5.《ネタバレ》 賑やかなドタバタを繰り広げた前3作とはガラリと趣向を変えて、日本の風景の中に展開する幽霊話となった今作は、『2』でチラリと感じさせた郷愁が前面に押し出されています。時を隔てて津波で死んだ子供達が救済される物語は、深い味わいを持って描かれ、良質な和風ファンタジーへと昇華されていると思います。これは本当に、「日本の映画」ですね。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 8点(2003-11-24 15:39:16) (良:3票) |
4.あまりの低評価ぶりに、いささかカッとなっての満点献上。ホラーだとか、子供騙しだとか、そういった以前に切なく、そして心優しい珠玉作品じゃないですか! 何十年も前に死んだ子供たちは永遠に子供のままで、ひとり生き残った男の子が老人となって再会する。そこに生と死の間にあるどうしようもない”断絶”を漂わせて、でもそれを乗り越えるのが「死者を忘れないこと。記憶のなかで彼らは生き続ける」ということだ、と教える本作に、ぼくは感涙しきりだった。シリーズ中でも、最も地味な印象は否めないけど、ここ最近の日本映画じゃ最も美しい1本だと、ぼくは本気で信じております。松之助師匠、絶品! 【やましんの巻】さん 10点(2003-07-14 15:09:01) (良:3票) |
3.《ネタバレ》 これは今の時期にピッタリの夏の風情、夏休みの体験、単なるホラーなんかじゃないきちんとした子供の気持ちというものを描いて見せていて感心させられた。兄が目の前から姿を消すことの妹にとっての哀しさ、恐怖、大人なら誰しも子供の頃に一度や二度は経験しているであろう、身近な存在が突然、居なくなる怖さ、そういうものをきちん描いているのと兄を思いやる優しい妹と妹思いの兄、人が人を思いやる姿を子供の視線で描いているところに単なるホラーではない、人間ドラマであり、また素敵なファンタジーとしても描いている平山秀幸監督の力量を感じさせられた。正に夏に見たい。夏にこそ見たい子供の為のそして大人も楽しめるファンタジーだ! 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-06-11 19:11:18) (良:2票) |
2.うむ、これを「ホラー」だと思うからアレなのであって、この作品に「怖さ」を求めるというのは、例えば「兄貴の嫁さん」とか黒沢清の「神田川~」に「○○さ」を求めるのと同じだな(一応、良い子の為の映画だと思うので控えめな表現にしてみました)。これは、夏の映画、「日本の夏」の映画、「夏の切なさ」の映画、そして本来の意味での「お盆」の映画。海、プール、スイカ、盆踊り、灯篭流し・・・今の時期観るのにぴったりじゃあーりませんか。 【ぐるぐる】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-08-10 19:06:17) (良:2票) |
1. いやもう、見事としかいいようがない。 一般的なホラー映画と違って、グロテスクな場面やおどろおどろしい妖怪はいっさい出てこないにもかかわらず、 人間の情念の怖さを存分に感じさせる内容だ。 ふつうCGが使われるのはゴーストに必要以上の演出を施してしまわれがちだが、 ここで使われるのはちっとも怖くないカニや骨魚。 その代わり生身の人間に近い死人の霊に想像力を働かせてしまって逆に怖さを感じてしまう。 単にホラー映画というだけでなく、 アイスのエピソードなどほろりとさせる演出を取り入れ、友情のエンディングへと続けていく脚本も素晴らしい。 灯籠流し、お地蔵様、田畑、海辺、蔵の家と田舎を舞台にして、現代の子供たちが忘れてしまったものを思い出させてくれる。 いつか子供と一緒に見たいホラー映画№1。 長さ、キャストともに文句なし。 【mhiro】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2011-01-26 14:25:26) (良:1票) |