《改行表示》 4.《ネタバレ》 幸せだった夫婦が一人の女によって壊されてゆくという、なかなかシンプルなストーリーなのですが、このような普遍的とも言える定番作品は自分にとってかなりツボです。 自分が映画で楽しみを見出すのは、ベタなストーリーを映像のテクニックや演出、ストーリー構成や人物設定、シチュエーションなどによって如何に上手く見せているかというところに尽きるわけで、変に捻ったストーリーよりもこの映画で見られるような登場人物の心理を丹念に描く形でストーリーが進んでいくものの方が面白く感じられます。 この映画は、前半の教会から出たところまではもう素晴らしいと言うしかなく、特に街に出てきたときに、夫が妻に許しを請うところと妻が少しずつ警戒心を解いていく一連のシークエンスは、もう完璧と言ってしまえるほどの見事な描写です。道のど真ん中で交通渋滞なんかお構いなしに熱いキスを交わしているシーンの後の二人が並んで歩くショットでハッピーエンドだったら素敵だなぁと思っていたのですが、その後にやや長めの息抜きがあって、この落差はちょっと勿体無かったなぁと感じました。 後半の大波にさらわれるシーンも大迫力で、こちらもまた筆舌に尽くし難いほどの名シーンなのですが、その後に妻が助かるシーンを挿入してしまったことで、妻が生きていたことの喜びが半減してしまったような気がしましたが、二人が再会した時の幸せそうな表情が良かったですし、ラストの美しい“サンライズ”ショットも、紆余曲折あった夫婦が再出発するという意味も含んでいるようで、とても感動的なエンディングでした。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-07-31 00:33:44) |
3.《ネタバレ》 こんなに古いサイレント作品であることも知らなかった予備知識が皆無の作品です。教会に辿り着くまでの世も末かという重苦しさ、教会を出てからのユーモアをちりばめたみずみずしい喜びに溢れる楽しさ、帰路の悲劇とハッピーエンドの結末。ありきたりで分かりやすいストーリーですが、最後まで見入ってしまったのは、主役2人の演技力ときめ細かい演出によるものなのでしょう。私も教会の神父さんの言葉にホロリとさせられました。悪女がもう少し絡んでくれればよかったのですが、美しく清純で可憐な奥さんと対決させるなどというのは罰当たりな事であって当時では考えられなかったのでしょう。 |
2.古いサイレントなんだけどしっかりとしたストーリー展開があって、それが結構今にも通じる話で面白かった。真面目な農夫が都会の女に誘われ、そそのかされて若い妻を殺そうとする。外出に喜ぶ妻をボートに乗せ、突き落とそうとするが結局果たせず、一緒に都会で楽しく遊んで・・・と言う話。前半のサスペンスタッチがなかなかいいが、そこでちょっとだれてくる気がする。最後にももう一波乱あるが、ハッピーエンドでしめているので起承転結、よくまとまっている。この時代ではスリリングでサスペンスらしい光と影の映像で撮られているし、心理劇とも言うべきドラマをサイレントでこれだけ見せたと思えば素晴らしい作品だと思う。 【キリコ】さん 8点(2004-01-25 23:48:34) |
1.とにかく「うわー。金かかってんなー」という印象。セットもモノホンの建築物としか思えない。とにかく豪華絢爛・贅沢三昧。だから「あんなド田舎にチンチン電車が走ってくるか!」などというつまらないツッコミは入れないように。 【じゅんのすけ】さん 8点(2003-08-29 19:54:57) |