10.ライアン救出を強いる参謀に言いたい。「それなら自分が行けよ」と。ライアンが一兵士だろうが要人だろうが関係ない。 救出が失敗したら、また別の部隊を送ったの?犠牲が何人でようとも?戦死者に対して国の態度は「感謝」ではなく「謝罪」であるべきだ。 話し合いや外交手段でなく、武力行使が「勇気」「愛国心」だと説く政治家や人々は「犠牲になるのは自分じゃない」と 思っているから言えるのではないか? 「戦争支持した人は戦争になった時、全員戦場の最前線に出兵する事」という法律を世界で作れば、戦争は激減するそうである。 私は自衛隊員の知人がいる。安易に「強力な武器をもたせてやるから行って来い(私は行かない)」と言う人達にいつも悲しみと怒りを感じる。 この映画に同様の感情を覚えた。 ラストシーン『今の平和は彼らの犠牲の上にある。私達は彼らに恥じぬ生き方をしているか?恐怖にかられ「正義」の仮面で安全地帯から新たな犠牲を強いていないか?』 そんな問いかけではないだろうか?私は戦場になど行きたくない。だから誰も行かせたくない。 戦争を生み出すのも、戦場に誰かを送り出すのも、私達なのである。代償はいつか自分に返ってくる。けれど止める事が出来るのも私達。絶対に忘れてはならないと思う。 (聞いた話だが、オハマビーチは米軍は汚点として記録から抹消しているらしい。他軍、民間の記録のみ。 海岸への上陸は満潮時にやるのが常識だが干潮時にやったなどetc、無能な上官のせいで地獄絵図となったから) 【果月】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-10-30 01:09:56) (良:2票) |
9.《ネタバレ》 妻投稿■最初の上陸シーン。説明不要。カメラは常に殺される、あるいは必死で銃弾から身を守ろうとする兵士の視点。音声も戦場で戦友が悲鳴を上げ、肉が引きちぎれ、球の乾いた音がピュンピュン入ってくる、これまた兵士の耳線(じせん)だ。さらに装備の重さや撃たれる痛みまで感じるような描写。観客は一人の兵士になって、戦場において「命令」の名の下に人は簡単に人生を断ち切られる(死ぬ…という表現にしようと思ったけどこっちにする)事を容赦なく突きつけられる。■この現実の下で、兵士たちが「ライアンのお母さんが可哀そうだから、息子を助けてあげて」というふざけた命令を遂行させられる本編が始まる…というコンセプトは、観客から見れば「映画としてふざけるな」というものなのだが、映画は観客に対し、そういう不条理やその他どうしようもない部分にとことんつきあってほしかったのだろう。■この映画は単純な反戦映画ではない。もしそうなら乱暴な憲兵や馬鹿な政治家、女性や子供へのレイプシーンが出てきただろう。この映画がそういうものではなく、敢えて「ふざけた人道主義」「そこから引き起こされる不条理」を描き続けるのは、戦死した一人一人の兵士たちへの敬意と鎮魂であり、往々にして戦争を、「閉塞感や不条理を無くしてくれる特効薬」だと勘違いする政治家や一般市民に対する警告なのだと思う。 【はち-ご=】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2010-09-05 04:29:23) (良:2票) |
8.冒頭から物凄いシーン。そう、地獄絵図。まるで従軍カメラマンのドキュメンタリーみたいだ。戦争といえばその通りなんだけど、むしろ人間どうしの壮絶な“殺し合い”を見せつけられた感じだ。最前線に赴くという事は、阿鼻叫喚の地獄が待ち受けており、不条理な政治的命令で動かざるを得ないのが実情。しかも、生きるも死ぬも運次第。木っ端みじんならマシな方で、そのほとんどが苦しみ悶えて死ぬ。腰が抜けて何も出来ない兵士。ただ膝を抱えて泣叫ぶ若い兵士。「ママ、ママ …ゴー、ホーム」…悲痛な叫び声が脳裡に焼き付く。監督スピルバーグは音と映像を通して、戦場の恐ろしさをストレートな演出で訴えている。ラストのクライマックス、ドイツ軍の戦車が右方向に向きを変え、遠方からジワジワと接近してくる描写のもの凄い緊迫感。人間の内面から揺さぶる恐怖を描かせたら、さすがスピルバーグだ。言うなれば本作は、ミラー大尉、ライアン、アプムなど主要人物に感情移入させる手法をとり、窮極の戦争シミュレーションを観客に体験させ、厭戦感を植え付ける結果になっている点からすると反戦映画の部類に入るのではないだろうか。 【光りやまねこ】さん 9点(2003-05-04 13:05:53) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 個人的には「ザ・パシフィック」や「バンド・オブ・ブラザーズ」「シンドラーのリスト」の方が好きだが、この作品も戦闘シーンが圧巻。 ただちょっと待って欲しい。腸が飛び出ただって? 「炎628」とか「夜と霧」とか「最前線物語」とか、この映画より強烈な戦争映画はいくらでもある。 だがこの映画の戦闘描写も凄い。水中でも容赦なく飛び交う銃弾、水没する戦車、腸をぶちまけ積み上げられる死体、銃弾が飛び交う中で自分の腕を探す兵士、治療しても別の流れ弾で死ぬ兵士、戦車や揚陸舟艇の上陸を阻むべく置かれた障害物が皮肉にも盾となって銃弾から守ってくれる、火炎放射器、降伏しても撃ち殺してしまう狂気、甲子園の砂ならぬフランスの砂、銃剣とガムで作る鏡、魚まで打ち上げられる浜辺。 