死刑執行人もまた死すの投票された口コミです。

死刑執行人もまた死す

[シケイシッコウニンモマタシス]
Hangmen Also Die
1943年上映時間:134分
平均点:7.77 / 10(Review 26人) (点数分布表示)
公開開始日(1987-12-19)
ドラマサスペンス戦争ものモノクロ映画
新規登録(2003-05-19)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-12-19)【TOSHI】さん
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監督フリッツ・ラング
キャストブライアン・ドンレヴィ(男優)フランツ・スヴォボダ/ヴァニヤック
ウォルター・ブレナン(男優)ステファン・ノヴォトニー教授
アンナ・リー(女優)マーシャ・ノヴォトニー
ジーン・ロックハート(男優)チャカ
マーガレット・ワイチャーリー(女優)
原作フリッツ・ラング(原案)
ベルトルト・ブレヒト(原案)
脚本フリッツ・ラング
ジョン・ウェクスリー
ベルトルト・ブレヒト
音楽ハンス・アイスラー
撮影ジェームズ・ウォン・ハウ
製作フリッツ・ラング
アーノルド・プレスバーガー
配給ケイブルホーグ
編集ジーン・ファウラー・Jr
あらすじ
ナチスに占領された大戦下のチェコ、プラハ。水も漏らさぬ厳戒体勢のはずのこの都市で、「死刑執行人」と陰口を叩かれるナチス高官が暗殺された。後任の高官はプラハ市民に密告を奨励。非協力な市民には容赦なく拷問を行って、暗殺犯にかけた網を絞っていく。果たして犯人は発見されるのか? ナチスの残酷な締め上げと、表と裏を柔軟に使い分けるプラハ市民の機微がぶつかり、せめぎ合う。亡命チェコ人たちの話を集めたラング監督とブレヒトが、実話を元に映画化したレジスタンス・サスペンス。
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【口コミ・感想】

