12.リドリー・スコットの『エイリアン』は、私の大好きな大好きな映画。それが、気が付けばヘンテコなシリーズと化し、幸か不幸か、我々はエイリアンの勇姿を長く目にすることになりました。第2作は「今度は戦争だ」と称し、もちろん戦争などではなく、実に健康的なドンパチ映画。確かに面白かったけど、「でもそうじゃないだろ」と、何か釈然としないものがありました。そこに現れたのが、エイリアンと坊主頭のシガ兄がにらめっこするシーンでお馴染みの第3作。そうそう、“エイリアン”ってやっぱり、こういう、不健康な感じの映画だよね、とやや納得。2作目からのつながりを敢えて拒否する姿勢も小気味よい。舞台も囚人ばかりのケームショ星、リプリーもたいして深い理由でもないのにあっさり丸坊主にしてしまい、色気のない独特の雰囲気。最後に立ち上がる囚人たちの姿はまさに、エイリアン映画というより、ほとんど蟹工船の世界。その根底に流るるは、抑圧とそこからの開放という思想的エロティシズムに他ならぬ。なかなか見事な変態映画になっているではありませんか(※さらに、CGエイリアンという新鮮さもあったけど・・・CG大氾濫の今、観直してみると、この点はかえってフツーの映画っぽく見えちゃいますね)。 さて本作に続く第4作は・・・・・・なんだこりゃ?? 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-01-06 17:38:02) (良:1票)(笑:1票) |
11.「 絶妙の 造形いじって へちゃむくれ どうせ暗くて ロクに見えぬが 」 詠み人 素来夢無人・朝 |
10.ここでの酷評ぶりと、皆さんのレビューを読んだ限りではご存知の方はあまりいないみたいですが、前作「2」のエンドロールの後、「カチャカチャ、ベチベチッ」という、フェイス・ハガーの歩く音が密かに聞こえます。意味深な字幕が表示されているところから、ただの飾りだとも考えにくく、この「3」のオープニングでリプリー以外全員死ぬというシナリオはフィンチャー監督がこの映画の為に考えたシナリオではなく、「2」の時点でジェームズ・キャメロン監督が考えていたものと思われます。皆様フィンチャー監督をかなり酷評されていますが、決して彼に非はないでしょう。監督はあくまでエンドロール後の「音」を利用して自分なりに物語を作った、それまでなんですから。むしろ、オープニングを「1」と同じような雰囲気を漂わせた映像にしたり、「音」を利用したりT2オチを使ったりと、彼は前作前々作の監督へのオマージュを入れており、かなり熱心に本作に取り組んでおります。いろいろ書きましたが、この映画自体は「2」のウォルター・ヒルが脚本を担当しただけあり、2よりは戦闘の仕方が派手ではないにしても興奮のバトルシーンが繰り広げられ、見た後には爽快感溢れ、かなりボリュームのある作品に仕上がったなと思いました。個人的には結構好きですよ、この映画。 |
9.『2』でやめとくべきだった。異論は認めない。 【S.H.A.D.O.】さん [インターネット(字幕)] 0点(2024-01-31 15:26:07) (良:1票) |
8.監督の嗜好がモロに出るシリーズですよね。 解釈や捉え方などエイリアンに対する愛情が薄いのが悲しい。 これじゃエイリアンじゃなくても別の宇宙生物でも猛獣でも構わないのでは。 2のイメージを払拭する事と、自分のカラーを前面に出す事には 成功しているけれど肝心のエイリアンファンの心理を置いてけぼりにしてしまっているように感じた。 この監督さんは人間は描けるけど、エイリアンは描けない人なのかな。 『本当に恐るべきモンスターは人間』みたいな事を言いたかったのだろうけど、 エイリアン=モンスターという解釈が根本から違うと思った。 【どぶん子】さん [映画館(字幕)] 2点(2008-12-07 03:29:09) (良:1票) |
7.『「エイリアン」シリーズ?知るか。これは俺の映画や!!なんや文句あるか!!!』そんな彼の声が聞こえてきました。頑固者には関西弁がよく似合う(偏見) 【キュウリと蜂蜜】さん 8点(2004-09-19 00:59:23) (笑:1票) |
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6.結構評価が低いこの「エイリアン3」ですが、俺としてはこの出来はまだ合格範囲だと思います。前作の戦争アクションから一転して1作目であったようなホラー的要素が中心になっていて、原点に戻ったような感じでした。エイリアンも本作では1匹しか登場せず1作目と同じように囚人たちが次から次へと襲われる展開が俺としては緊張感や恐怖感が程よい感じに表れてかなり良い雰囲気で鑑賞できたと思います(かと言ってアクション中心の「2」が悪かったと言うワケではありません)。衝撃的なオープニングとエンディングにエイリアン目線のカメラワークや武器無しで戦う全く新しい戦闘スタイルと当時にしてはかなり斬新な手法を用い、当時27歳で新人だったデビット・フィンチャーにしては素晴らしいまでの腕前だったと思います。だけど、この映画は全編に渡って暗く、ストーリーも少し救いようの無い雰囲気に仕上がってしまっていた上、前作で有り得ないほど感情移入させまくられたニュートとヒックスを「死亡」の一言で退場させたのは痛すぎた。それにはさすがに堪えたので減点せざるを得なく、1点マイナスで6点。 |
5.坊主だね! 【k】さん 5点(2004-02-04 11:47:57) (笑:1票) |
4.武器が無い!ゴキブリを発見した時に殺虫剤が無いようなもんである。それは怖い!どうする?どうする?・・・結構ハラハラしましたよ。2より面白いとは言い難いが、話の筋は2より好きかも。 【R&A】さん 6点(2003-12-10 14:03:03) (笑:1票) |
3.このシリーズがこれほど続編を重ねているのに、なぜ質が落ちないのかと言ったら、それはやはりシリーズごとに旬の監督を起用し、映画の流れよりも監督の持ち味を大事にしている点でしょうね。そのおかげでファンは毎回新しい感覚で観ることが出来る。でコレはフィンチャー監督なんですけど。絵的な所は面白いし斬新な発想もあったのだが、ただその他はどうかというと・・・。まあ、まだ若かったということで。個人的に最も気に入らない所は前回生き残ったヒックスやニュートが会話の中だけでアッサリ切られた所でしょうか。 【カズゥー柔術】さん 5点(2003-12-09 12:09:43) (良:1票) |
2.様式美の1,娯楽の2。この傑作の後をつぐのは相当な負担。フィンチャーは頑張ったと思う。ラストの落とし前も『T2』がなければなかなかに鮮烈だったはず。しかし、当時のフィンチャーには空間を掌握させる技術がなかったのが痛い(いまだにその傾向は残っているが)。エイリアンがどこから来るかという恐怖も宇宙船内の状況が把握できていなければスリルにつながらないのだから。 【恭人】さん 4点(2003-11-22 03:42:21) (良:1票) |
1.多くの方が誤解しているようですが、この作品、作る前から話がまとまってなくて難航してた上、脚本家が製作サイドと喧嘩して途中降板して他の人に変わり、その次の人も変わり・・。と、結局、脚本が2転3転して、もの凄い現場だった作品なんです。それを、CM界から呼ばれた、長編映画1作目となるフィンチャーが、全てを聞き入れながら作ったんです。彼の介入する余地は映像だけだったんです。非はフィンチャーにはないんです。それを分かってほしい。確かに作品はこけました。が、私の中ではこけなかった。苦しい中で作り上げられたあの映像美と重厚感。フィンチャーの才能の片鱗を覗わせるに足る仕上がりだったと思います。私は初見で7点を付けていました。変更した今も変わりません。 |