8.クラブに柔術家が入ってきたらどうなるんだろうかとかどうでもいい事を考えてしまった。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-12-11 22:13:46) (笑:3票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 デヴィッド・フィンチャーの前作『ゲーム』と同じく、物質的には満たされている独身男性がカルトにハマっていく物語です。『ゲーム』はかなり荒削りな内容でしたが、一方本作はより洗練されていて、映画としては俄然面白くなっています。空虚な毎日に嫌気がさしてはいるが、かと言って反発すべき敵も目指すべき目標も見当たらず、生きている実感を得られない主人公の姿などは、多くの方が共感できるのではないでしょうか。また、社会に飼いならされていた主人公が徐々に常識を逸脱していく前半部分には、爽快感すら宿っていました。フィンチャーによる演出も絶好調で、哲学的な説教を合間に挟みながらも、見事なテンポで話が進んでいきます。これほど深く、かつ見やすい映画も珍しいのではないでしょうか。。。 俳優陣も完璧です。役作りが過ぎてイヤミになりがちなエドワード・ノートンの演技も、本作では適度に抑制が利いていて極めてナチュラルです。一方、ブラッド・ピットは堂々たる存在感。大スター・ブラッド・ピットにしか演じられない役柄を演じきっており、彼のスターオーラが遺憾なく作品に活用されています。かつてのピットは鼻持ちならないアイドル俳優と見られており、同性からの支持はほとんどなかったのですが、本作をきっかけに男性ファンをも取り込み、同世代の俳優の中では突出していたトム・クルーズに比肩する人気を得るに至りました。それほど、本作のタイラー・ダーデンはかっこいいのです。フィンチャーもブラッド・ピットの扱いには慣れたもので、難しいところはノートンにやらせながらも、美味しいところではちゃんとピットを目立つようにしています。この采配は見事なものです。。。 残念なのは、後半があまりに飛躍しすぎるということ。社会からはみ出すだけでは満足できず、社会そのものを破壊しようとするに至っては、共感の度合いがぐっと下がってしまいました。後半では演出のテンポも悪くなるし、タイラー・ダーデンの正体が判明した時点で映画が終わってもよかったのではないかと思います。。。 なお、現在では傑作と評価される本作も、公開時には興行的に失敗し、批評的にも苦戦しました。その時にぶつけられた悪評についてはプレミアム版DVDに付属しているブックレットに評論家の名前付きで載っているので、映画の価値を見抜けなかった評論家達の恥ずかしい言動も併せて楽しむことができます。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-06-03 22:18:26) (良:2票) |
《改行表示》 6.これ、初めて見た時は、何て気持ちの悪い映画なんだ、と思いました。この作品の、メタ性、みたいな部分が、どうも引っかかって仕方がなかったんですね。多分、当時、気持ち悪いと感じた一番の理由は、エドワード・ノートンが映写技師としてのブラッド・ピットについて語る場面、にあったように思います。ここでノートンは明らかにカメラに向かって、つまり我々に向かって語っていて、しかも映画の画面右上の「チェンジマーク」の説明まで始めてしまう。一種の自己言及であり、メタ構造を垣間見せることで、映画の中と我々との境界が曖昧になる。このシーンがあった上での、終盤にあの「真相」が示されてみると、何だか途轍もなく気持ちが悪い。 思えばポストモダンの時代とはすなわち、呪われた自己言及の時代であった、なんてテキトーな事を言うと怒られそうですが、19世紀、科学の「絶対性」はあと一歩で人類の手中に収まる、なんて思ってたら、20世紀に入ると、相対性理論やら量子力学やら不完全定理やらが「絶対性」を悉く奪い去ってしまって。代わりに相対的な視点を手に入れたはいいけど、その後には、無限に続く自己言及、自己懐疑が残されてしまった。自分を批判的に見る自分を、さらに意識する自分、いや、そんな事気にしてたらキリがないよね、とそれを割り切っている自分を、さらに意識せざるを得ない自分。 広義に見れば、映画におけるパロディというものも、映画の自己言及の一つ、と思えば、そんな事は昔からやってたんだろうけれど、ホラー映画の世界では『スクリーム』がメタ性を意識的に取り上げたりしてて、本作もそういう流れの上にあるのかも知れませんが、『スクリーム』がそれを娯楽性のためのギミックに留めていたのに対し、本作の場合は「ついに一線を越えちゃったな」みたいなところがあって。無目的な(あるいはそれ自体が目的の)殴り合いや、テロ行為といった、テーマ自体の破壊性とも相俟って、気持ち悪いとすら感じるほどの野心作となっております。 もっとも、かつて本作を観てから、その後さまざまな反則スレスレの映画を目にしてきて、今回また改めて本作を観ると、そこまでの気持ち悪さは感じない、というか、どこか「世紀末の懐かしさ」、みたいなものすらも感じてしまいます。ま、そもそも、真相を知らずに観るのと、知った上で観るのとでは、明らかに異なる世界が広がるのですが。 