5.ヴィスコンティ監督の作品の中では未熟という意見もありますが、なんのなんの、荘厳なBGM、貴族の邸宅の内部、ヴェニスの風景、戦闘シーンなど全て秀逸です。憎みあう敵味方の間に生まれた愛情というのはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」以来、何度も文学や演劇の作品で表現されてきましたが、この作品では中盤頃からアップになるリヴィアの表情、特に眉間に深い皺が刻まれたハイミスの彼女の年輪とオーストリア軍人フランツの小悪魔的な童顔が何か単なる敵味方ではない、新旧勢力の象徴のように描かれている気がします。とろけるような官能を描き切ったこの作品は新旧交代をよりリアルかつ重厚に描き切った後年の「山猫」の布石になっていると思います。 く知られているようにシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」では愛し合う二人の恋は死によって完結しますが、本作品の似て非なる結末も新旧対立という観点からいろんなことを考えさせます。 【かわまり】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-10-27 08:07:56) |
4.映画中、女の独白ナレーションがちょこちょこ入るが、この独白が説明的過ぎていて質が悪い。しかも映像で十分に伝わっていることを、重複して説明してしまうことが多々あり、折角の映像を殺してしまう結果になっている。また、男も女もキャラクターの一貫性に乏しく、心の痛みの重みも説得力も欠けます。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-02-10 14:41:35) |
3.ヴィスコンティの映画って、面白いですかねぇ・・・ なんか似た様な作品が多いですし。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2007-10-12 16:58:17) |
2.リビアのジェラシーに苦悩する気持ちが痛いほど伝わってくる情念の映画だと思う。それは見ていて苦しいほど。 【omut】さん 7点(2003-07-23 23:21:49) |
1.個人的には、ヴィスコンティの最高傑作。いや、単に「傑作」と言ってしまってはあまりに味気ないな。これはこの巨匠が作り得た最高の「愛(について)」の映画と言い換えましょうか。全編にわたって人間の情念がうねり、息苦しいまでの官能に満ち満ちている。ラストのアリダ・ヴァリ扮するヒロインの眼差しに何も感じない者がいたとしたら、それは映画の敵であるばかりでなく、人としてももう一度出直してこい! と言ってあげるべきでしょう。ジャン・ルノワールの『黄金の馬車』と双璧を成す、狂おしいまでに偉大な真の「ドラマ」だと思います。 【やましんの巻】さん 10点(2003-05-30 11:27:09) |