13.これをアメリカ賛美映画だと言う人間は何故かと言うと「最後にアメリカ国旗が出ているから」だと言うが。あの色あせたドロ水に漬かった様な色をしたアメリカ国旗と映画の冒頭でのドイツ人が諸手を上げて降伏の意をしめしてるのにアメリカ人がおもしろ半分に殺したりするシーンやドイツ兵に暴力を振るったりするシーンを見てそう思っているのだろうか?この映画を見たアメリカ人はアメリカの為に戦うぞ!と思ったのだろうか?私としては最後の国旗は「多くの戦死者の上にこの国はなりたってるんだよ」という皮肉や戒めにしか見えなかった。映画の内容も「火垂るの墓」みたいなよくある戦争とは全く無関係な出来事を戦争のせいに誇示つけする戦争映画なんかに比べて遥かに「戦争嫌だ」とはっきり思えた。その意味で私にとってこれは近年稀に見る反戦映画だと位置づけさせてもらう。 【OAM】さん 10点(2002-12-16 06:12:51) (良:4票) |
12.今まで見た中でもベストに入る映画です。任務の意味がわからなかった、という方が結構いて唖然としてますので、言わずもがなの解説を少し。「ライアンを捜せ」というのは、兄弟3人を国のために失った偉い母と息子、その母を気遣う国家というアメリカのイヤらしいプロパガンダのためなんです。だから最初の方にミラー大尉が「次は公報業務だ」とかなんとかいう下りが出てきます。アメリカはもともとプロパガンダと大義名分で他国との戦いに自国の兵士をかり出してきていますからね。この任務には、アメリカに対するすさまじい皮肉があります。この考えがベースにあれば、この映画を単純に「アメリカ万歳の映画」とは言えないでしょう。しかし、戦士たちが、「胸を張って帰れる」と言うようになったのは、今まで様々なFUBAR---何のために闘っているのかわからない理由の戦い--にかり出されてきた中で、どうせなら、「誰かの命を救うための戦い。どこかのお母さんが息子を全員失わなくて済むようにするための戦い」、すなわち、他者のために闘うことは、他のFUBARに比べればマシなんじゃないか、と考えるようになったということなんだと思います。だからこそ最後の"Earn this."というセリフが重い意味を持つことになります。この適訳は難しいですよね。いってみれば、「これだけの犠牲をもってあがなわれたお前の命を、お前自身の手でそれだけ価値あるものとしろ」という感じでしょうか。 |
11.映像による表現力の凄まじさに圧倒された。こんな映画は今まで誰も作ったことがない。それだけでも歴史的な価値があると思うし、満点に値すると思う。すげえよ、スピルバーグ! 【フライボーイ】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-04-06 23:12:21) (良:2票) |
10.矛盾した救出命令にどうして従うのか?当然、兵士の口からも不平が出る。様々な戦闘や仲間の死を乗り越え、理由は異なるが、各々の答えを見つけだしてゆく。とかく数でかぞえられる兵士達だが、彼らはまぎれもなく、名前を持ったひとりの人間であり、それぞれのストーリーがある。フランス人の子供を助けようとする者、神に乞うて引き金をひく者、勇敢なベテラン兵士や立ちすくむ新米兵士…。また、膨大な数の墓標に刻まれた名前のそれぞれにもストーリーがあったはずである。彼らは最期のその時まで「生きた」。大切なことは生きることであり、人生は尊いもの。この、当たり前すぎるが日常では忘れがちなテーマを、戦争を通して頭ではなく心で理解させてくれる、壮大なヒューマンドラマである。 【はたらきばち】さん 10点(2004-01-17 03:33:20) (良:2票) |
