4.アーサー王つったらよ、5世紀の人間だぜ! そいつらに板金のフルアーマーかよ! ヤマトタケルが戦国の武者姿で旅するようなモンだぜ! あんな城攻兵器だってまだ発明されてねーよ! エクスカリバー引き抜こうとする度に、剣がビヨンビヨンって無様に揺れてるぞ! 「竜の息」ってなんだよ、ドライアイスじゃねーか! 足元の草を引き抜いたらマンドラゴラだなんて、そんなんありかーっ! …ごめんなさい、それでもこの映画に惚れ抜いてます。好きですアーサー、マーリン、ランスロット、モーゲン、モードレッド、パーシヴァル、ガウェイン、グウェネヴィア、イルグレイン、ペンドラゴン、そしてケイ。騎士であるための資格、王であるための資格を問う物語。これは騎士→郷士→紳士という統治構造の変節によって、現代人に「ジェントルマンとは何か」を問い掛けています。世界の開闢を見てきたマーリンの言葉は、イングランドの田舎騎士ども(失礼)だけに向けられてるわけじゃない。1500年の歴史をすっ飛ばして、現代人の心にじかに愛を、礼節を、道義を問い掛けて来ますね。それにグッと来たら、いつか自分の聖杯を求める姿に気付く事になるんでしょう…普通の映画と違って、「歴史を見る」のではなく「歴史に見られている」ような気分になる映画。見終わったらなぜか背筋がピンと伸びています。あ、未見の方、石に刺さったはずの剣が揺れるシーンだけは紳士的に目を逸らしてあげましょう(笑)。(追記:この映画を見たモンティパイソンの面々が「いまどきこんな権力志向の見るに耐えないモン作りやがって!」と怒りに駆られて短期間で撮ってしまったのが『モンティパイソンのホーリー・グレイル』。わざと『エクスカリバー』にかぶるシーンを撮って遊びまくっているので、正統派がお気に召さない方は続けてどうぞ…と書いたはいいが75年作品? オイラ都市伝説を信じてきたのか…?) 【エスねこ】さん 10点(2004-05-02 20:05:46) (良:3票) |
3.《ネタバレ》 あくまでも私見だが、本作を正当に評価するには1981年という製作年の時代背景を把握しておく必要が有るだろう。 1981年といえば様々な社会派作品もまだ多く公開されており、「レイダース 失われた聖柩」が公開された年でもある。又、1977年の「スターウォーズ」公開を機に映画製作の流れがSF超大作を偏重する方向に傾いていた事は想像に難くない。 この様な時代背景の中で、アーサー王伝説という古典に真正面から取り組み、一つの作品として完成させるのは恐らくかなり大変な仕事だったのでは無いだろうか。 実際の製作の舞台裏・各種事情を私は知らないが、これらの想像だけでも本作は5点の価値が有ると思う。緩急が余り無い展開なので他レビュアー諸氏記載の通り確かに眠くなる作品では有るが、重厚な作風は一度は鑑賞しておくべきと思う。 何気に今や大スターとなったベテラン俳優陣達の若かりし頃が観られるのも楽しい。 【たくわん】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-06-07 14:57:45) (良:2票) |
2.《ネタバレ》 非常にシンプルかつ、誠実に作られたイングランドのアーサー王伝説の映画化。 公開は1981年。おそらく1977年の「スター・ウォーズ」の大ヒットの影響で、この有名な《剣と魔法の壮大な物語》の企画が通ったものと考えられます。 しかし、渋い歴史ファンタジーに仕上がったこの映画は、娯楽ファンタジーを期待した多くの観客の失望をかったでしょうね。でも、目の肥えた評論家や映画ファンには高く評価されて、本作に影響を受けたクリエイターは少なからず存在している。ザック・スナイダーの「バットマンvsスーパーマン」、スピルバーグの「レディ・プレイヤー1」では本作をリスペクトした描写がある。
この物語で描かれている《女性の裏切り》や《親の因果が息子の運命を狂わせる》悲劇性は、同時期に製作された「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」と重なっていて(ある意味で必然か?)興味深い。
出演者では、ブレイク前のリーアム・ニーソン、パトリック・スチュワート、ガブリエル・バーンなどが話題になるが、個人的にはマーリンを演じたニコル・ウィリアムソンの硬軟自在な演技が素晴らしいと思う。(「シャーロック・ホームスの素敵な挑戦」のホームズ役もユニークだった) VFXは今見ると決してレベルが高いとは言えない。反面、光り輝く甲冑など独特の衣装、戦場となる実物大の城などは映画のスケールアップに貢献いていると思う。 映画全体としてはオペラに近い大人向けの演出で、観客を選ぶ作品だと思う。私は大学生になって再見して以来、好きな映画の上位に入れました。 いま一番、4Kリマスター化して欲しい映画です。 【墨石亜乱】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-04-17 16:10:29) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 学生時代に観に行って今もパンフレットを持っている。アーサー王伝説をまじめに映画にしたところが好き。劇中に使われているワーグナーの〈ジーグフリート葬送行進曲〉にははまったなあ。これを聴きたくて、サー・ゲオルグ・ショルティ指揮の〈指輪〉の抜粋レコードを買ったほど。あとはオルフの〈カルミナ・ブラーナ〉。当時は何の曲かわからなかったが、あとでこの曲を聴いてこの映画を思い出した。それにしてもモーガナがヘレン・ミレンだったとは!今やエリザベス女王を演じるほどの大女優、隔世の感がある。映画ではそうでもないが、パンフレットにはアーサーに騎乗位になる写真があり、萌えた記憶が…(今はおばあちゃんですが)。レーザーディスクを持っていたので、海外からブルーレイを購入。テレビの明るさを落としてLDを字幕だけ見えるようにして再生しつつ、プロジェクターでブルーレイを再生して何十年ぶりかで鑑賞。久々に感動しました。今の映画に慣れている人には刺激が少ないかもしれませんが、名作だと思います。 【あっち】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2020-03-24 20:35:52) (良:1票) |