霧の中の風景の投票された口コミです。

霧の中の風景

[キリノナカノフウケイ]
Landscape in the Mist
(Topio stin omichli)
1988年ギリシア上映時間:125分
平均点:7.56 / 10(Review 34人) (点数分布表示)
公開開始日(1990-03-17)
ドラマロードムービー
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-09-25)【Cinecdocke】さん
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監督テオ・アンゲロプロス
キャストタニア・パライオログウ(女優)ヴーラ(主人公の姉)
ミカリス・ゼーケ(男優)アレクサンドロス(主人公の弟)
ストラトス・ジョルジョログウ(男優)オレステス(旅芸人の青年)
エヴァ・コタマニドゥ(女優)旅の一座の女優
ヴァシリス・コロヴォス(男優)トラック運転手
原作テオ・アンゲロプロス(原案)
脚本テオ・アンゲロプロス
トニーノ・グエッラ
音楽エレニ・カラインドロウ
撮影ヨルゴス・アルヴァニティス
製作テオ・アンゲロプロス
配給フランス映画社
あらすじ
12歳のヴーラと5歳のアレクサンドロスの姉弟は、母親から聞かされていたドイツにいる見知らぬ父に会いに、内緒で夜行列車に飛び乗った。姉弟は行く先々で幾多の人たちと出会い、人生の苦楽を学んでいく…
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【口コミ・感想】

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1
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8.テオ・アンゲロプロス監督作品はこの作品しか観たことないけど、これは間違いなく傑作だと言えるそんな素晴らしい映画です。この映画まず何よりもどのシーンにしても台詞は少なくても映像だけで迫ってくる。それも今のアメリカ映画的な大騒ぎ的な映像とは全く違う落ち着きのあるそして、美しい構図の中で繰り広げられる物語!長回しというカメラワークを巧みに使って、一度観ただけで絶対に忘れることの出来ないほどの素晴らしいショットを撮って見せた。霧の中の風景という正にタイトルにぴったしの素晴らしい映像!霧の中から映し出される二人の姉と弟の並び立つシーンやそして、やはり圧巻はあのラストシーン!何もかもが本当に美しく撮られていて素晴らしい!映画本来の持っている映画でしか観られない。映画だからこそ可能なこれぞ映像のマジックとでも言うべき傑作の一本です。
青観さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-02-19 22:47:08)(良:2票)
7.《ネタバレ》 映像詩、ドアの隙間から流れ込んでくる光でさえも美しい。まるで時が止まったかのように降り積もる雪を眺める人々、圧倒的映像表現!この映画には例え台詞が無くともストーリーを理解できるような気がします、寧ろ台詞は邪魔。中盤の展開はさすがに勘弁しろと思いましたが…、そこから物語もどんどん暗い世界へとのめり込んでいくような気がします。ヴーラが溜まった悲しみを吐き出すかのように泣くシーンではこちらも一緒に涙を流してしまう。空中に浮かぶ巨大な手のインパクト、けたたましいバイクの音でさえも流麗。ラストシーンは大木が二人を優しく包み込むかのようなパーフェクトショットでした。大大傑作。
