4.とにかく場面の切り替わりが早くて、若いころ初めて見たときには、まったくついて行けなかった。というか、生意気にもヌーベル・ヴァーグってこんなもん? なんて不届きな感想を抱いてしまったものだった。この年になって三度目の鑑賞。やっぱり、展開早いなあ、と感じた。けど、実は中盤以降の複雑な三角関係の描き方に結構唸ってしまって、そのあたり、自分も年を取ったなあと思う。ただ、若いころのトリュフォーの(いや、ゴダールも)スピードと疾走感ってのは、もちろんとても魅力的だけど、これが初めて出たときの衝撃ってのは、もはや味わえないな、というのも実感。 【いのうえ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-16 21:48:08) |
3.男2人と女1人の恋の物語は、フランス映画の大きなテーマの一つですよね。そのなかでも、この作品の女性はほんと可哀相。ジュールとジムの友情が強すぎる。なので、その間で焦燥するカトリーヌ。その気持ちははよくわかるとは言えないけれど、カトリーヌの行動から推し量ってみてわかるような気がします。原題は「ジュールとジム」。邦題は「突然炎のごとく」ってカトリーヌのことですよね。日本語にするときに巧妙に主役が入れ替わっているようですが、この作品は原題通り男性2人の物語。そして男性2人の友情の間で翻弄される哀れなカトリーヌなのだとおもいます。でも、一番可哀相なのは、娘のサビーヌかなあ。ナレーションが多いので、吹き替えで観たかったなあ。 【ひよりん】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-06-03 19:11:52) |
2.1回みて、家内にどうも心情が理解出来ないといったら、「あんたには男女の機微など理解できるわけがない。」と断言され、悔しくて何回か見直しました。これは純愛を描いているんですよね・・・(自信なし)。さすがに名作と言われるだけあって、何回もの鑑賞に耐えます。評価が分かれていますが、評価が低い場合は何度か見直してから再評価するとよいかも。 【ぴよっち】さん 7点(2004-11-23 17:11:41) |
1.後にトリュフォーが語っています。「この原作を映画化したいために映画監督になりたかった」と。それほどまでに愛した原作、その美しさを損なわないように、ナレーションがストーリーを綴るというカタチにしたそうです。三人の関係を形作るそれぞれの複雑な心情は映像だけでは理解不能、かと言ってセリフで説明されたんじゃたまらない。それゆえにナレーションが効果的だったと言える。そして読書しているときのように映像にないものまで頭の中に映す。それでも「わからない」という人が多いようにたしかに理解しずらい関係(というより共感できない関係)ですが、女神像とかぶるカトリ-ヌ、いつも先頭を歩くカトリ-ヌ、浮気を対等だからと理由づけるカトリ-ヌ、男装するカトリ-ヌ、彼女の言動が理解せずとも現実的なものにしている。「二人が同時に一人を好きになる」という三角関係ではなく「それぞれ一人が二人を愛する」という関係。ラストは悲しみよりも肩の荷が下りたような安堵感を味わった。最期の瞬間の三人の顔が目に焼き付く。 【R&A】さん 7点(2004-10-12 14:01:05) |