9.《ネタバレ》 知人(合気道有段者)より教えてもらい鑑賞。爽やか青春ものか~とか思ってましたが、想像していたものとはかなり違うものでした。石橋さん演じる師範がとても良いです、柔らかくておだやかな雰囲気は、実際に先生たちはこんな感じです。「受け入れること」、、、とても深いですね、私も合氣道を習い始めて2年目ですが、自分の中で何か変わったと思っています(今後も稽古頑張ります!)。惜しいのは全般的に取ってつけたような出来事が多い・・・最後の異種格闘技戦みたいのはなんだ!?あれが無かったらね~、まぁ戦わしたい気持ちは分からなくもないけど。ちょっと残念でゴザイマシタ 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 5点(2015-10-20 06:16:32) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 加藤晴彦が障碍者となった苦悩をヤツ当たりや我が儘など弱さやカッコ悪さを晒しながら演じていた前半はリアルで良かった。 ところが、ステレオタイプの悪役空手家との対戦が雰囲気をぶち壊した。 素人相手ならともかく武道家との真剣勝負で合気道を描くとたちまち嘘っぽく見える。 合気道はどうみても実戦格闘技大会向きではない。 しかも経験の浅い白帯が車椅子で圧勝してしまうのだからバカバカしくてシラケてしまう。 このマンガ的茶番がなければもっとシリアスで締まった秀作になったのに。 せめて、負けたけれど舐めていた空手家を思わず本気にさせたくらいに留めて、相手に認めさせる流れにしておけば随分印象が違ったと思う。 絵空事に走らず、リアルに克服する話にしてほしかった。 実戦で空手家に勝つことが障碍を乗り越える道ではないのだから。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 5点(2014-09-27 14:54:08) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 本作「AIKI」
私はこんなにも「障害者」と真意に向き合った日本映画に初めて出会いました。
主人公の加藤晴彦演じる芦原太一は障害を負ってからというもの最低のロクデナシ。 私は劇中何度も彼の車椅子を蹴飛ばしたくなりました。
そんな彼の閉ざされた心を象徴するかのような、散らかったベッド・・・。
しかし物語の終盤、その散らかったベッドで 彼はそれまで築き上げた自分の力で、 ともさかりえ演じる愛するサマ子と一夜を共にします。
ただただ、涙、涙、涙のベッドシーンでした。
だって彼は良くある日本映画に出てくる「特別な障害者」じゃない。 ただの足の動かないロクデナシなんです。
そんな彼が自力で幸せを、生きる喜びを掴もうとする行為だからこそ 私は涙が止まらなかったのです。
そして、そんな彼が変わるきっかけになった合気道。
彼が車椅子になった葛藤と、この合気道との出会いをリンクさせた事が この映画の何よりも素晴らしいトコロだと思います。
「なんちゃらボーイズ」や「なんちゃらガールズ」とは また違うスポ根青春映画のカタチがそこにはあります。
楽しい楽しい青春の1ページなどでは決してない。
彼にとっての「合気道」とは自己の尊厳をかけた戦いだったのです。
何故なら本作で語られる合気道の思想
合気道は相手を拒絶するのではなく、まず受け入れること
それは合気道の修行と同時に 正に障害を追い廃人同然になっていた太一が 自身の障害を受け入れる修行そのものだったように思います。 【吉祥寺駅54号】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-07-28 21:55:13) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 前途有望のボクサーが、交通事故で下半身まひへ。十人十色の人生でもばばを引いたと思わざるえない障害者人生。脊髄損傷になった人間が、必ず通る地獄をソフトながらちゃんと描いているのが、新鮮だった。一緒に事故をした彼女は友人と結婚し妊娠、せっかくできたミステリアスな彼女も謎の行方不明。現実はこんなもんで、甘くないんということですかね(;_:) 合気柔術と出会って絶望から歓喜へいたるわけだが、その間のいろんな人との出会いが全て印象的だ。特に石橋、火野、桑名の中年三人衆は、それぞれ実に魅力的で良かった。あと、一番リアリティがあったのが彼女とのエッチシーンだ。子供には見せたくないけど、不思議と心温まった。映画の主人公は、ばばを引いてしまったけどプラスになるぐらい素晴らしい出会いがあり、うらやましく感じてしまった。障害者を特別視したらいけないかもしれないが、やはり偉いなと思ってしまいます。 【パオ吉】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-11-19 01:04:51) (良:1票) |