かんたーたさん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-05-09 18:08:29)(良:2票)
6.《ネタバレ》 「旅芸人の記録」より好きな作品。一切退屈しなかった。
初期の短編「放送」を思わせる軽快な部分も多いし、同時に地平線の彼方に消えてしまいそうな儚さも肌身に感じさせる。ロングショットとクローズアップの構成もほど良い。
冒頭、幼い姉弟が濡れたアスファルトの夜道を駆けて来る。
どうやら二人は先を急ぐらしく、電車に向かって駆けていく。電車の前で人々が通り中々向こうに行けず、ようやく行けると思ったらドアは無情にも閉じられる。
姉のヴーラは、しょんぼりして駅を後にする電車を見つめている。
ヴーラ1人ならともかく、弟のアレクサンドロスの事を思うと無理に人の群れを掻き分けるのは危険に思えたのだろう。実に弟想いな姉ちゃんだ。
二人は、顔も知らない父を探しにあてのない旅に出ようとしている。
2度目は電車に乗る事に成功するが、切符を買う金も満足にない二人は無賃乗車で列車から降ろされてしまう。
バスの兄ちゃんが凄く良い兄貴でさ。ヴーラは、その優しさと疲れた弟を思ってバスに乗り込む。
浜辺での360度パンが美しい。旅芸人の人々と交流し、バイク青年とヴーラたちは一旦別れる。
その次に出会うトラックの運転手の野郎がロリコンクソ野郎で。
布一枚でしきられた荷台、ヴーラの髪は乱れ、手に付いた血が情事を物語る。ヴーラは、女の子から“女”になってしまう。それでも、彼女は静かに涙を流し黙って耐えるのみ。髪は下ろしたままだが、以前のように髪を結ぶのは止め、帽子を被って“隠す”事を選ぶ。どれほどの苦痛が彼女にあった事だろう。
誰にも頼らず、誰にも訴えず。いや、少なくともアレクを守ろうとしているのと同時に、アレク、そしてバイク青年を心の支えにして彼女は耐えたのだろう。
劇的な再会、そしてヴーラが心を開き、青年の胸の中で声を出して泣きじゃくる場面、バイク青年からの想いを断りハイウェイで別れるシーンは何度見ても切ない。
ヴーラも覚悟を決め、弟のために切符代を盗んでまで再び電車へと乗り込む。
夜の川辺で、サーチライトが照らす中を潜り抜ける二人。一瞬響く銃声が、緊張を奔らせる。
霧がたち込める朝方。霧の晴れた先に待つものは・・・本当に素晴らしい映画だった。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 07:55:23)(良:1票)
5.《ネタバレ》 名作らしいけど、理解できなかった。父親に会うためにドイツを目指す姉弟の話。でも、これは最後死んでますね・・・? 国境の警備がそんなに甘い訳無いですから。そうなると「火垂るの墓」同様、お姉ちゃんに責任があるのでは? 認めるべきは認め、適切な行動をとるのが務めだったはず。帰る家があり、好きではないようだが母親もいる。なぜこのような思いをしなければならなかったのか? 他に選択肢はなかったのか? そんなことを考えてしまいました。霧もそうだし、雨の後の濡れた路面など、晴れない心を表してるようですね。
リーム555さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-27 18:36:12)(良:1票)
4.《ネタバレ》 テオ・アンゲロプロスという監督とは、とことん相性が悪くて、今までに観たこの監督の作品はことごとく合わなかったという経緯がある。
しかし本作は私が最も好きとも言えるジャンル“ロードムービー”なので、少しは期待して観てみることに・・・