そうは言っても、この生々しい暴力がもたらす強烈な印象は、今もって新鮮で、むしろ、生の充足すらも記号化されつつあるデジタル社会にこそ、この作品は牙を剥く、そんな一面も確かに持ち合わせた映画だと思います。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-06 16:38:31) (良:1票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 自己改善より自己破壊。 「俺たちは歌って踊るだけのこの世のクズだ」 世の中にはびこるクソのような価値観の破壊。 創造のための破壊とも言えるが、主演の二人にあんなネタバラシがあったとは。 振り返ってみると、不眠症や上司の前での一人殴られ芝居など、別人格の前フリはあったわけだ。 暴走を始める自分自身との葛藤が見応えあり。 フィンチャー監督のメッセージ性の強い作品で、現代社会を批判するメタファーに満ちている。 メタファーはあまり好みではないのだが、それほど難解ではないのでエンターテイメント性も感じる。 閉塞感をぶち破りたい、今の社会や自分自身をぶち壊したい気分のときにはオススメか。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 7点(2014-10-28 00:47:27) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 ドブ臭く汗臭く男臭く血生臭い映画です。自分は物欲が多いので、タイラーの言葉が自分を批判しているように感じました。非生産的で本能に任せた生き方を推奨するかのようなテーマは、少々カッコ付け過ぎで恥ずかしい感じがしますね・・・。まぁ単なるキ○ガイのエピソードですから、真に受けるような事じゃないのでどうでもいいですがw でもデヴィッド・フィンチャーの退廃的な構築が自分の気質に合っているようで、見てて面白かったです。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-23 23:12:20) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 とってもおもしろかったわー。 でも…レーニンかよ!って感じ。 今さら「君たちは物欲に支配されている」とか言われてもねえ。 ソ連崩壊しちゃってて残念ねってなもんで。 それに自虐的な社会主義的全破壊主義でずっといくのかと思ったら、獣医になりそこなったコンビニ店員を後押ししたりして…なんなの?? もし無事に獣医になったら彼はきっと北欧家具に囲まれたセレブ生活するようになるわよ。 資本主義社会に貢献してどうすんのよ!?って感じ。 ラストにしても、社会の底辺の人々を解放するためのクレジット会社爆破な割に、その後おそらく起きるであろう恐慌にはまるで無頓着だし。 恐慌で一番苦しむのは結局底辺の貧乏人なのにね。 でもこれらの矛盾は「映画の矛盾」ではなくって「ジャックの矛盾」。 アタシ、この映画はすべてジャックという精神分裂症患者の「妄想」だと思ってるから、彼のすることに脈絡や一貫性がないのは至極当然、むしろ逆にリアリティすら感じるわ。 バーの外で自分を本気でぶん殴ってる男(気持ち悪すぎ)にあれだけたくさんの男が共感を持つとは思えないし、首を銃で撃って生きてるなんて絶対ありえない。 ってか脳を逸れても、あそこってモロ頚動脈だし!みたいな。 なのでメイヘム計画も最後のビル爆破も実際に起こったわけではないんじゃ??ってアタシは思ったんだけど…どうなのかしらね? ちなみにアタシはサブリミナル映像とジャックの病院での「目が覚めたら知らない所に…」発言で、ジャック=タイラーだって早々わかっちゃったわ。 なので驚きは全然なかったけど、それでもいろいろと考えさせられるこの映画、嫌いじゃないわー。 ところでブラッド・ピットのカラダ!! すごいわねー。 特にあのツンと上を向いたオシリ!! ヤバイわ。 でも全体的にはエドワード・ノートンのほうが好み!なのー(←何様)。 【梅桃】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-10 13:17:01) (良:1票) |
2.この映画が興行的にコケてFOXの重役2人飛んだんですよね(笑)でも見るべき部分は沢山あるし役者が楽しんで演じている感じが凄く好きですね。万人受けしないような映画をフィンチャーらしく丁寧に作り込んでいる感じも好感が持てます。オチも好きです、やられた感がありましたし。でも最後にサブリミナルでティンコが映る意味が分かりません(>_<) 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-06-13 12:02:42) (笑:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 無骨な男達が単純に殴り合ってるお話だと思ってたら、あらあらサイコなのね。かなり面白くみてたのですが、デビッド・フィンチャーにして、このハッピー・エンド風なラストはないでしょう。 グーッと惹きつけられて一気に落とされた感じでがっかり。なんで、あれで生きてるんだい?なんでタイラーだけが?ちょっと、不満の残るオチでした。 【としこふ】さん 7点(2004-04-10 23:28:08) (良:1票) |