4.少し残念だ、と思った。私は、ギャスパー・ノエ監督のセンスが大好きなのだけれど、この作品で彼の底が見えてしまったような気がした。彼は暴力的な映画を撮り続けて来た。ならこの作品が最凶なのは間違いない。でも私はそうは思わなかった。確かにこの映画の表層的、視覚的な暴力描写には、他の2作など及びもつかない。でも私は「カルネ」「カノン」の方が暴力的だと思う。それは多分、北野武が「「BROTHER」より「DOLLS」の方が暴力的だ」と言うのと同じ理由で。前2作を超えるものを作るには、とにかく扇情的で人の不快感を掻き立てる映画だろう、と表層的な暴力描写に頼り過ぎてしまったのかも知れない。それが非常に残念。次に期待して、7点。 【ひのと】さん 7点(2003-12-17 21:04:08) |
3.好きだけど他人には勧められない。 【愛人/ラモス】さん 7点(2003-11-12 11:46:37) |
2.いろんな意味でかな~~~り後をひく。頭を抱えて「やめてくれ~!」と叫びたくなる暴力描写もリバース映像によって見てる側は多少救われた気分になるという不思議な感覚はこの作品の持つメッセージ「時間はすべてを破壊する」とリンクする。「全てを見せる」という監督の主張もワンシーン・ワンカットに表されている。オープニングとエンディングに「時間はすべてを破壊する」と入れられれば、たとえ深読みするほどのメッセージが無いとしてもいろいろ考えてしまう。そういう意味においても後をひく。解からないなりにもこれまで見てきた映画の中で良くも悪くもここまで頭から離れないというインパクトを与えたという点でとりあえず7点。ただ、おすすめはできません。「時計じかけのオレンジ」で吐き気をもよおした人は間違いなく吐くでしょう。 【R&A】さん 7点(2003-10-29 11:20:54) |
1.<ネタばれあり~!>これは、トンデモ無くブルーにさせられます。人を食ったようなエンドロールの逆回しから始まり、数分で強烈なパンチを食らいます。そして殆ど生理的嫌悪感を感じさせる真っ赤なトンネルでの衝撃レイプシーン。「フランスの宝石」とも言われる女優モニカ・ベルッチがただうめき苦しみ、殴打され痙攣するそのシーン。「な~んだ大した事無いじゃん・・・」とは思ってみたものの物語りが進む(逆行する)につれ脳裏に焼きついたシーンや伏線が離れず、主人公が幸せをかみ締める度に「あぁ、この時こんなに幸せなのに・・・」と痛切に感じます。物語りは衝撃の夜→その日の朝へとただ逆行していくのですが、婚約者と元彼とアレックスの三人がセックスの話題についてバカ騒ぎしたり、婚約した二人の間には誰も介入できない愛情の喜びがあったり、お腹に芽生えた子供の息吹を感じ幸せをかみ締めたり・・・と象徴的なシーンが全て一夜によって破壊される惨さ、もろさ等に圧倒されました。前半で原型を留めないほど消火器で殴打されたヌリア(犯人)が実はまったく別の人でそのそばでほくそえんでいた本人こそがヌリアだと判明したときはもう余りの衝撃で脱力しました。そりゃ、ないよ~!ついでに顔面殴打された人の実際の安否が気遣われるくらいエグいです。「カルネ」や「カノン」でギャスパー・ノエ監督常連の俳優がオープニング(エンディング?)で堕天使の如く登場するシーンはさすがと思いました。私も絶対二度と観ないであろう作品ですが、この作品自体は高評価という変わった作品になりました。見る人はホント覚悟。 【さかQ】さん 7点(2003-05-09 15:23:27) |