16.《ネタバレ》 いやー。想像以上でした。こんなに良質なチャンバラものが日本人以外の監督によって撮られてたなんて皮肉なもんですね。黒澤監督が亡くなった今、これほどパワーのある邦画ってもう作れなくなったのかなぁ・・と思うと泣けて泣けて。で、そのチャンバラシーンが想像以上の出来。どっしり重い重量感がひしひしと伝わる出来となっています。この映画について極力情報を得ずに鑑賞したんで、最初、謙さんが坊主なんで脇役(これは失礼)で真田さんが主役級かと思ったら、全く逆だったんですね。でもこの二人が抜群の存在感で堂々たる演技をしていたがすごく嬉しくなりました。この映画ってラストで感動していた方が劇場では多かったんですけど、私は途中ニンジャに襲われるシーンにかなり感動したんですよね。謙さんと真田さんの鬼気迫る殺陣が、「日本人もここまでやるぞ!まだまだ捨てたもんじゃない」って感じでジーンとしたんです。恐らく魂が揺さぶられたんでしょう。このシーンだけで映画館で見てよかったなぁーって思ったもんです。それにしても今までのハリウッドの中で日本という舞台をとっても大切にそして敬意を払った一番の映画でしょうね。忘れていたサムライスピリットの素晴らしさを思い出させてくれた功績として9点献上します。(補足)この映画って今ひとつお客が入っていなかったみたいなんですけど、こういう映画が是非ヒットして欲しいな・・。 【シネマレビュー管理人】さん [映画館(字幕)] 9点(2003-11-24 03:28:24) (良:6票) |
《改行表示》 15.渡辺謙が助演男優賞を取れなかった理由がわかった!目立ちすぎ!主役を食っちゃだめでしょう・・・カッコよすぎ。中でも光っていたのはやっぱり「ボブ」でしょう。世界一の切られ役の唯一言葉が最後の「あるぐれんさん」(オールグレンでないところがいい)っていうのも良いし!それに答えた「ボォ~~ブ!!」(ってやっぱボブのままなのねぇ)もまたよかった!素直に面白かったです。 【だだくま】さん 9点(2004-03-02 08:58:16) (良:2票)(笑:1票) |
14.《ネタバレ》 最高に良かったです。霧の中から突撃する騎馬隊の幻想的かつ勇壮な姿に震えました。歴史的事実が至る所に反映されているので、歴史好きの自分には最高の作品でした。時代考証が間違っているという人に限って誤解しているようですし、批判自体行き過ぎたもの。史実をどのように脚色しているかを考える楽しみもありました。 【上総介】さん 9点(2004-01-07 03:47:40) (良:2票) |
13.《ネタバレ》 最初に勝元らが霧の中から現れるシーンで、怖さと高揚感で鳥肌が立った。・・劇中にも”蛮人”と呼ばれるように、歴史の中で蛮行もした侍も、日本の一時代を築くのに必要とされた者達。そして自分が信じる侍の高潔・・この”怖さ””高潔さ”が、外国人の目を通すことで、わかりやすい形になっていてよかった。モデルとなった西郷さん、明治維新には賛成したものの、急速な西洋化には警鐘をならして(攘夷が通らずゴネた?)起こした、西南戦争が無駄ではなかったと思えた(征韓論が退けられて以降、西郷さんは死に場所を求めるだけでやる気がなかったという説が有力でも)。戦争を美化するわけではないけど、今を肯定するなら時代の人柱になった無数の屍を無駄だと思いたくない、そういう考えもくんでくれていたと思う。オールグレンが『彼等は日々の生活に完璧を求める』と言ったのを聞いて、以前、外国人に「日本人はすごい。学ぶことを”あたりまえ”、働くことも”あたりまえ”・・こんな社会はなかなか作れない」と言われたのを思い出した。・・まじめさ、杓子定規なとこ・・自分が日本の格好わるい所とさえ思ってた部分も、誇れる部分の一つだったんだと気付かされる。こんな日常に侍魂の一片が残っていると言われたようで誇らしくなる。・・多くの方が言う、おかしなとこもあります。でも、わかる人は脳内補完してあげたらいいと思う。