《改行表示》 11.《ネタバレ》 久しぶりに本格的なサスペンスを鑑賞できて大満足です。ストーリー、脚本、カメラワーク、スローモーション、全てが効果的に働くとここまで緊張感あふれる作品ができるものかと感動です。そして何より各役者陣の目の演技、表情の演技が素晴らしいのです。まさに演技に見えない演技の世界。目と表情だけで、これだけの緊迫感を伝えられるのはもう見事としか言いようがありません。 あえてこの作品に難を述べるとしたら、最後にまさかのどんでん返しがないという、鑑賞者にとってのある意味どんでん返し。そのまま終わるんかいという、突然の軽いタッチに少々脱力。ハッピーエンドは好きなんですが、本作にいたってはこの終わり方がなんとももったいなく、味気なく感じてしまったのは私だけでしょうか。と思ったら、やはり同じように感じている方がいらっしゃるようで。ですよね。 個人的には絶対ヴァイオレット(ジェニファー・ティリー)が裏切ると予想していました。でもヴァイオレットは最後までコーキーを裏切ることはなかった。その代わり私の予想を大きく裏切ってくれました。・・・なんてね。全然うまくないね。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-05-01 06:20:42) (良:1票) |
10.全く期待せずに観てみたら、思った以上に面白くてオドロキました。演出のお手本のような作品ですね。それぞれのシーンだけみてもハラハラ出来るし、後半になると、前半で描かれた状況や小道具などがまた別の形でサスペンスを盛り上げてくれます。もうサスペンスてんこ盛りですよ。けど、まるで回転寿司のようにネタが次から次へと絶え間なく押し寄せてくるので、観てるこっちはもうお腹いっぱい。なんとかギリギリ完食できたって感じでしょうか。贅沢言うと、途中であら汁やお茶を挟む余裕が欲しかったかなあ。ジーナ・ガーションももうちょっと活躍して欲しかったし。良く言えばタイトなんですけどね。これ以上ネタを盛り込んできたら、逆にバカバカしくなってコメディになってしまうところだったと思います。危ういバランスで出来ている傑作だと思います。映画の出来自体がサスペンスだなあ(笑) 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-08-23 00:48:28) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 紙一重の信頼と裏切りが交錯するドラマがラストまで緊張感を保ち、目が離せない。エレベーターで出会った瞬間、惹かれ合う二人の女。共にある道を選んだ為に、二人は「5年」という自由を代償として失った。コーキーとの出会いは人生を変える為に訪れた運命。そして偶然訪れたマフィアの金を手にするチャンス。そして同時に狂い出す、男たちの運命の歯車。「盗みとセックスは同じ」、だけどセックスは初対面でも出来るが、盗みは相当な相手とじゃないと出来ない。この完璧な説得力とセンスある台詞。完璧な計画、大金、それよりもコーキーには手放したく無いもの、ヴァイオレットの存在。男たちも同じ。外見は明らかに男勝りなコーキーを除けば、マフィアの情婦として「女」を売りにし、終始タイトな格好で妖艶な雰囲気と魅力を醸し出しているヴァイオレットだけが、この映画で唯一の「女」なのかもしれない。そして男たちを翻弄するしたたかな女である。自由を失った5年間ではあるが、その間でさえ全ての事を「ビジネス」だったと言い切る始末。つまり「信頼」や「愛」なんてこれっぽっちも無かった訳だ。この映画においてヴァイオレットの本質を、いや、「女」の本質を見抜けなかった男たち。信頼から裏切り、愛し、信じていた女に撃たれて死ぬシーザー、キスひとつでのぼせ上がってしまうミッキー。失った代償に気付かない哀れな姿に、ヴァイオレットの痛快な笑みが映える。そして「信頼」から「絆」へと成長した二人の運命。「私からは裏切らない」コーキーの信念が実を結んだハッピーエンド。ファム・ファタールを軸にノワールの世界に浸透させた監督の脚本とスタイリッシュな演出が素晴らしく、妖艶さと男勝りな相反する二人の美が印象的な女優二人のキャスティングも見事だった、自分の中の完璧な作品の一本です。 それにジーナ・ガーションが最高にクール!コーキー役は彼女の一番の当たり役だったと自分は思います。惚れました。 【miki】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2012-05-10 09:55:10) (良:1票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 思ったとおりに何事もすすまないのは素人がたてた計画ゆえ。あっちやこっちにどんどん作戦が裏目にでてみているものも予想できない泥沼にはまっていくのも当たり前でしょう。そして、また見せ方がうまい。白い便器にゆっくり落ちる赤い血。とびちるグラス。スローモーションがところどころつかわれ、白と赤、静物と動物等対比をみごとに目にやきつけてくれる。ただ、単なる「スタイリッシュ」にしないで、娯楽作にしあげてくれたのがこの映画のよいところ。 ジーナのたくましさが人気みたいですが、私はジェニファーの目線、手の動かし方すべて自然なエロさを推します。途中駆け足感があったとこだけ-1点。 【コムギコ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-04-30 22:20:52) (良:1票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 低予算で作られた作品かと思われるのですが、シナリオが面白いからかなり楽しめます。隣り合わせの部屋を利用した設定が相乗効果を発揮して、絵的(カメラの視点)に見ても面白くなっている。緊迫感も感じるし、そこにエロティックなフェチズムを絡めることにより興味深くも(男性は特に)奇妙な雰囲気が出ている。 女2人は相当な悪党。しかし“そんなモンは関係なし”という潔さ。何も言い訳していない。最後はハッピーエンドというところも理不尽でトテモ良い。 【おはようジングル】さん 7点(2004-10-11 09:27:37) (良:1票) |