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9.《ネタバレ》 マーシャをかばった花屋の老婆が地下室で息を引き取るカット。鉄格子が作り出す長い影の向こうに浮かび上がるやつれた容姿。全編にわたって光と影、そして白と黒のコントラストを効かせた映像が印象的。プロットも秀逸で、前半はややしつこさがあるものの、後半の大胆な編集によるスピード感は圧倒的。一気にテンポアップしていきます。レジスタンスの地下組織でナチのスパイとして活動するチャカ。ゲシュタポそのものではなく、この卑怯千万な裏切り者を陥れて行くという展開が実に面白いです。このあたりはまさに第一級のサスペンス映画。戦争はどうしても集団という群れの中で生きることを人に強いるもの。単独で生き抜いて行くことを容易には許しません。ゲシュタポが生まれれば、レジスタンスが生み出され、一つの組織がもう一つの組織を作り出す。人々はこの組織の一員と成らざるを得ず、結局のところはその動向、形勢によって振り回されることになります。ゲシュタポとレジスタンス。この二つの組織のどちらからもはじき出されたチャカの悲劇はとても興味深いです。卑怯千万な彼の死は自業自得。しかし、徹底的におとしめられた彼の死は、「群衆」の恐ろしさをまざまざと感じさせます。反ナチス映画としてとらえればいいのでしょうが、市民の結束によって果たされたこの復讐劇にも、やはり非人間的なものを感じてしまいます。裁かれることなく撃ち殺されるチャカの死は決して民主的な解決にはなっておらず、まだまだこうした戦いは繰り返される、つまりNot TheEndということなのでしょうか。
スロウボートさん 7点(2004-03-18 20:37:26)(良:4票)
8.《ネタバレ》 後半、弾圧されていた側による復讐が、なんのきっかけもなく始まる。ナチスの統治システムを逆にとった民衆による復讐は、まるで何かの機械のようにシステマティックに、厳かに、そして確実に作動する。巻き込まれた者は、運命を受け入れるがごとく、緩やかな死に向かって進んでいくしかない。これは反ナチ映画ではなく、システムに対する恐怖映画だと思う。
まぶぜたろうさん 10点(2003-12-07 00:27:22)(良:4票)
7.すげい映画を観てしまった。ナチスがヨーロッパで猛威を振るっていた頃のプロパガンダ映画であるにもかかわらず、ちゃんと勧善懲悪の形を取り、優れたエンタテインメントとして成立していながら(つまり、普通の意味ですっげー面白い、ということ)、人間の闇、そして「このような極限下においては抑圧・弾圧される側も“鬼”にならなければならない」という冷徹な事実を突きつけられる。それにしても、よく政治的な作品(マイケル・ムーアのとかね)が「プロパガンダ映画だ」と批判されることがあるけど、例えプロパガンダ映画として作られても、優れた作品はその枠をぶち壊すようなエネルギーを発するものなのだな、と思った。日本で戦前・戦中に作られた国策映画と呼ばれる作品の中にも優れた作品があるそうだし、やっぱ映画って深いのだ。
ぐるぐるさん 9点(2004-11-26 18:09:37)(良:2票)
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6.《ネタバレ》 いつの間にか極めて不幸な事態に追い込まれていく感じは、かのヒッチコック監督ですら“参りました”と諸手を挙げて降参するのではないかと思うくらい凄まじく、ヒロインが退っ引きならない状況に陥ってしまうのに心を痛めるのはもちろんのこと、後半に一転して裏切り者のチャカが嵌められていく姿ですら可哀相になってくるぐらいです。  その恐怖の演出は巧みで、集団に一人取り囲まれていくリンチはもちろん、八百屋のおばさん?が拷問にかけられるシーンの地味な過酷さまで圧倒的で、常に被害者側の立場に感情移入させられハラハラドキドキしてしまいます。  しかしその一方で、例えばゲシュタポ側ながら探偵の如く推理するグリューバー刑事のキャラクター造型は魅力的で面白く、銃の引き金を引くことなく指をパッチンと鳴らしたりしていると愛嬌すら感じます(むしろ彼を殺してしまう側の方が恐ろしい)。 シュプレヒコールがあるところなど政治的なシーンは別の意味で怖くなってしまいますし、ウォルター・ブレナンの登場シーンの深刻さは(どのシーンも素晴らしいが)厳しく、決して無視することはできないのですが、単純に娯楽サスペンスとしても超一級の作品です。
ミスター・グレイさん [DVD(字幕)] 9点(2011-10-12 18:46:14)(良:1票)
5.ナチスに利用されることを嫌ってアメリカに渡ったラング監督によるレジスタンス映画ですが、サスペンス映画としても今に見ても十分に楽しめる映画です。テンポよく展開が変わっていきながら常に緊張感を持続する構成が見事で脚本の素晴らしさが感じられます。光と影、明と暗、白と黒といったモノクロならではの効果が不安感や恐怖感をもたらす。ナチスの支配下のプラハで「死刑執行人」と市民に恐れられた総督を暗殺した犯人を探すゲシュタポ対地下組織、そしてプラハ市民。捜査のために報復のために罪の無い市民を処刑していくゲシュタポに対し地下組織も報復でそれに対抗する。本作でもラング監督の人間描写には独特の凄味があります。これは1943年の作品。まだ戦争も報復の連鎖も、プラハ市民の反ナチスの闘いもまだ終わっていない。だからこそ”not the end”で作品は締めくくられるところにラング監督の重い気持ちが感じられます。
とらやさん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-11 13:03:27)(良:1票)
4.ナチスも、地下組織も自分には同じように恐ろしく感じました。
アンダルシアさん [DVD(字幕)] 8点(2006-04-21 05:57:53)(良:1票)
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3.多少古びた感はあるにしても、やはり非常に見ごたえがある作品だった。暗殺者をあぶりだすために数百人の人質が取られ、もくろみが失敗すれば関係者全員が銃殺されることを前提に物語が進む。政治がらみとはいえ、ここまで酷薄で重厚な雰囲気のサスペンス映画も珍しい。   味方であるはずのチェコ人たちには、敵役のナチスほどではないにせよ空恐ろしさを感じた。密告屋らしい人物がいるとわかるとたちまち集まってきて、しまいにはリンチに発展しそうになる場面は生々しい。一人の暗殺者を守るために四百人の人質を死なせるという決断にほぼ全員がためらわずに賛成するのにも驚いた。   誇りを失うくらいなら命をも捨てる彼らに、戦時中に一億総玉砕を叫んだ日本人の姿が重なって見える。このような価値観を一概に否定すべきではないのかもしれないが、もし自分が暗殺者だったら自首したであろうことは確かだ。彼らの不屈の意志をテーマにした歌には完全に引いてしまった。   大戦直後のドイツを舞台とした小説で、ユダヤ人の子供たちが徒党を組んでドイツ人の子供を蛆虫と歌う場面があったのを思い出した。感情的になった集団はどんな行為をも正当化する。フリッツ・ラング監督がドイツ人であることを差し引いても、彼の群集心理に対する洞察力は否定できないと思う。   そして何より、小難しいことを言わなくても、単純に娯楽作として優れているというのが素晴らしい。もっとも、クライマックスもまた形を変えたリンチなのだが……
no oneさん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-28 09:50:22)(良:1票)
2.ナチスから逃れる為にアメリカに渡ったという経緯を持つラングですから当然と言えば当然なのですが、「ナチス=悪」を鮮明に打ち出しています。対するプラハ市民の誇り高さと結束を描くことでその勧善懲悪ストーリーはより強固なものになります。しかし、ナチスの暴挙に対して反ナチスのレジスタンスもまた暗殺という「暴力には暴力を」という手段。その結果ナチスの無差別殺人を招き、それに対して結束した民衆もまた殺人を。脚本にラングのほかに二名の名がありますが、誰の功績か、とても娯楽サスペンスとして楽しめる作品になっていますが、この映画の本質は上に書いたように現代のテロ戦争にもあてはまる「暴力の連鎖」の悲劇ではないでしょうか。「暴力の連鎖」はさらなる悲劇を生みます。だから「Not TheEnd」なのでしょう。
R&Aさん 7点(2004-09-24 13:21:28)(良:1票)
1.戦時下に作られた反ナチ・プロパガンダ映画なんだけど、それ以上に、何か異様な「悪夢」めいた雰囲気に包まれた群集劇といった趣き。ナチの司令官を暗殺したチェコのレジスタンスと、その報復のために市民が犠牲になる…という暗澹たる図式はもちろん、ハイキーなモノクロ映像とめまぐるしい編集が迷宮めいた印象を与えるためか? そういう中でもチェコ市民の勇気が称えられてはいるけれど、同じフリッツ・ラングがドイツ時代に撮った無声映画『メトロポリス』の群集シーンと同じ”誇張”と”様式化”が働いているようで、それがシュールな印象を与えているんでしょう…あそこまで表現主義的とまでは言えないとしても。で、個人的にこういうオブッセショナル(偏執的)な感触が生理的にダメなんで、いかに「名作」と言われてもちょっとツライ。ベルトルト・ブレヒト(『三文オペラ』!)が脚本に関わったことへの敬意を含め、実に興味深くはあったんですけどね。
やましんの巻さん 7点(2003-11-13 12:03:09)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 26人
平均点数 7.77点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
627.69%
71246.15%
8415.38%
9623.08%
1027.69%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.25点 Review4人
2 ストーリー評価 9.00点 Review4人
3 鑑賞後の後味 7.50点 Review4人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 10.00点 Review1人

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