5.邦画特有の変にお涙頂戴的な展開もなく、爽やかな青春映画として良作だと思います。私には丁寧に描かれた前半が却って良かった。しかし後半の展開は余りにもファンタジックで、折角のテーマが弱くなってしまった様に感じました。判り易過ぎる悪役の空手家はまだいい。でも、サマ子って一体何者? 例え相手が二枚目の健常者でも、こんな都合の良い天使がホイホイ現れるほど現実は甘くない。それに青春映画の定番とは言え、ラストの主人公の旅立ちも、この映画では違う様な気がした。むしろ社会に根付くことを選択し、そしてそれがコミュニティに受け入れられる(ように努力する)状況を描くことこそ、本作の主人公にとってより希望溢れるラストだったと思います。そういうことで、無敵の大東流合気柔術に、6点献上。 【sayzin】さん 6点(2004-10-17 20:36:58) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 自分はならないというのは保障されない話で、いつ自分が身体障害を負うか誰にも予期できません。
主人公は自殺まで計画しますが、小さな波紋が彼を勇気付け現実を受け入れて立ち直る過程を面白く、且つ感動的に描きました。
デンマーク人身障者の実話で、日々感じる劣等感や性機能の喪失などの描写も本人の希望だったそうです。
今まで感じることの無かった差別の中で合気道と出会い、心の平穏と豊かさを結実させるプロセスを真実味豊かに描写しています。
僕は脇役・ともさかりえがあまり好きでは無かったのですが、認識が一変しました。上手です。
コミックタッチな部分はありますが許せる範囲で仕上げられています。
途中から登場するG・リトリーバーの仔犬が太一のパートナーとして成犬に至る過程も微笑ましく、愛くるしいショットが多数織り込まれてます。
石橋凌演じる合気道師範代は、大変頼り甲斐があり野に眠る達人の存在感や人間愛に溢れています。 【白狼】さん 7点(2004-06-03 18:55:18) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 交通事故で下半身不随の主人公のクサリ具合を丁寧に描写したから、合気道と出会ってからの修行の日々が清々しい。ラストの異種格闘技戦はオマケってことで。期待しないでみただけに妙に面白かったよ。 ビールで乾杯を「合気上げ」とか、ほんとに言ってそうだしさ。 【拇指】さん 8点(2004-03-26 21:19:13) (良:1票) |
2.障害者を扱った日本の作品だとつまんない(わざとらしかったり、妙に説教くさかったり)のが多い、という思いがあったのですが、これは別。下半身麻痺で車椅子に乗っている主人公が合気柔術を学ぶ姿(それに「知りたがってるけど聞きにくい」事柄についても)が、実に丁寧に描かれていました(モデルになった方が「かっこ悪いところもきちんと描いてくれ、嘘はつかないでくれ」と要求したのだそうです)。脇を固める火野正平、石橋凌、桑名正博がいい味出してたし、ともさかりえも魅力的でした。ただ残念なのが後半の悪者格闘家(?)が出てくるシーン。それまでとても丁寧にリアルに作られていた話が、あそこから急にマンガチックになっちゃったんですよねえ。あたくしとしては、地味に静かに終わっても良かったと思うのだけれど、見せ場を作らなきゃって思ったのかなあ。でも、いい作品です。 【ぐるぐる】さん 7点(2003-10-08 21:29:29) (良:1票) |
1.「世の中、平らな道なんて無いんだぜ」「ただ生きてるだけじゃダメなんだ」というポスターのコピーに惹かれたことは事実です。書店に陳列されていた原作を手にした記憶もあり、また加藤晴彦をスクリーンで観てみたいという気持ちからもフラリと映画館に入りました。場内は車椅子の方も多く、また合気道(術)家らしき方々も見かけました。事故で下肢に障害を持ち、なげやりな悲観的な気持ちでいた車椅子の青年がAIKIに出会いそれを通して現実を受け止め、前向きになることを学んでいく実話をもとにしたストーリーです。加藤晴彦は自分のキャラクターを主人公に重ねて演じています。負けん気の強い表面と反対に、思うようにならない苛立ちと絶望感の後にふと見せる虚無の表情など繊細で傷つきやすい裏面を熱演しています。「障害は個性」なのは当然ですが、現実問題として障害を持つ方が生活していくための環境課題は多いと実感しました。火野正平演ずる達観(?)した患者は妙に現実的?。相手を受け止めないと何も始まらないのは誰でも同じですね。逃げずに、あるがまま、周りのすべてを受け止めることが自分の存在なんでしょうね。ともさかりえのラブシーンはちょっとびっくりでした。 【天地 司】さん 6点(2003-05-03 16:43:41) (良:1票) |