前半からなかなかの良い雰囲気。
幼い子供二人が父親の面影を追い求め、旅を始める。
旅先で出会ったバイク青年との絡みはなかなか味わい深く、期待は増していったが、後半になるにつれ、いつものテオ節が炸裂!。
あえなく撃沈しそうになった。

そして、これまたテオ作品に多い、突然のハプニング。
終始、静かにゆっくり話が進んでいくと思いきや、突然、嵐が巻き起こる。
それがテオ作品。
今回は、少女への強姦事件。
描かれ方がとても地味であるため、余計にリアリティが増し、後味の悪さが残った。
この強姦シーンについては、個人的に不要と感じた。
別にこんな悲惨なエピソード盛り込まなくたって、二人の子供が静かにゆっくり旅をする・・・でいい様に思うんだが。
やっぱり、この監督とは相性が悪いらしい。
にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 4点(2009-07-20 23:46:20)(良:1票)
3.幼い姉弟が、見たこともない父親に執着してどんな苦境にもめげず躍起になって外国まで探しに行くなんて発想、それ自体いかにも映画的でヤラしいし、この旅を通じて姉弟が成長したとも思えない。レイプされたり、カラダ売ろうとしたり、ホモの旅役者で失恋を味わったりせんでも姉はいずれ恋をするやろうし、弟だっていずれ動物の死に対面するし、アルバイトもするやろ。旅役者が、時代背景を象徴するとともにストーリー進行においても必要不可欠なキャラクターであったことは確かだが、取って付けたようなエピソードの羅列にはうんざりしてしまう。・・・・・・けど、けど、映像表現はとにかく素晴らしい。もう、めちゃめちゃ素晴らしい。ロングショットの美しさは勿論のこと、白と黒のあまりに見事な対比によって、吸い込まれるような、家の無機質なテレビが無機質でなくなるような映像を見せてくれる。人差し指の欠けた手の彫刻がヘリで運ばれる画は印象度も絶大で、暗喩としても充分なものであった。 これでもっと人間考察の深みがあれば・・・と思うと残念でならない。希望と言う光を持ち続ければ・・・ってのも気休めとしか思えんのよな。
stroheimさん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-05-12 17:40:38)(良:1票)
2.映画の序盤で、ドイツの父というのが実在しないのだと宣言されることで、二人の旅には、行き着くところはないのだ、目的地はないのだということが、はっきりと示されています。だから、家を離れ、たどり着くところもなく彷徨う二人の姿には、強烈な孤立感、不安感を感じざるをえません。、、、、ドイツの父というのは何を象徴しているのでしょう。神でしょうか、それとも社会主義的な理想でしょうか。、、、、そのように考えると、二人の姿は、確かな価値を与えてくれる神、目指すべき理想的社会を失ってしまった私たちと重なり合います。、、、、、そして私たちは何を目指したらよいのだろう、というアンゲロプロスのもがき、苦悩も。「こんな別れ方をしたくなかった」というオレステス。それはアンゲロプロスの過去との決別を含意しているのでしょうか。、、、、、あの巨大な手は、誰の手なのでしょう。廃棄されたレーニン像の手なのでしょうか、それとも神の彫像の手なのでしょうか。いずれにしても、人差し指が欠け、私たちには行くべき方向を示してくれることはありません。、、、、、全体として、ただひたすら苦しい映画でした。、、、、、(バイクを売る丘にたれ込める雲。今ならCGで合成するのでしょうが、あの雲が出てくるまで、撮影を待っていたのかなぁ。すごい根性!!)
王の七つの森さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-05 18:36:10)(良:1票)
1.完璧。もう一度言っちゃおう。完璧。映像も音楽もストーリーも、とにかく全てが。個人的にはいろんな意味でぶっ飛んでるギリシャ現代史三部作とか「アレクサンダー大王」のほうがアンゲロプロスの人間性を感じられて好きだが、「霧の中の風景」はかなり特別な存在だ。これの前の作品は「蜂の旅人」という非常にパーソナルな映画で、この映画からは老いを疲れるぐらいに感じたのに、数年後の次回作がこれだ。一体何があったのだろう。時空をまたぐ歴史語りに疲弊して旅に出た老人が、沈黙の詩人になって帰ってきた事は確かだ。ちなみにこれ以降は国境線上の夢遊病者になる。「霧の中・・・」に関しては色々と書きたい事があるが、一番重要と思われるのは、アンゲロプロスもまたこの二人の子どもたちのように原郷を探していたのだろうということだ。そしてこれが一つの答え、なのかどうかはわからない。というのもあそこがその場所なのだとしたら、それはこの世にはない場所だから。それは昔はあったはずだが今ではすでになくなってしまった場所とも言える。だから正確には探しあてたというよりも元の場所に戻ったというべきか。フェリーニには「アマルコルド」という原郷があり、タルコフスキーには「ノスタルジア」という失った原郷がある。そしてアンゲロプロスは「霧の中の風景」についに帰ることが出来た。ただし、これ以降彼の作品を包む霧はそんなに優しくはない。「ユリシーズの瞳」はまさにそれを象徴する。苦しい映像体験になると思うが、これもぜひ鑑賞していただきたい。彼特有の「あえて見せない」演出は曇天の鉛空だからこそ発揮するという事がよくわかるはず。
Qfwfqさん [映画館(字幕)] 9点(2005-02-24 14:17:48)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 34人
平均点数 7.56点
000.00%
100.00%
200.00%
325.88%
425.88%
538.82%
638.82%
7411.76%
838.82%
91235.29%
10514.71%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.50点 Review2人
2 ストーリー評価 9.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 10.00点 Review2人
4 音楽評価 8.00点 Review2人
5 感泣評価 10.00点 Review2人

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