4.《ネタバレ》 ストーリーはいたって平凡。ですが平凡だからこそ、恐怖と緊迫感、そして危機感をリアルに感じ取れるのかもしれません。 ブラッド・レンフロのトッド・ボウデンと、イアン・マッケランのドゥ・サンダーが非常に良く、二人の心理戦だけでも見ごたえがあります。時には手を組み、時には火花を散らす、二人の独特な間合いとそこから生まれる緊張感が面白い。 今までスティーブン・キングの原作は一度も読んだことがなく、だから逆にキング原作の映画を面白いと感じるのかもしれません。今作に関しても、小説を読んでいるかのような雰囲気、リズムが大変良いです。音楽もマッチしています。 ドゥ・サンダーの狂気をトッド・ボウデンが継承したことを窺わせるラスト。ですがやはりインパクトは足りないですね。それに、始めから『悪』を内包しているかのような少年でしたので、それが表面に顕在化されただけとも思えます。どうとでもとれるラストが、すごく良いようで、何か惜しい作品でした。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-03-14 12:43:57) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 何がゴールデンボーイなのかさっぱり分からなかったけど、内容は怖くて素直に良い作品だったと思えました。はじめは少年がじいさんの方を脅して戦争の話をさせたりいろいろ言うことを聞かせてたと思ったら、そこはやはり修羅場を潜り抜けたじいさん。少年の心情の小さな隙を掴んで一気に立場を同等の物にしてしまった。いやそれ以上か・・まあ立場が最初と全然変わってくる訳なんだけど、その隠れていた狂気と頭脳が次第に露わになっていく場面なんて、もう必見でございます。それとじいさんが少年に浮浪者を殺させるシーンは、ちょっと考えさせられるシーンで、じいさんが浮浪者の背中を刺した時点で、ほっとけば死んでたんだろうに、何でわざわざあんなことをさせたんだろうかと。単純に罪を着せたかったという意図もあるかもしれないけど、重要なことは人を殺す時というのはどういう事でどういう気持ちなのかという事を、戦争というものに対して興味はあるのだけど、それがどういうものかイマイチ重く考えてなく、それを無責任にも質問する少年に対して、人を殺すという事がどういうことか分からせたかったのだと思う。だと思うのだけど、殺人を犯した時の少年の心情や、その後の言動の変化があまり描かれてなかったのが残念。その後をもうちょっと観てみたい作品だよなあ。 【ホーラン℃】さん 7点(2004-10-03 15:15:01) (良:1票) |
2.互いに心に闇を持った少年と老人のどろどろしい心理攻防に息を呑む。最近のサスペンス映画にはめずらしいスピード感に頼らないじっとりとした展開が秀逸だった。陰影際立つ映像美も良く気持ちを途切らさない。生まれたばかりの心の闇を表現したブラッド・レンフロも良かったが、奥深い年輪さえ感じさせる心の闇を持つ老人を演じたイアン・マッケランの鬼気迫る存在感が凄かった。ラストに盛り下がってしまうのは残念だが、作品としては高いクオリティを見せる。 【鉄腕麗人】さん 7点(2004-01-30 22:09:37) (良:1票) |
1.非常に心理的な恐怖に満ちた映画だった。相手を支配しようとする少年と老人の攻防は鳥肌がたつくらい異常で恐ろしい。全編通して陰影が鮮やかで秀逸な映像美で画面に引き付けてくる。ブラッド・レンフロも良かったが、老人役のイアン・マッケランの怪演が実に見事で、ナチス軍人の冷酷さを取り戻していく様は狂気に満ちていた。しかし、非常に緊迫感溢れるストーリー展開だったのにラストにかけて極端に盛り下がってしまった。ラストに更に衝撃的なものを期待させる展開だっただけに、少年が自分の学校の教師を脅して終わりでは拍子抜けせずにはいられなかった。まあそれにしても全体的な出来は非常に良いのでもっと世間的に知られていてもいいと思った。 【スマイル・ペコ】さん 7点(2003-06-07 18:30:04) (良:1票) |