6.《ネタバレ》 フェミニズムの嵐吹き荒れる1977年に大学を卒業し、ジャーナリストを目指してNYに出て来たサリー。日本で言えばさしずめ「クロワッサン」世代の彼女が、実に11年間の「友達」づきあいの末、大っ嫌いだったはずの悲観主義者ハリーとの結婚を選ぶ、というある意味70年代の女性解放運動を全面的に否定するかのようなこの作品が、アメリカはもちろん日本でも、女性達から圧倒的な支持を得たことは実に興味深い事実である。強くあれ、キャリアを磨け、経済的に自立して男を頼るな、という信念に支えられて生きて来た世代がこの時30代前半。結婚や出産を脳裏にちらつかせながらも、刷り込まれた価値観との板ばさみに苦しんでいた女性達を再び解放したこの作品は、行き過ぎたかつてのフェミニズム運動に対する一つの回答とも言えるだろう。サリーの歩んだ道は、現実にこの時代に学業を終えて世に出た多くの女性達に通じるものだ。実に11年もの長い歳月を経て、サリーは愛する男性に素直に「YES」と言うことを学び、結婚しない人生をキャンセルして新しい人生を歩み始める。フェミニズムに洗脳され尽くしたかのようなサリーの言動が全編を通して笑いを誘い、あるいは彼女たちと同時代を生きる男性としてあらゆるトライ&エラーを繰り返しながら共存の道を見つけて行くハリー。この二人にシンボライズされるものは、実はこの時代に生きる全ての男女にとって避けて通ることのできないジレンマだったりする。小粋な台詞回しと、この映画で大ブレイクしたメグ・ライアンのコケティッシュな魅力、さらにコメディアン出身のビリー・クリスタルの達者な話芸で、最後まで楽しませてくれる傑作。一見、ライトなコメディのスタイルを取りながらも、隠し込まれた意外にも辛辣なメッセージに思わずドキッとさせられる作品でもある。 【anemone】さん 10点(2003-12-16 00:38:00) (良:2票) |
5.恋愛って、最初から「好きだ、つきあって~」というのと、友情から始まるものと大きく分けてこの2つがあると思う。恋愛の延長に結婚するのが一般的なんだとも思う。ところでこの映画のテーマ「男女の間にも友情は存在するのか?」という視点で鑑賞して、思うことがあった。それは、仲睦まじい間柄であれば関係が上手くいっているわけではないということ。相手と本気でケンカしたり、嫉妬したり、目の前で泣きじゃくったりできなければいけないこと。つまり自分の本心を相手に伝え、相手の本心も理解してあげること。自分と相手の共通点を探すこと。恋愛の始めの頃って、相手にいかに自分の(失態を見せないように)表面のいい部分しか見せないよう配慮するのが普通だと思う(たとえばオナラをしないとか)。なんかのマンガのセリフで、「相手を知る一番の方法は、相手が何について怒っているかを知ること」というのがありました。恋愛では相手の粗を探しにくい。結婚生活に入ったら、こんなんじゃなかったというパターン。友情だからこそ素で相手が分かることもある。友情と愛情って紙一重のものだと思う。男女の間に友情は存在すると僕は思います。そう思いたい。 【どんぶり侍・剣道5級】さん [DVD(吹替)] 8点(2006-01-15 20:47:54) (良:1票) |
4.ビリークリスタルが時々小日向さんに見えて、とても感情移入しちゃいました。外国版小日向文世と自分は勝手に思っています。ストーリーはまあまあかな。でも自分の肌には合わない気がした。もっと派手なラブコメを求めていたからな~。でもこんな始まり方もいいなと思いました。 【LYLY】さん 6点(2004-07-22 12:22:38) (笑:1票) |
3.関係者も語っていましたが、かなりウディ・アレン映画を意識してると思う。ラブコメは恋愛とコメディの比率が重要だと思うのですが、どちらかといえばコメディのほうが強く出てしまって失敗する作品が多い。個人的にはこの作品のように、会話の中で流れを崩さない、饒舌なユーモアがラブコメに合っている気がします。 |
2.あたしゃあんまりラブコメって観ないんですけど「たまにはいっかなー」と思い借りました。うーーーん、嫌いじゃないけど・・・けど・・・。あの「女の演技」のシーンは大爆笑だったし、せりふや表情のディテールも面白かったし、ビリー・クリスタルもメグ・ライアンも結構いいなあと思います(関係ないけどビリーって手塚治虫の漫画に出てくるスカンクってキャラに似てる)。でも・・・うーーーん、こんなこと書くのは野暮かもしれないけど、こういう映画を観てると何だか「恋愛しろーしろー」って脅迫されてる気分になっちゃうんですよ。別に恋愛を否定してるわけじゃないし、そりゃあ素晴らしいものだとは思うんだけど、ほかにも楽しいこととか意義のあることってあるし、何だか多くの人が「恋愛という強迫観念」にとらわれてるんじゃないか?とか思っちゃうんです。大体あの「彼氏(彼女)いない歴~年」って言葉がいけないんだな(多分あれって「ねるとん紅鯨団」で使われてたのが最初ですよね?)。まるで恋人がいる状態が普通でいないのが異常みたいでしょ?そんなことをうだうだ考えながら観ちゃったんで、物語やキャラに感情移入するには至りませんでした。これ読んで不快に思った人がいたらごめんなさいね。決してこの映画自体に文句があるわけではないんです。きっとずっと恋をしてないからこんな風に考えちゃうんだな。これが恋人がいたり、結婚してたりしてると全然違う感想を持つと思います。ということでそのときに備えてワタクシも「アノ声」の練習をしておきましょう。では。 【ぐるぐる】さん 6点(2003-04-27 13:30:39) (良:1票) |
1.私の場合は失恋が決定的なったときに見た映画です。これを見てなんだか元気づけられました。その数年後私は前からの知り合いだった人と出会って12年後に結婚したこともあり、人生って悪くないと映画が教えてくれた感じがします。 メグはとっても可愛かったし、B.クリスタルもかっこうはあんまり良くないけれど合っていたと思います。異性間の友情は成り立つかということで男性意見と女性意見の違いがしゃれた会話で楽しかった。途中で入るカップルの結婚までのいきさつも微笑ましかったです。 【Jade】さん 10点(2002-12-02 01:36:38) (良:1票) |