10.ジャンル分け自体が無意味に思える。これは推理ミステリーでもミュージカルでもなく、例えるなら“ひっくり返されたおもちゃ箱”のようなものに思える。つまり、既出ですが「キル・ビル」と同じく、監督のおもちゃ箱の中の、一定の美意識と計算の下に集められたおもちゃの再構成。おちょくっているようなミュージカルシーンや稚拙な推理劇、それらは確信的なものであり、往年の映画や女優たちに対するある種挑発的なオマージュのように思える。それらは一見寄せ集めのお遊びでありながら、一歩引いて全体像を見ると、独自性を持つ立派な1つの世界観を構成しています。これはおフランス版「キル・ビル」です。これはエスプリの効いたおちょくりの映画であり、洒脱な謀略の映画です。これは狡賢く洗練された大人による、瀟洒であり猥雑な、挑発的なお遊戯なのです。 【ひのと】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-08-11 00:10:17) (良:3票) |
9.見るからにいわゆるミステリーじゃないしいわゆるミュージカルでもない。新しいジャンルなんじゃないかしら。言葉にするなら「シャレ」とか「ギャグ」。配給会社の宣伝方法は、今回もまったく間違えていますね。こういう映画を好きな人たちというのは、いわゆる「B級」ファンであったり、たとえるなら香港コメディなんかを愛してるような人たちじゃないかしら? ところが、そういう人たちに情報が全然届いていないと思う。まいいけど。でも気がついたら、フランス映画も最近元気になってきましたね。うれしいな。個人的な体験として、フランスには一度だけ行きましたが、いかに美というものが「当たり前」化している国かということが、行ってみて初めてわかりました。たとえば、街角の小さな花の植え込みの、花の選び方、取り合わせ方一つも、「どうしてこんなに美しくデザインできるんだろう」と感嘆するくらいキレイだったです。で、この映画で使われている「色」を見て、そういう、この国の独自性をこの監督はよくわかっていると思いました。つぶやくような唄い方のシャンソンをいっぱい取り入れてるのも、その表れではないか、と。で、内容についてですが、フランス映画というのはほとんどたいていの場合日本人にとっては「何じゃこりゃ」です。そういうフランスらしさも、この映画ははずしてない(笑)。だから私が思うには、これはオバカ映画にして、最高にフランス映画らしい作品です。オゾン監督作品では、期待して見た「まぼろし」より、何の期待もしてなかったこっちのほうが面白かったー。いっつも、この「期待」というやつがクセモノですね。 【おばちゃん】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2004-02-06 10:37:26) (良:2票) |
8.とにかくこんなにゴージャズで魅力的な配役に脱帽ですよ。キャクタそれぞれに緻密な性格描写を出し、それにそって計算しつくされた配色、イメージ、衣装。例えば主人の妻であるカトリーヌ・ドヌーブは夫の生存中共同経営者と会社を乗っ取ろうともくろみ、不倫をししかもまだ秘密を隠し持つという設定。それに沿って常に危険と対岸し獲物を狙う獣の如く、豹柄で社長夫人にふさわしいエレガントな色使い。物語は過去の密室劇をパクったような内容に思えるかもしれませんが、そこにはオゾン監督らしい日常に潜むグロテスクさと刹那さを忘れていない。しかも彼の作品に観られる、自分の本当の姿をさらけ出した時に人は美しく輝けるという問題提起を忘れていない。目もくらむような映像の鮮やかさ、ドールハウスのようなセットを背景にそれぞれの個性で歌い、踊る女優陣たち。突然始まるミュージカルテイストには、女優たちの歌唱力を無視して妙な説得力と演技力に圧倒されます。オープニングからエンディングまでその世界観にはまる事間違いなしです。 【さかQ】さん 9点(2003-01-21 23:49:59) (良:2票) |
7.フランスの一流(?)女優がださい歌でださい踊りを踊っているというだけで永久に保存されるべきであろう。これがまた癖になるようなものばかりで非常に困る。頭から抜けない。しかし、皆ブサイクなのに、誰もがちょっとした仕草やしゃべり方だけでフェロモンというか女のオーラが出せるってところがすごい。最高に笑わせてくれたのはエマニュエルベアール。DVDには各々の踊りがピンポイントで見れるみたい。いやホントこれは永久保存版。 【ぷりんぐるしゅ】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-02 23:23:13) (良:1票) |
6.なかなか愉快な作品で良かったです。こんな緊張感のない密室劇があってもいいんですね。合間に導入されるミュージカル風な部分もいいし、これがないと逆に締まらなかったんじゃないかな。誰が犯人でもかまわないよ、と思ってしまうほど緩い殺人事件。皮肉な結末。惨めな男の物語です。 |
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5.もっとまじめにやれ!歌うな! 【マー君】さん 4点(2004-06-29 19:57:17) (笑:1票) |
4.8人それぞれのキャラの立ち具合が凄い。豪華でカラフルな衣装とゴージャスなセットにウットリ。そして突然始まる歌と踊り。狙ってるのか天然なのか、とにかくいいかんじにヘタなのが良い。カトリーヌ・ドヌーブの歌はさすがに上手いが。で、悲しい終わり方なはずなのに観終わって際立つのは女のたくましさ。やっぱり女は強い。 【エムラ兄妹】さん 8点(2004-06-15 04:46:07) (良:1票) |
3.ストーリーは名探偵コナン(アニメ)を、小粋にフランス仕立てにした感じ。 女優陣の魅力とエレガントな仕草やブルジョアな雰囲気は、私の日常からかけ離れていて、その辺はとても好き。 最初、歌い始めたのを見て「なんじゃこれ」って思ったけど、見ていくうちに慣れてきて、自由奔放な女たちも次第に魅力的に感じてきた。 結局パパは顔すらほとんど出ず、話の展開も家の中で完結してしまった低コスト映画だったけど、女のしたたかさや女の感情の揺れ動きがあんなに狭い空間の中で十分に表現できていたと思う。 この映画はサスペンスでもミステリーでもコメディでもミュージカルでもなく、本能で行動し一生懸命に生きている女たちの「ある一日」の出来事。 短絡的でもバカでも浅はかでも、楽しく生きた者勝ち! 彼女達はこれから先も、きっと幸せ。 【紅】さん 10点(2004-06-10 04:15:57) (良:1票) |
2.ある意味コメディーのような感覚で見れば楽しめると思う。個性的な8人の女たちは見ているだけで面白いし、衣装やセットも華やかできれい。真剣に謎解きをするというより、8人8様に注目すべき。 【ジャスミン】さん 7点(2003-12-07 04:34:11) (良:1票) |
1.サスペンス的には今ひとつ。でも8人の女のキャラがきちんと描かれてて、人物描写、台詞で笑える。犯人を当てようとしなければ面白いと思います。 【もちもちば】さん 5点(2003-07-25 02:49:43) (良:1票) |