剣対銃なのなんて、わかりやすくする為のものだから気にしない(笑)キスと土下座は・・脳内消去(笑)逆に”横浜港から見える巨大富士”なんて、ちょっと笑ったけど北斎の絵のようで、シュールな美しいシーンだと思った。・・なにより描きたかったのは史実ではなく、侍魂。その理解、表現は素晴らしかったと思います。(P・S:勝元が何故英語?と言う人も多いですが、モデルの西郷さんは話せなかったものの、密貿易をしていた薩摩藩に外国語を話す人は多くいたし、フィクションの設定として、おかしくないと思います。・・例えば:殿である勝元は、小さいながらも守らなければいけない国を持っている・・それ以上に守るべき主張も・・先を読む為に、諸外国の戦争、文化に興味を持ち学んでいた。その上で銃火器を持たない道を選び・・死にざまをもって政府に主張を伝えた。・・こんな感じでどうでしょうか。・・なーんて一生懸命フォローしちゃうんだから、よほど気に入っちゃったんだなー(笑)) 【ウメキチ】さん 9点(2003-12-26 12:50:30) (良:2票) |
12.《ネタバレ》 日本の時代劇とは違うハリウッドの空気感が良かったです。日本の景色とかも少し笑ってしまうところもあるけど、だからといってそれだけを激しく批判するほどのものでもなかったです。今までサムライのことを何とも思っていなかったけど、「サムライってこんなにかっこよかったのか。」と本気で思いました。特に真田広之さんとトム・クルーズの対決とかかっこよすぎました!あと渡辺謙の登場シーンとかもやっぱりハリウッドらしさがうまく加わって良かったです。武士の死に方とかも少し美化されていたかもしれないけど、そういったシーンで感動して初めて映画館で泣きそうになりました。やっぱりこれは映画館で観たことが良かったのかもと思いました。トム・クルーズたちサムライ軍団が気合入れながら馬で走ってくるところとかハリウッドのスケールがいい感じに調和していました。観ている間ずっと興奮状態の映画でした。 【Gene】さん 9点(2004-11-11 07:28:47) (良:1票) |
《改行表示》 11.多分下のレビューでは「日本はこんなんじゃない」とか「木や富士山が変」といった意見が沢山あるんじゃないでしょうか。確かに不自然なところは所々見られますが、私はそんなことより「日本が敬意を持って描かれている」ことに感動を覚えました。 違う文化を描くとき、日本だって未だにおかしなことをいっぱいやっていると思います。(中国人に~アルよって言わせたりインド人は必ずターバン巻いていたり)日本人自身の日本人観だって個々人によって違いがある。よく外国映画でペコペコお辞儀をする日本人が描かれていることに怒る人がいますが、しばらく海外に行って帰ってくると全くその通りなことに気付いたりします。主観と客観のギャップ。埋めるのは並大抵ではないです。私はこの映画には細かい間違いより製作者たちの努力と誠意を感じました。映画自体も単純に面白かったので、9点にしたいと思います。最後の勝元のセリフがなぜ英語なのかってこととトムにだけ弾が当たらなかったことにだけツッコミを入れつつ。(映画館) 【なみこ】さん 9点(2004-10-13 22:51:32) (良:1票) |
《改行表示》 10.アレクサンダー・ハミルトン(ニューヨーク州)とトーマス・ジェファーソン(ヴァージニア州)が未解決のまま残した、連邦政府の圧倒的優位性が国家の基盤になる(ハミルトン)のか、州の独立性を維持する事こそが真の民主主義国家の姿である(ジェファーソン)のか、いずれを国家として選択するべきなのかという問題は、もう一つ未解決の問題であった奴隷制をきっかけに南北戦争に発展していきました。北軍の勝利と共に、連邦政府の権限は漸次強化され、現代のアメリカの形が出来上がって行った事をまず念頭に置いてみるといいかと思います。 丁度日本も、明治政府による急速な近代化が進み、大名・武士団を中心とした地方分権から中央集権国家へと至る過程での歪みが侍による反乱だったのではないでしょうか。 