9.物議をかもち出している最初の三十分はみんなのコメントがすべてを物語っていると思う。良くも悪くもその三十分はみんなにものすごい印象を与えた。みんなはなんだこれは!と思い、普通のしょぼい戦争映画とは違うぞという印象をもっただろう。そして次にどんなことが起こるんだろうといい印象を得た人も悪い印象を持った人も思っただろう。僕達はスピルバーグにまんまとしてやられた。いろんな期待や不安を思いながらも僕らはその映画中ずっとその映像が忘れられない。それによって戦争を体験したことの無い私たちもあの戦友たちと同じような戦争に対する恐怖感や疑問などのいろいろな気持ちを持ち、三時間見続ける。戦争映画で重要なのは、反戦を訴えているのはあたりまえ。要は、それ以外の人間的なストーリー、テーマをどれだけうまく盛り込めているかだと思う。僕らは彼らの気持ちがものすごくわかる気になっている。だから彼らが発する一言一言が胸に突き刺さる。トム・サイズモアの「そいつを助けて生きて帰ったら、自分の誇りになる」というセリフ。マット・デイモンのあの愛くるしい笑顔。忘れられません。 【野次られLOW】さん 10点(2003-12-30 00:19:58) (良:2票) |
8.これはアメリカで見た思い出深い映画。英語が分からないくせに、ただただ映像に圧倒され、「この映画、素晴らしいじゃないか!」と理屈じゃなく肌で感じた。映画が終わって、目を腫らしていた連れのアメリカ人に、「理解できたか?じゃあライアンは誰だ?」と聞かれ、「トム・ハンクス」と答えて失笑されたのもいい思い出。英語は分からなかった、でも連れのアメリカ人が泣いていたのは理解できた、そんな映画だった。日本で見直しても感動と思い出が込み上げる。たった1人のライアンを助けるために、選抜された8人の兵士。この不条理さ。この不条理さこそが戦争であり、この映画がの素晴らしさだと思う。反戦映画としてスピルバーグの手腕が冴え渡った作品だ。 【ダブロン】さん 10点(2004-04-07 19:23:13) (良:1票) |
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7.戦争の高揚感がわく映画やとどっかの監督さんが言ってたけど、俺は逆に戦争の恐怖を初めて感じた映画やった。他の戦争映画はどっか兵隊さんがかっこえーねんけど、この映画はどの兵隊もかっこわるく見えたし、みんな無様に死んでいく。最初のシーンなんて映画館で観たんやけど、あんなに戦場は怖い所やって感じた映画は他にない。スピルバーグの真意がどこにあるかはしらんけど、俺にとっては反戦映画やったわ。これ観たら戦争なんて確実にしたくなくなるで。後、アパムがココリコの田中に見えてしゃーなかった。 【なにわ君】さん 10点(2004-03-02 11:56:22) (良:1票) |
6.確かに話はつまらんが、意味のある映画として別の次元の役割が… 【セクシー】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-11-24 14:36:20) (良:1票) |
5.まるで戦場を目の当たりにしているような臨場感がありました。特に最初のノルマンディシーンは、当時の様子のすさまじさが血の臭いを伴って伝わってきます。まさに「殺し合い」です。後半の橋での戦闘シーンでは、戦車がだんだん地響きを伴って近づいてくるのが分かり、これも自分が戦場のすぐそばに居るような気分でした。登場人物のそれぞれのドラマにもなっていて、生き残ったライアンが家族を伴ってハンクスの墓参りをするところは泣けます。M・ディモンがハンクスに兄たちとのエピソードを話すところ、最初は笑って話してるのにそれがすごく悲しくなってくる。上手ですねぇ。ハンクスはじめ他の俳優も完全に兵士でしたね。彼らも演じてるより、まさに戦場にいる兵士の気分だったでしょう。さぞ恐ろしかっただろうと思います。戦争映画は名作も含めて数々あれど、これほど生の戦争の恐怖を感じさせてくれたのは初めてです。戦場を忠実に再現することで、多くの人にその恐ろしさや愚かさを教えてくれた監督に拍手です。 【キリコ】さん 10点(2003-06-03 13:07:32) (良:1票) |