カメラの揺れ具合や音が消える演出も、戦場で直接戦う兵士の視点で撮られているためであろうか。だからってカメラに血潮を付ける馬鹿がいるか。 映像の生々しさは凄い部類には入るが、ストーリーのムチャクチャさはどうだろうか。 いくら愛する我が子が3人も死んでしまい、せめて末の息子だけでも助けて欲しい。母親の切なる願いは解る。 解るが1人の軍人を救うために1部隊の兵士をむざむざ死にに行かせるような作戦を認証した軍部は異常としか思えない。 今まで10人、100人、1000人以上の味方ために死ぬのがせめてもの救いだったのに、それが今度はたった1人のために1部隊みんな死んで来いときたもんだ。 観客にとっても冒頭から墓参り→20分以上も地獄を見せられた上にそれ。 罰を受けた兵士なら解るが、何もミスをしていないバリバリに動ける兵士にそのような任務を課す。こっちの方がよっぽど残酷極まりない。 まして探す対象は士官や重罪人ならともかく名も無いに等しいたった1人の雑兵。 自分の吹っ飛んだ腕や飛び出た腸を探している兵士はまだ幸せだ。 ミラー大尉たちは、ジェームズ・フランシス・ライアンを見つけるまで四肢が吹き飛ぼうが肉体が木端微塵になろうが任務を続けなければならないのだから。 ライアンは悪くない。こんな作戦を指示できる上層部がクソなんだ。それに逆らえず選ばれた以上、戦うしかない兵士たちのやり場のない怒り。 その鬱憤をライアンにぶちまけるまでは死ねるかよと、死力を尽くしてノルマンディーの戦場を突き進む。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 10:50:24) (良:1票) |
6.この映画以降、戦争映画には必ずスプラッター並みのグロい描写が伴うようになったという点では記念碑的な作品と言えます。ストーリーそのものやドイツ軍の描き方、アメリカ万歳的なところに批判も多いようですが、映画は小説と違って「画」で魅せるもの。この映画を観て「戦争は怖い」、「戦場には行きたくない」と思った人も多いことでしょう。そういう点では十分、反戦映画だと思います。最初と最後の星条旗がゆらめくシーンは(製作者側の意図とは違うかもしれませんが)、私には自虐的に感じられました。 【長毛】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-08 00:38:25) (良:1票) |
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5.スピルバーグらしくイライラしない作りの、映画を観ながら考えたことも含めて作品であるといったタイプの一本だった。あのビーチだけで2500人が死んだとはいえ、連合軍は敵地に踏み込んだわけで、優位に立っている。だからこそ兄弟を失った兵隊を呼び戻すといったことが現実にも行われたわけだが、現場の人間にしてみれば恐ろしいプランだろう。冒頭の激しいシーンは、そのことを実感させる。ライアン一人を救うために危険を冒す、理不尽な感じ。誰でも自分の目先の命が大事だ。だけど、そもそも目先の人命が一番大事ならば、はじめから戦争をやっていない気がする。つまり一番大事なのは何かということが流動的になってしまった状態が、戦争というものなのかなと思った。たとえばナチが原爆を完成させてしまったら、アメリカにいる家族だって危ない。そういった身近な感情が集まって、たとえば戦争全体を動かしていたはずで、それは結局、ライアンを助ける行動にもつながりうる。兵士たちの心の動きは自然で、おかしいとは思わなかった。それに、見終わって納得がいったり純粋に感動に包まれたりしないことも、物足りないとは思わず、むしろフェアーだと思った。 |
4.《ネタバレ》 救出後、ライアンが送った平凡な人生。それがいかに、この世に生まれた人間一人一人に当たり前の権利であるか、ラストの墓地シーンから、それがよく伝わってくる。だからこそ、大勢の命と引き換えに救われたライアンの、「私は本当にそれだけの価値があったのか」と激しく自問いする眼差しから、星条旗へとゆっくり切り替わるシーンは、非常に印象に残った。こういった切り口で反戦を訴えるのは、とても斬新だと思う。 【九寨溝】さん 9点(2004-05-21 23:41:46) (良:1票) |
3.戦争って地獄だ…戦争やっちゃいけねーよと思った。 けど僕は男だから同時に血がたぎりました。 【アルカポネ】さん 9点(2003-11-10 22:28:08) (笑:1票) |
2.スピルバーグ作品の中では最もメッセージ性の強い作品と感じた。第二次世界大戦をはじめとする幾多の困難の歴史を越えて、今を生きる私たちすべてがライアンであり、守られた現代の幸福をどう生きるのか、どう次世代に繋げていくのか、ということを、強烈に問いかけている作品。ゆえに、休日の夕方、だらけた気分で鑑賞した私は、ちとげんなりしたので(笑)マイナス1点。 【poppo】さん 9点(2003-04-06 12:20:56) (良:1票) |
1.私の父は戦争体験があります。その父がリアルだと言ってました。そんな映画だということです。そもそも出兵すること自体が不条理なのです。戦争で死ぬのに理由があるのかどうか・・・。わからないという意見もあったようですが,そりゃあ,わからないものなのでしょう。 【KKKK】さん 9点(2001-05-31 16:40:35) (良:1票) |