以上のように、アメリカも日本も同じような時期に中央集権国家の道を進めて居たことを考えると、トム・クルーズが演じる主人公が、北軍=体制側の一員としての暗い過去により、体制側であり圧倒的な武力があるもの=正義という図式に抵抗感があったのは、それほど違和感がないと思います。ネイティブ・アメリカンというマイノリティへの過剰な武力の行使(虐殺)に対する贖罪意識もあって日本のマイノリティである侍陣営にのめり込んでいったのでしょう。 そうやって日米の状況をシンクロさせて見れば、意外によく出来た映画だと思います。渡辺謙と真田広之の演技もとても素晴らしいですね。 【Titans】さん 9点(2004-07-08 12:16:17) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 サムライをマイノリティの1種として捉えたことは我々日本人にとって新鮮だ。 【michell】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-05-23 19:57:34) (良:1票) |
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8.これ、とても面白いし、若い人には(わたしも含めて)日本という国に対しての認識を深めることができる映画だったんじゃないかな。でも、みなさんも言及されているとおり、この映画には荒い部分が多い。最後の戦闘のシーンなんてほとんど見るにたえない。「殺陣」じゃないけど、戦闘にはその型というものがあるわけで、あの芝生が青々と茂っているあの戦場では総力戦ふつうはやらないよね。・・でも、それが気になったけど、『武士道』とか読んで、この映画がきっかけとなって日本という国を好きになったことは確かだ。(わたしと同じようなひともきっと多いだろう)。という意味で投稿します。 【ハル】さん 9点(2004-05-22 01:49:47) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 やっと観てきました。皆さんのレビューと同じになるかもしれませんが、熱いうちに書いておきます。まず、時代考証や景色、気候など、ケチをつけたらキリがありません。可笑しなところは随所に見えましたから。だけど、それを差し引いても余りある情緒ある描写があったと思います。出演者も熱演で、トム・クルーズの殺陣は頑張ったなあと感じました。この映画で一番(日本人以外のお客さんに)観てもらいたいのは、寡黙で無表情で礼儀正しい日本人の内面です。外国映画でよく馬鹿にされている姿に、やたらペコペコする日本人を登場させますが、会釈、お辞儀、土下座、その挨拶一つ一つに意味があることを知ってもらいたいです。これだけの映画が外国で作られましたが、最近、日本では「時代劇」が衰退傾向にあると聞いています。大道具、小道具、殺陣、メイクなどのプロが廃業を余儀なくされているとも聞いています。日本の映像を海外に頼らなければいけなくなるようではいけないと危惧する昨今です。 【ソフィーの洗濯物】さん 9点(2004-02-03 23:05:17) (良:1票) |
6.渡辺謙よくやった!他の日本人俳優達も本当に素晴らしかったと思う。トム・クルーズも、今まであまり良い俳優だと思ったことは無かったが、この作品はよく頑張ったと言えるのではないだろうか。素直に感動。侍を、武士道をこれだけ荘厳で美しく描いてくれただけで、ありがたいと思った。侍が最初に出てくるシーンなんて、鳥肌が立った。この映画のテーマは、武士道もさる事ながら、最後のシーンでの言葉が重要だと思う。私たちは、自国の文化や伝統大事にすると共に、他国の伝統や文化も認め、大事にしていかなければならない。これは互いの文化を認めようとせず、弾圧していく人類の悲しい歴史、そして今なお続く現実に対する警鐘なのだろう。 【深海】さん 9点(2004-01-09 18:46:02) (良:1票) |
5.劇場に1人で行くべきではないですね。1人で感涙するのは恥ずかしいものです 【亜空間】さん 9点(2004-01-07 18:16:21) (良:1票) |
