5.《ネタバレ》 このシリーズ、ワカリヤスサが売り、という部分があり、状況説明のセリフが必要以上に入ってしまって、「今のセリフは無くてもよかった(無い方がよかった)のに」と思ってしまうことがあります。しかし一方、それを補うかのように「観る面白さ」を全面に押し出した場面、というのが盛り込まれていて、その代表がやはり冒頭主題歌の背景に流れる、寅さん帰郷のシーンですね。特にこの本作、サイレント時代の喜劇映画を思い起こさせる、久しぶりに活きのいいドタバタを展開してくれます。このドタバタを、“一歩引いて”撮る。という「一歩引いた感覚」、コレが、本作は、全編にわたってしばしば見られます。前半の、北海道の雄大な自然を捉える場面などのロングショットもそうですし。それに、何と言っても、一つの画面の中で複数の物語が同時進行する場面が頻繁に見られるのが、目を引きます。画面手前においてある会話を捉える一方で、画面奥では別の会話が始まっている。そのようなシーンが、意識的に多く取り入れられているようで、何だか実験的なニオイすら感じられます。そしてこのニオイが、クライマックスでしっかり活かされていたりする。クライマックス、最後は寅さんが失恋して旅に出る、というのがいつものパターンだけど、本作では寅さんは予想に反し、柴又に残り、マドンナの結婚披露宴に出席します。この披露宴の席で、宴が進む中、画面奥にマドンナの母親がひっそりと現れる、という、例の「同時進行」のパターンが登場。これにより、感動がさらに盛り上がります。失恋相手の仲人役というつらい立場の寅さんも、この素敵なラストには、まさに柴又に残った甲斐があったというもの。さらに最後は大サービスで、新郎・布施明が歌を披露するというオマケつき、「素人のくせにウマすぎるだろ~」なんて、言いっこなし。こういう楽しさもまた、いいじゃないですか。というわけで、伏線による統一感と、物語の爽快感が、心地いい映画でした。ところで、桃井かおりの花嫁姿、何だかコワかったですねえ。やっぱり、何か特殊メイクでもして、あのコワさを出したんでしょうねえ。まさか本当にあんなコワい顔なんじゃあ、ないでしょうねえ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-18 23:02:21) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 【弱気を助け 宿代浮かす渡世人 その名は寅次郎 北海道篇。今回のマドンナ:桃井かおりさん。】 夢をみる。とらやに帰る。もめて飛び出す。旅をする。そして再び帰る。そして恋をする。結果フラれて再び旅に出る いや、出ない いつもならそこで終わってしまうところで終わらなかった新展開。そのへんグリコのおまけブームに触発されて こちらもおまけ付きとなってしまったのでしょうか(んなバカな。) そんなことより、マドンナ桃井さん、かつてない特異なキャラとしてのご登場。寅との馴染みも楽しくよかったと思います。
でもそんな今回、寅次郎さんには一つ説教させていただきたいことがございます。それはお土産の件についてなのですが、 おいちゃんにはローション、満男には鉛筆、マドンナには(葬式の時使う数珠のような実はセンスよろしいとは思えない)ネックレスなど懐から思い切りよくバシッとプレゼントされていましたが、ちょっと待ってください アンタたまにはさくらにも土産の一つでも買ってきてあげなさいよ 確か今まで一度だってないよね さくらへの土産とかプレゼント・・ 泣くなさくら、きっと次に帰る時にはマイホームの一軒でも買い与えてくれるはずだ。 泣くなおばちゃん、次に帰る時にはきっとかわいらしいネグリジェでも買ってきてくれるであろうはずだ。 いいか 寅助わかったか 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-03-24 21:57:10) (良:1票) |
3.シリーズの中期以降に度々見られた、寅さんと若い二人の恋が描かれた作品としては好きな作品です。最後は仲人まで引き受けますが、途中は寅さん自身もしっかり恋をしている。同じ若い二人の恋がメインの作品でも、ここは重要なポイントな訳で。序盤とラストの湯原昌幸演じる旅館の若旦那とのコントに、おばちゃんが上流階級言葉を度々噛む所、「田園地帯のお嬢さん」とか「寅様」とか、細かい笑いドコロもいい感じでした。また、若い二人の恋のシーンで流れるル~ララ~♪という優しい音楽も良かったです。 【とらや】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2010-11-07 15:50:15) (良:1票) |
2.誰もいない「とらや」の二階でカバンを床に置き、しゃがみ込み、帽子をポンと投げて一言、「辛いところだな」。私はこのシーンがたまらなく好きです。誰を笑わせるためでもなく、説き伏せるためでもなく、ふと吐露してしまった男としての本音…。こんな寅さんを、今まで見たことがありません。この瞬間、私には寅さんが健さんに見えました。まさに“男はつらいよ”です。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-07 01:28:03) (良:1票) |
1.寅さんシリーズで一番つまらない。 【イニシャルK】さん [地上波(邦画)] 3点(2005-03-08 01:50:50) (良:1票) |