4. この世に迷いの無い人間なんて居ない、自分の考えた事・思ったこと・行った事・出した結果・出た結果このこと全てに迷を持っているそれが人間だ、だがその人間である以上、生きる事に最高の努力をかけ、最高の尊厳を抱くそれが人間である、と言う事を感じさせてくれた作品だったと思います。物語の中に数々ある胃が痛くなるような異状なまでの緊張感、これって人生そのものじゃないですか、ストーリーの最後の方の市街戦のシーンでドイツのタイガー戦車が近ずいて来る時のキーーンキーーンという音はまるでゴジラの本土襲来を思わせるではないですか。私の父は第二次世界大戦に従軍した一兵卒(故人)では有ますがこの様な緊張を毎日の様に抱いていたのかと思うと心が痛みます。今の日本のこの平和が有るのは尊厳するべき命の犠牲が有った上の事だと言う事を理解して頂きたいと思います。映画と言う物はエンターテイメントですがその裏にはノンフィクションが有るのです。最後に戦闘経験の無い通訳専門の伍長が友達になったドイツ兵を撃つシーンでドイツ語で何かを言ったあと引き金を引いたシーンがあったのですがその時何を言ったのか分かる方いますか、わたしは英語ならともかくドイツ語は全く分かりません、分かる方は是非ご投稿を。 【ハーケンクロイツ】さん 10点(2003-01-15 01:25:05) (良:1票) |
3.アメリカ礼賛?俺にはむしろその逆に思える。あれこれ理由をつけて戦争をビジネスにするアメリカ国家に対するアイロニーに満ちた告発。ライアン二等兵を救え、っていう物語の始まり方からして猛烈に皮肉的。そう思わない? 【のびた】さん 10点(2002-09-05 00:12:27) (良:1票) |
2.最高、という以外の何物でもない。自分が「なんて戦争という物を知らなかったんだろう」と思わされて、世界観がグラグラと大きく変わる気がした。「アメリカ軍万歳の愛国好戦映画だ」「最後まで任務の目的がわからなかった」などという意見が多々あるようだが、私からすると、そういう人たちは「わかってないなー」という印象。なぜ、映画の中でFUBARという言葉が何度も出てくるのか考えてみてほしい。(すみません。偉そうに言うつもりではありませんが)仲間のために命を捨てるということ。ライベンの変容。最後にライベンが大尉の手紙を自分の懐にしまうところ。単に反戦と取るのも好戦と取るのも当たらない。戦争は虚しい、と言ってしまえば簡単だが、そういう理不尽な状況は人生、どんなときにもある。そういう中で、いかに自分の任務に(なんとか)納得し、そのために出来ることをするか、他者のために働くか、ということのような気がする。難を挙げるとしたら、誰も指摘しない点であるが、私はトム・ハンクスはミスキャストという気がする。(巧さでカバーしていてあまり感じないが)どうも彼は「GIの死体で出来ている」ように冷酷無比な人間には見えない。ので、彼の冷酷さを語るところが幾分説明的。 【sophie】さん 10点(2002-01-02 22:44:08) (良:1票) |
1.とにかく素晴らしい。スピルバーグの最高傑作。トム・ハンクスのおさえた演技も最高。目で演技していた。この映画は確かに最初の戦争シーンも凄まじいが、その後のストーリーがとにかく良い。アカデミー賞の作品賞をぜひとってほしかった。トム・ハンクスの最後のセリフがこの映画のひとつのテーマを語り尽くしていると思う。なかにはえぐすぎると思う人もいるでしょう、しかし僕の個人的な意見としては戦争映画はこうでなくちゃいけないと思う。中途半端に描いたらかっこ良くみえてまうからね。この映画を見て考え方が変わった人も多いんじゃないだろうか。 【ちゃんこなべ】さん 10点(2001-08-31 14:32:38) (良:1票) |