4.「エルム街の悪夢」の画期的な(のかもしれない)点とは、夢の中の殺人鬼、という設定により、超現実的なオカルトの「ワケのわからなさ」と、殺人鬼モノの素朴な「ワカリやすさ」とをうまくブレンドした点にあったのではないか、と。その点、この『ファンタズム』ではまだそういう融合は無く、あくまでオカルト路線そのものですが、夢で摩訶不思議を演出してみせるシーンには「エルム街」の先駆けのようなものも感じます。 何せオカルト、オハナシはちっとも要領を得ません。まあ、ホラー系の映画に出てくる「悪」なんてのは、「悪」そのものであって、そこには目的も何も無いのが普通、ではあるのでしょうが、この『ファンタズム』では、変な髪型のオッサンが出てきて、これが「悪」の存在らしいのだけど、何を狙っているのか、最後どうなればいいのか、まったく不明。凶暴な殺人鬼ならともかく、何しろただのオッサンなもんで。 といういかにもファジーな設定の中で、様々な得体の知れない事が起こり、こういうワケのわからなさ、何が起こるかワカラン感が、良いんですねえ。 あの謎の金属球。なんでこんなモノにこんな殺され方をしなければいけないのか。ワケはわからんけど、恐怖と残酷趣味とユーモアが一体になっていて。宙を飛ぶ凶器を側面から静止画で捉え、背景の映像を高速で流して見せる、なんてのは、よく見る演出ではありますが、もしかしてそのハシリなのかも。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-08-28 11:34:49) |
3.内容は全く覚えてなかったのですが子供の頃見て面白かった覚えがあったので20年ぶりに見返してみました。だいぶスロースタートな感じなので最初は全然面白くなかったですが、銀の球が出てくる所からはオリジナリティの高い展開で面白いですね。今見てもこの独特な世界感はなかなか味があって楽しめました。 【映画大好きっ子】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-01-21 22:45:51) |
2.決して面白い映画ではないんだけど・・・70年代ホラーはさんざん観たけど、中でも強烈にコワかったのはコレ。ストーリーをほとんど覚えていないということから考えても、たぶん大した話ではなかったんだろう。覚えているのはもう、とにかくコワかったこと。スプラッターが流行り始める前のあの手この手の中でも最後のオカルト映画という感じだったが、悪魔を持って来なかったところに創意工夫が感じられる。関係ないけどこの映画、同じドン・コスカレリ監督、マイケル・ボールドウィン主演だからと言って「ボーイズ・ボーイズ」との2本立てはいくらなんでも無理がありすぎたと思う。おかげで当時10歳だった弟は不眠症に苦しみ、連れてった私は両親からこっぴどく叱られる羽目になった。10歳にもなって、ホラー映画ごときで眠れなくなる弟も弟だったと思うのだが。 【anemone】さん 7点(2003-12-20 04:16:55) |
1.当時としては随分新しいホラーだったなあ。八名信夫みたいなトールマンが出てきて銀の玉びゅんびゅん。結局延々凡庸な続編を作りつづける羽目になった監督・・・。悲しい。 【GO】さん 7点(2003-06-20 23:36:44) |