6.セイの真っ直ぐな走りっぷりを見てると、自分が小学生だった頃の思い出が気恥ずかしさと一緒に甦ってくる。そうだよ、あの頃は本当に真っ直ぐだった。好きな女の子とちょっと話しただけでも一日中幸せだった。席替えの時は「隣になってくれっ」って必死に心の中で祈ってたし、いざ隣になれたらなれたで気恥ずかしさからチョッカイばっか出してたし、帰り道を一緒に歩きたいから校門の前でさりげなぁく待ったりとかもしてた。体育の時間はイイトコ見せようと跳び箱を張り切ったり、嫌いな持久走も何とか走ってた。階段を駆け上がるときにフワッとなるスカートが気になって気になって、他の男子とその子が話してるのを見るともどかしくてもどかしくて。今でも覚えているのは小5の時の2月14日。休み時間、誰もいないはずの教室に入ったら、その好きだった女の子が別の男子のランドセルにチョコレートを入れていた。お互いにビックリして、一瞬固まって、そういえばその時とっさに出た言葉が「ごめん」だったなぁ。子供ながらにちょっと落ち込んだりもした。 とにかく一生懸命に走りながら過ごしてきた日々が、振り返ればこんなに大切なモノなっている。思い出というのは誰にとっても永遠の宝物。そんな風に気付かせてくれるこの作品は本当に大好きです。 【紅蓮天国】さん 8点(2004-01-23 23:58:39) (良:4票) |
5.この映画を観終わって久しぶりに小学生の頃のアルバムを開いてみた。まだ卒業して六年しか経っていないのに凄く昔のような気がして寂しさが込み上げてきた。それと同時に清々しい懐かしさも感じた。ふと、写真の中に写る自分に目がいった。そこに写る僕は、友達と肩を組み、満面の笑みを浮かべこっちに向かってピースをしていた。純粋に楽しそうで、その笑顔からは何の悩みも感じられなくて、ただただ凄く幸せそうだった。その後もページを何枚も何枚も捲り、そして最後のページにある女の子と僕だけが写る写真(俗に言うツーショット写真)が大切そうに一つのページをし切っていた。でも、そこに写る僕は俯いていた。明かに照れている。見ているこっちが恥ずかしくなるくらい赤ら様に照れている。思わず笑ってしまいたくなるような照れっプリである。そう、僕はその写真の中に写る女の子が大好きだった。小学校に上がる前から大好きで、小学校に入学してからもずっと好きで、卒業するまでずっと好きだった。正直言えば今も好きなのかもしれない。僕とその女の子の二人だけでとった写真は小学校の頃に取ったこの一枚しかない。あの頃は毎日顔を見合わせ、毎日毎日尽きない話をした。僕にはそれが当り前過ぎて、それがいつまでも続くと思っていた。写真の中に映るその女の子は、こっちをちゃんと見つめて笑顔を浮かべ、やっぱりピースをしていた。なのに僕は俯いて、下ばかり見ていた。今さっきは笑えたのに思い出してくると腹が立ってきた。なんでちゃんと笑わない?なんでピースしない?なんでそんなに離れてる?せっかくあの子が乗り気でピースしてくれてるのに・・・お前って奴は・・・幼過ぎて、時間の有り難味に気付かずにただ無邪気に毎日を過ごしていた昔の自分を、今は無性に殴ってやりたい。いや、もし出来るなら、この写真の頃に戻りたい。この映画を見たせいでこんなに考え込んでしまった。しかも凄く悲しくなってきた。誰もがみんな昔は小学生で、でもいつからかその事をすっかり忘れて生きている。でもあの頃の記憶は忘れちゃいけないし、忘れたくない、それにやっぱり何より大切な物。この映画のお蔭で思い出せた気がする。みなさんもこの映画を観ませんか?そしてその後は、僕のように昔のアルバムを開く事をお勧めします。では最後に一言。昔の僕に「ごめん」 【ボビー】さん 9点(2005-02-15 23:55:54) (良:3票) |
4.見てて微笑ましいね。けど最近の小学生はたくましいですね。自分が小学生のころと比べたら・・・(^^;。「はかない恋?冗談じゃないわ!!」という言葉が印象に残りました。個人的にはグサッときます(汗)。ちなみにお汁が出たらお母さんはちょっと黙っててください。 【ゆうろう】さん 8点(2004-02-19 14:48:52) (笑:2票) |
3.こういう、特に目新しさや派手さもなく、かといって芸術・難解ぶったところもなく、ただひたすら実直な感じの作風というのはいまどき珍しいですね。正に主人公セイのごとく、直球勝負って感じでした。セイといえば主役の久野雅弘のいかにも「ほげっ」とした顔がとてもキャラクターに合っていて(しかも後半になるとぐっと引き締まった表情を見せるんだな。いかすぜ!)良かったし、ヒロイン役の櫻谷由貴花も、これが映画初主演とは思えないくらい頑張ってましたね。脇を固める父親(國村隼←あたしゃこの映画を観てこの人にホレた!)と母親(河合美智子)もいい味を出してました。割とどこにでもありそうな青春映画ではあるんですけど、それがかえってよかったのかな。話の中で何度かセイが「うわーーー!」と叫ぶシーンがあるんですが(あれ、「うぉーーー!」だったかな?まあいいや)、青春・初恋って恥ずかしくて、カッチョ悪くて、切なくて、もどかしくて、正にあんな感じですよね。久々に自分の初恋の恥ずかしい思い出が浮かんできて、一人でもじもじしちゃいました。ラストも良かったなあ。・・・・・・それにしても、あの年頃の男の子はホント困りますよね、「わがまま王子様」の扱いには。こっちが何もヘンなことを考えているわけでもないのに突如ご乱心あそばされたりしますからな(しかもタイミングの悪いことにジャージ着用の時!)。ですからご婦人の方々、もしそういう現場を目にしてしまっても、おおらかな気持ちで見てみぬふりをしてくださいな。 【ぐるぐる】さん 9点(2003-07-23 19:34:37) (良:1票)(笑:1票) |
2.精通の描写が生々しすぎる点を除いて全体的に良い雰囲気で話が進む。 前向きな終わり方にも好感が持てるし、彼らの今後がどうなるかという想像が膨らむ良い終わり方だった。 しかし、こんなに開けっぴろげな子供はありえない。 こんなに素直に思いを告白できる子供はありえない。 観ていてそんな思いが常に付きまとった。 でもいい映画であることに疑いは無い。 ほのぼのした気分になれるし(でも自分の記憶と重なることはない。 なぜなら私はあんなにオープンに告白できなかったし、友達に何でも相談なんてしなかった。)。 【称えよ鉄兜】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-12-13 13:46:28) (良:1票) |
1.終盤、大阪から京都の彼女のもとへ自転車で激走するシーンが延々と続く。主人公の少年は部活の途中で、しかも剣道着姿のまんま。いつの時代でも若者というのは思いつめたら、なりふり構わず走り出すものだという象徴的なシーンである。“ごめん”と素直に言える純真さ・もどかしさ・不器用さなど、思春期のイタイ想いが詰まった初々しい気分が十分に伝わってくる、近年では出色の青春ドラマとなっている。ぎこちなさがいじらしくなってくる主人公セイを演じる、天才子役の名を欲しいままにしている久野雅弘。この年頃の男の子に常に一歩先を行っているイメージの、マドンナ役の櫻谷由貴花。共に好演で、この作品に生命を吹き込んで、より魅力あるものにしている。 【ドラえもん】さん 8点(2003-03-06 18:01:21) (良:1票) |