4.《ネタバレ》 こりゃあなた、ナミダなしでは観られませんぜ。「人は死んだらお星様になるの」(こんなセリフはなかったけれど)というのを地でいっている。このとても上品で、希望に満ちて、そして控えめな孤独がある映画は、邦題通りの「愛情」であふれている物語。主人公のエディが、生きていくうえで感じた希望や絶望を助け、癒し、そして許してもらう。うーん、愛情って許しでもあるんだよなぁと、心に沁みました。そして、幸せになろうと努力し、幸せであろうとして人々に接すると、運命はどうあれ「生きててよかった」「出会えてよかった」という人生が送れるような気がします。2人で観たニューヨークの美しい風景を今度は新しい3人で観ることができたんだろうな、と場面にない場面を想像する。後妻(っつーのも変だけれど名前を覚えていないの)の彼女は、どんな気持ちなんだろうと考えると、また涙が出る。そもそも「ノクターン」って切ない音楽だと思っていたけれど、弾き方によって楽しかったり、落ちついていたり、そしてやっぱり切なかったりするんですね。新しい発見でした。 【元みかん】さん 8点(2004-12-11 16:11:31) (良:2票) |
《改行表示》 3.父親に勧められて鑑賞。私はどちらかというとニューシネマのような暗く捻くれた作品が好きなので、 ニューシネマ以前の西部劇や、この手の古き良きアメリカが描かれた作品が好きな父とはあまり映画の好みが合わない。 いかにもな演技と演出、ストーリー展開。ピアノ演奏のシーンは素晴らしいがくどいようでもある。 序盤あれだけひょうひょうとしていた主人公は思ったより不器用で、頑固で、正直少しいらいらさせられる。 しかし、この作品の真価はあまりに斬新なラストシーンにあった。 文章にするのが難しいのだが、とにかくあのシーンだけですべてをもっていかれてしまった。 頭の中にそれまで描かれた主人公の人生が走馬灯のように流れて、涙がとまらなくなった。 私から見るとあまりにも古い作品でも、こんな体験が出来る。 やはり食わず嫌いはやめよう。 【南雲しのぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-10 16:45:31) (良:1票) |
2.妻への愛、息子への愛、そしてピアノへの愛…。邦題通り、エディ・デューチンの様々な「愛情」を通して彼の生涯を描いた秀作。終戦後の日本で焼け焦げたピアノで弾く『チョップスティック』と最後に連弾で奏でた『トゥー・ラブ・アゲイン』で感極まって涙が流れました。後に解説で知るまで、本当に役者本人がピアノを弾いていると思っていました。 【プミポン】さん 8点(2003-11-03 00:37:06) (良:1票) |
1.正直言って、いわゆる「メロドラマ」は苦手なんですが、これは『グレン・ミラー物語』がそうだったように、何より「音楽映画」として、例外的に好きです。特にタイロン・パワーの華やかな存在感と、意外にも洗練された演技派ぶりに好感度大。ラスト、死を宣告された主人公が、弾いていたピアノから立ち去り、それとともに画面からも去って(消えて)いく一連のモンタージュに、ハリウッド映画の洗練の極致を見る思いです。奥さん役のキム・ノヴァクも美しい。決して「傑作」とかいう作品じゃないのかも知れないけど、忘れ難い1本。 【やましんの巻】さん 8点(2003-10-07 11:28:29) (良:1票) |