4.このように重厚に作られた映画を見るのは久しぶりだ。それぞれの俳優に存在感がある。音楽のマッチングもみごと。戦闘の場面は、静から動へと変わる映像により、より迫力を増している。オルグレンが勝元やサムライの魅力に惹かれていくなどの展開にも説得力かあり、シンプルなストーリーに物足りなさは無い。いくら歴史的に忠実に作ったとしても、いくら凝ったストーリーにしても、安っぽい映画は見るに耐えない。それに比べ、この映画は製作者チームの魂がこもった傑作だと、私は思う。 【Gang10】さん 9点(2003-12-16 19:37:02) (良:1票) |
《改行表示》 3.じわじわと感情がこみ上げて来る。何度もくぅと涙を堪えた。 この映画に限ったことじゃなく、武士道には同意できない点もある。刀なんか持ってたら危ないじゃないか、と思う。結局はその戦いも、自己擁護だろう?とも思う。それでも、ただただストイックに「パーフェクト」を求める生き方には、心揺さぶられ、胸が詰まった。理由はなくとも毅然と貫く信念の崇高さ、得がたさがまぶしい。それは貴重な、とても貴重な宝のような人生だ。 日本人の俳優をここまで美しく、格好よく、並々ならぬ存在感をもって描きあげた外国映画は初めて見た。歴史に残る秀作だと思う。 サムライと言えばイチローのイメージ、ということで詳しい感想はこちらのブログ記事で→ http://escargot1.exblog.jp/3377525/ 【よしの】さん [映画館(字幕)] 9点(2003-12-15 20:21:24) (良:1票) |
2.これだけの純日本映画をアメリカが作った、ということが驚きの素晴らしさでした。細かな部分はおいても、日本人が見ても違和感のないほどのサムライの姿です。これだけのスケールの大きさや緻密な作りなど、今の日本ではまず無理でしょう。監督やトムの武士道に対する敬意が過剰なまでにうかがえて、むしろこそばゆいくらいです。すでに日本人が失ってしまった誇り高い精神を改めて教えられた思いもします。言い尽くされていますが日本の俳優さんたちの頑張りも素晴らしく、誇りを持って滅び行く姿に泣けました。日本人ゆえに目に付く歴史的・風物的ほころびなどもかる~く超えて、単純に感謝、感動しました。 【キリコ】さん 9点(2003-12-13 14:13:34) (良:1票) |
1.色々突っ込みたくなるけど、素直によかったです。殺陣もしっかりしてたし(最近の日本映画や時代劇では酷いのに)戦闘シーンも稀に見る迫力。ただ、どうしてもストーリーに違和感は残ってしまい、感情移入しきれなかったのも正直なところ。勝元が戦わなくてはならない理由も今一つ釈然としなかったし、通訳のおじさんがカメラマンとして同行することになった心理変化もよくわからない、明治帝の最後のシーンも、そもそもの条約の内容がよくわからないので、その覚悟の度合いも意味合いもよくわからない。主人公のオルグレンの最後も少し釈然としませんでした。個人的には侍として全うして欲しい気持ちもありますが、よくある語り部として侍を伝えるような終わり方の方が素直に見れたかも。いくつか残念なところもありましたが、とにかくあのように侍を描いてくれたことにはただただ感謝!渡辺謙さんも素晴らしかった。今でも世界に通用する役者が日本にいたんだなーと誇らしく思いました。真田広之もよかったですね。最後に日本人としてちょっと残念だったのが、出陣前の真田広之の舞にもう少しフォーカスして欲しかったこと(あの舞が死を覚悟を意味することは、あれだけでは外国人には伝わらないですよね)、勝元に詩を完成させて欲しかったこと、最後の明治帝と大村のやりとりで英語が使われたことですかね。天皇が普通の役として普通に登場していたのにはびっくりしました。これは外国映画ならではですね(笑)※多くの外国人に見て欲しい映画なので甘めにこの点数です 【おぎ】さん 9点(2003-12-08 02:21:07) (良:1票) |