5.《ネタバレ》 えっと…この映画は推理物でもミュージカルでもないと思うわ、アタシ。 推理物ならあのありきたりなオチは許されないだろうし、ミュージカルならあの歌と踊りはちょっと…ねえ? でもアタシはこの映画大好きよ。 ストーリーの要点は「誰にも言えない女の秘密」ってことなんだろうけど、その秘密が暴露されていくにつれて不思議なことに彼女たちがより魅力的になっていくの。 それは8人のすばらしい女優さんたちの演技のおかげであり、彼女たちの学芸会のようなカワイイ歌と踊りのおかげであり、キッチュでオシャレな色使いのおかげであり…。 この映画はアガサ・クリスティ的な謎解きを小バカにしつつ(言葉は悪いけど)フランス的なテイストを加えた上で「推理なんてどうでもいいわー。アタシたちはやっぱり愛だの恋だのってのが一番好きよ!」って公言してはばからないような、なんかシニカルな雰囲気が漂っててステキ。 1900年代前半の、まだ「映画の力」にしっかりとは気づいてない人々が作る、舞台劇をそのまま録画したかのような映画をあえて真似てるみたいな、一つのセットの中で繰り広げられる展開も、いい意味での安っぽさがあってカワイイわ。 それにしても…彼女たちの秘密を知って自殺するこの男は、アタシは情けないと思うわ。 この程度のことを笑ってすませられない男が、あんなにたくさんの女と浮気するなっての。 ホホ。 …実はアタシ、最初は7点にしようかと思ってたんだけど、「8人の女たち」に敬意を表して8点よ。 【梅桃】さん [DVD(字幕)] 8点(2004-02-17 22:12:53) (良:2票) |
4.見るからにいわゆるミステリーじゃないしいわゆるミュージカルでもない。新しいジャンルなんじゃないかしら。言葉にするなら「シャレ」とか「ギャグ」。配給会社の宣伝方法は、今回もまったく間違えていますね。こういう映画を好きな人たちというのは、いわゆる「B級」ファンであったり、たとえるなら香港コメディなんかを愛してるような人たちじゃないかしら? ところが、そういう人たちに情報が全然届いていないと思う。まいいけど。でも気がついたら、フランス映画も最近元気になってきましたね。うれしいな。個人的な体験として、フランスには一度だけ行きましたが、いかに美というものが「当たり前」化している国かということが、行ってみて初めてわかりました。たとえば、街角の小さな花の植え込みの、花の選び方、取り合わせ方一つも、「どうしてこんなに美しくデザインできるんだろう」と感嘆するくらいキレイだったです。で、この映画で使われている「色」を見て、そういう、この国の独自性をこの監督はよくわかっていると思いました。つぶやくような唄い方のシャンソンをいっぱい取り入れてるのも、その表れではないか、と。で、内容についてですが、フランス映画というのはほとんどたいていの場合日本人にとっては「何じゃこりゃ」です。そういうフランスらしさも、この映画ははずしてない(笑)。だから私が思うには、これはオバカ映画にして、最高にフランス映画らしい作品です。オゾン監督作品では、期待して見た「まぼろし」より、何の期待もしてなかったこっちのほうが面白かったー。いっつも、この「期待」というやつがクセモノですね。 【おばちゃん】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2004-02-06 10:37:26) (良:2票) |
3.フランスの一流(?)女優がださい歌でださい踊りを踊っているというだけで永久に保存されるべきであろう。これがまた癖になるようなものばかりで非常に困る。頭から抜けない。しかし、皆ブサイクなのに、誰もがちょっとした仕草やしゃべり方だけでフェロモンというか女のオーラが出せるってところがすごい。最高に笑わせてくれたのはエマニュエルベアール。DVDには各々の踊りがピンポイントで見れるみたい。いやホントこれは永久保存版。 【ぷりんぐるしゅ】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-02 23:23:13) (良:1票) |
2.8人それぞれのキャラの立ち具合が凄い。豪華でカラフルな衣装とゴージャスなセットにウットリ。そして突然始まる歌と踊り。狙ってるのか天然なのか、とにかくいいかんじにヘタなのが良い。カトリーヌ・ドヌーブの歌はさすがに上手いが。で、悲しい終わり方なはずなのに観終わって際立つのは女のたくましさ。やっぱり女は強い。 【エムラ兄妹】さん 8点(2004-06-15 04:46:07) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 1人でDVDを見てたんですが、「FIN」の文字が出たとき思わず拍手してしまいました。すごく楽しかったんで。ストーリーはいたって単純。しかも設定は使い古されたありきたりのサスペンス。しかし、この映画は本当に独創的で、まるで舞台を見ているかのようでした。お父さん殺しの犯人を探るために女同士で足の引っ張りあいして、だんだん皆の化けの皮がはがれて行くところが怖いな~と重いながらも楽しく見れてしまうのです。余りの暴露話の数々と衝撃的告白のオンパレードで、もう途中からは笑うしかなかったです。そしてこの映画の見所は主人公の女8人がミュージカル調に歌う歌。これが見ていて本当に楽しくて楽しくて…。僕はこの8人の歌う歌がかなり気に入ってしまった。お父さんを殺した身内の誰かを探すという設定なのに、こんなに楽しい映画にしちゃうなんて驚きです。そして、結局お父さんは最初から死んでなかった・・・っていう最初の前提を覆してしまう結末はサスペンスではよくあるって言えばよくあるんですが、その後、8人の女たちの本性を知って、絶望して自殺する展開が面白い。それでもって父親は最後まで顔を見せないんです。脇役のいないこの映画、まさに「8人の女たち」という題名そのまま。今度、他のフランソワ・オゾン監督作品を見てみたいですね。また、この映画では1人だけ妹役のリュディヴィーヌ・サニエが気に入ってしまいました。天真爛漫でボーイッシュなキャラなんですが、唄っているところなんてマジでキュート。 |