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6.ジーナ・ガーション最高!ヴィジュアル的にこの作品の彼女は大好き。ああ、もう、何ていい女なのでしょう。脚本的にはちょっと気になる部分もあるのだけれど、総評すると、この作品の女2人の「余裕のしたたかさ」ではない「必死のしたたかさ」が好きです。もう、いっぱいいっぱいで、生きるか死ぬかで、余裕0の感じが。ギリギリのラインで踏ん張る必死の女2人が何ともセクシー。 【ひのと】さん 7点(2004-03-22 15:07:23) (良:1票) |
《改行表示》 5.どうみても主人公は悪いヤツなのに、女性ということで、観客を完全に主人公の味方につけたのは見事としか言いようがないっ! だって、誰も女子供が拷問を受けたり殺されたりするのを観たくないでしょーん?マフィア男は可哀想の至り。マフィアというだけで、お金を盗まれたり騙されたりすることを正当化される気の毒。一番の被害者。 悪者っぽいところが観る者の良心の呵責を救ってくれる。とにかく脚本が見事っ!!どうせ上手くいくでしょ、と思わせない。最初に拘束されたガーションを映す。つまり、どこかで失敗した事を観客に告げている。このとき、ヴァイオレットを映していないから彼女の安否もわからない。故に度々訪れる危機に何度も緊張を与えられる。このテンポの良い緊張感は”レザボアドッグス”を思い出させた。頭いい脚本だね。でも凄く男性っぽい脚本、特に理屈っぽい理系思考の脚本だと感じた。あまりに不確定な行動想定で計画を立てるガーションに、何故にか不確定な行動想定で物事を予測するマフィアのにーちゃん。思考プロセスが同じ二人は、まるで同一人物。描かれる人間の種類がどうにも狭い。ガーションのタイプは経験論者っぽいんだけれどな。 そういう意味で、ウオンシャスキー兄弟はアニメや本や漫画等の活字世界の人間なんだなと再確認。しかしそれでも脚本、上手いね。ストーリーテーラーなのは変わらぬ事実!! 【夢の中】さん 7点(2004-02-23 01:46:26) (良:1票) |
4.ドキドキもんですな~。裏切るか裏切られるか最後まで勘ぐって観てたけど何も無く終わったのが意外だった。って言うか終わりかよ!? 【にう】さん 8点(2004-02-19 06:30:21) (笑:1票) |
3.ヴァイオレットの顔に慣れるまで時間がかかった分評価が下がってしまいましたが、好きな作品です。リビングで観ていたので、カラミのシーンは違った意味でヒヤヒヤさせられましたが。 【ぽめ】さん 7点(2004-01-11 15:37:00) (笑:1票) |
2.《ネタバレ》 文句なしに傑作だと思う。マフィア映画はたくさんあるが、レズビアンのカップルにマフィアが引っ掻き回されるという発想がおもしろい。(構図としては、極端な男社会であるマフィアの世界を、女が崩しにかかったという点でフェミニスト的だという捉え方も可能だが、明言は避ける。)ストーリーの面白さや脚本の良さにもうなったが、五感(視覚、聴覚)に直接働きかける演出が何よりも印象的だった。俯瞰やズームを効果的に駆使したカメラワークにより、映像に三次元的な厚みと閉塞感を与え、この物語自体がある種の閉鎖された世界で繰り広げられていることを象徴、それによって各人物間の緊張が増幅される。そして、クライマックスで白いペンキの上に、真っ赤な血を流して倒れ込むシーザー。白と朱の色彩コントラストによって金を巡る戦いの最後を締めくくり、その熾烈さを見事に物語る。さらに、コーキーとウ゛ァイオレットのからみのシーンでの音響。絞り出されるかのようにもれる吐息や、レザーが擦れる音といった動物的でエロチックな効果音(吐息っていうのは音響と言うよりは厳密には役者の演技の一部か?ま、「効果」的に働いた「音」ってことで・・・)が、両者の間の野性的なまでに激しい愛情を巧みに表現している。こういった五感への働きかけで、骨の髄までどっぷりとこの映画の世界観に浸かり、心の芯の部分でじっくり堪能することができたと思う。映画の醍醐味を再度味わった。 【黒蜥蜴】さん 9点(2003-12-11 13:30:27) (良:1票) |
1.《ネタバレあり》愉快!シーザーは悪党なんだけど、女性二人に騙されて暴挙に出て、挙げ句に殺されてしまう…なんて可愛そうな…。彼の仕事はマネーロンダリング…洗って乾かして…ホントにキレイにしとるやんけ!(^^;;あとバイオレットの部屋からコーキーの部屋へ電話線をカメラが追うシーンだけど、電話線がからまっている個所までカメラがしっかり追っているのにも笑いました。でも一番ハラハラしたのは、ラストで二人のうちどちらかが裏切るのでは?と邪推してしまったとこかな。 【太陽風】さん 7点(2003-06-06 08:15:13) (良:1票) |