5.《ネタバレ》 これを計算したのか、どうか。ただ最後の1セリフのための長い長い前置き。計算したんだろうなぁ、やっぱり。今まで見たキューブリックの作品の中で最も彼が天才であると納得させられた一本。 【ぷりんぐるしゅ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-09 19:23:35) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 キューブリックと言う人は映画監督でありながら芸術家肌だと思います。とにかく映像を綺麗に撮りたがる。「アイズワイドシャット」もですね、NYの設定ながらこれロンドンで撮影してるのですが、ビルの住まいに差し込む光の色や角度から、舞踏会の屋敷の色調、謎の儀式の雰囲気そのものや、舞踏会に向かうビルの乗ったタクシーの撮影の仕方1つにしても全部が完璧に計算された構図なのです。音も素晴らしい。まるで、堕落した心、脳裏に釘を打ち付けるようなピアノの強い響き。主題歌にもなっている、ショスタコービッチの「ジャズ組曲ワルツ第2番」も名曲。この「♪ズンチャッチャ、ズンチャッチャ~」がテレビから流れるたび、私はキューちゃんの偉大なる最終章である「アイズワイドシャット」を思い出すのです。
159分、私は中だるみを感じず一気に観てしまいました。あまりに期待をした人は大いに落胆し、偉大なる監督の遺作を妥当に評価する人もいました。「精神世界への旅立ち」をモチーフに70年も前の原作の作品を、現代のNYに措き直し、最終編集を終えた数日後に亡くなった遺作。巨匠が最後に何を伝えたかったのか?今の私にはまだまだ分からない事だらけなのです。 |
3.《ネタバレ》 内容は妻の浮気願望ともとれる告白にうろたえた夫が逆に浮気しそうになってごめんなさいと妻に懺悔するという他愛も無い話。その中でキューブリックはどんな仕掛けをこの作品に入れたのか。CRUISE,KIDMAN,KUBRICKという文字から始まるこの映画、なんともハリウッド的である。話の舞台もニューヨーク。そのニューヨークの町並みが全てセット(凄い!)。これもハリウッド的だ。そしてハリウッドを代表するトム&ニコール夫婦の起用。主人公(と共に我々が)が入り込んだ幻想的な世界は主人公と我々が思うような世界ではなく結局は幻想であり虚構の世界であった。そこにハリウッドをダブらせているように感じました。やたらと華やかなクリスマスの電飾がいっそう虚構を強調しているように思った。ハリウッドスターも虚構の中で幻想を見ているのですよと。その虚構の中で生きるムービースターの生活を覗いてみましょうとでも言いたげなこの映画のCM。(CM製作もキューブリックが手がけたらしい。)二人のSEXを期待させるCMだが、いつまでたっても二人のSEXは無い。冒頭でトイレに座るニコールの姿にありのままを覗かせてくれると思わせておいて結局SEXは無い。最後にSEXしましょう、で突然終わる。ニクイなぁ、ホント。スターのオーラを脱がせる為の長い撮影期間のおかげで結果として二人は最高の演技を見せてくれます。すべて計算通りということか? 【R&A】さん 8点(2004-07-30 13:09:13) (良:1票) |
2.味わい深い作品ですなあ。光や色の使い方がすばらしい。 【チャー】さん 8点(2002-06-11 17:42:20) (良:1票) |
1.これは本当に評価が難しい作品だ。内容は妻の貞操観念が思ったより軽いことにショックを受けた主人公がヤケになって乱交パーティに潜入したけど主催者側の怖いおっさん達に脅されて、やっぱ身の丈に合わんことはするもんじゃないよね、と気づくだけのなんともショボイ話なんだけど、さすがはキューブリックで、この程度の話なのに2時間半強、まったく退屈せずに見ることができた、ということで逆説的にその力量を示しているのか。それとやはり映像と音の使い方は素晴らしく、特に乱交パーティのシーンで赤いマントを着た人が杖を床に突き立てるシーンの色彩感覚とあまりに禍々しいBGMのセンスや、主人公が尾行される時に使われるリゲッティによるピアノの挿入などは白眉。しかしキューブリック自身「本作が私の最高傑作」と語ったらしいが・・・どうでしょう?なお、点数は思いっきりエコヒイキが入ってます。 【ダイ】さん 8点(2001-07-29 01:43:02) (良:1票) |