが絶妙だと思う。 【羊飼い】さん 10点(2003-11-07 00:28:00) (良:2票) |
3.もう理屈抜きで好き。なんでかよくわからない位自分的にはまってしまって、小劇場に3度通い、NHK放映分をビデオに撮って数え切れないほど観ました。抑制の効いた映像、音楽、ナレーション。宗教的ではあるけれど決して啓発ものでもなく、上品なユーモアがそこここに溢れていて・・・とにかく好き~(*^^*) 【Rei】さん 10点(2003-04-15 13:38:58) (良:2票) |
2.淡々と進むお話の最後にあったオチは、ひとつの真理です。うまい食い物は人を幸せにする。 【アンドレ・タカシ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-12-18 05:49:25) (良:1票) |
1.エンドクレジットが流れ出すまでに、一言でも「美味しかった…」と云う言葉を探していたが、それは“言葉”と言う形を取らずとも、晩餐の場に満ちた“気持”と云う形で表され。バベットの“誇り”は尚のこと輝き。テーブルを囲んだ人々の顔には“至福”が満ち。そして、観る人の心に淡色の感動をもたらした。
ゆるうり..と流れてゆく中盤には、まるで“色”を持たぬ様に静かに、彼らの村を支える北海の如く頑な空気を漂わす。それは、信仰心であり、己自身を縛る“想い”。姉妹の元に突然流れ着いたバベットは革命の糸。その一夜、人々の心に変化を織りなす為の…。
今まで観て来た「シェフ」が活躍する映画の中で、彼女ほど格好良いと思ったシェフはいなかった。それと同時に、彼女ほど厨房で美しく見えた人はいなかった。今後、私の中でこの作品を上回る作品を見付けるには時間を要するだろうと思う。 【MAZE】さん 10点(2004-05-22 17:35:14) (良:1票) |