《改行表示》 5.《ネタバレ》 《ラストシーンにおいて》たぶん、丘の上を歩いている二人が彼らたちで、その生きている姿を確認出来たのだから もうノーエンジンで坂を下って戻るのかー と思いきや、それもありか、ある意味清々しいラストやなーー なんて思っていたならば、、、いやはや、とんでもなかった まさか、画面下からまたあの車が登って来るだなんて 一体こんなボーナスチャレンジのような本当のラストをこれ 一体誰が予測できるよ! は!? 参りましたね 最後にとんでもないものを魅せられてしまった。これは、偶然撮れた産物なのか 演出なのなのか 答えはどちらだっていいです。素晴らしい余韻。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-10-16 14:16:29) (良:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 『友だちのうちはどこ?』の主人公を演じた少年を探す、セミドキュメンタリータッチのロードムービー。 車が悪路を進んでいく映像は、臨場感があって面白い。 知らない人同士が自然と会話し、損得勘定なしに助け合う相互扶助の精神。 何かと人を出し抜く事ばかり考えがちな現代社会、この助け合いはとても新鮮に感じた。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-09-10 20:29:40) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 キアロスタミ監督、やっぱりすごいです! 「友だちのうちはどこ?」も素晴らしかったけど、本作は「友だちの~」のクオリティーをさらに凝縮したような名作でした。 大震災の起きた地で、息子とともに少年を探し続ける様子を描いただけなのに、特にドラマティックな展開があるわけでもないのに、観終わったあとの満足感がハンパない! 悲劇や希望を過剰に演出しがちな凡庸な映画とは、立つ土俵が違うといった感じでした。 震災時の様子を、悲惨さ・重さを感じさせずに、でも臨場感たっぷりに伝える。これは映画作品ですが、マスコミの偏重報道よりよっぽど現実味を帯びています。サッカーのワールドカップ見るためにアンテナを立てる人のシーンがその象徴。震災を免れ、これからも生き続けていく人にとって一歩進む力とは、案外こういうものかもしれませんね。 急な坂道を人生に例えたラストシーン、ベタですがいいシーンでした。坂の途中、乗車拒否したおっちゃんが車を押してくれて、次はおっちゃんを車に乗せてあげる。出会った人々同士、心の温もりが感じられれば人生という険しい坂も上っていける・・・。 被災した人への応援メッセージ、こういう方法もあるんだなあ・・・と、あらためて映画の持つ力を思い知らされました。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2019-03-29 16:18:45) (良:1票) |
《改行表示》 2.まだ幼い息子を乗せて被災地に向かう1人の男。 最初は彼が何者かもその目的地も、何をしにそこへ行こうとしているのかも分からない。 1990年にイランを襲った大地震。 やがて目的地がコロルという壊滅的被害を受けた村であることがわかる。 そしてコロルを知っているという者に出会い、この少年を知っているかい?と差し出した写真。 写真の少年。見ている僕にも見覚えがあった。キアロスタミの代表作の1つにして 「ジグザグ道三部作」の第1作、「友だちのうちはどこ?」に主演していた、 友だちのうちを探して、村をさまよっていたあの男の子だ。 キアロスタミが「友だちのうちはどこ?」の舞台となった村コロルを訪ねて旅に出るストーリー。 作品の至る所に、タイトル通りの「そして人生はつづく」風景がいくつもあった。 子供や兄弟、身内を亡くしたという人々が多数登場しますが、 印象的なのは茫然として立ち尽くし、涙にくれている人が誰もいないということ。 男の黄色い古ぼけた車は舗装されていない坂道を苦しそうに上がっていく。 重い荷物を担ぎ、その坂道を徒歩で行く多くの人々とすれ違う。 時には彼ら被災地の人々から水を分けてもらい、時には坂道を行く被災地の人々を車に乗せてあげる。 支え合い、力強く生きる人々の姿がありました。 最も印象的なのはラスト近く、サッカーのワールドカップを見るためにアンテナを立てていた男とのやり取り。 「家族を亡くした人が大勢いるのにサッカーを見るのかい?」 「僕も家族が3人死んだけど仕方ないさ。4年に1回のワールドカップを見逃せないよ。」 そしてラスト。車はコロルに向かう最大の難所である急坂を、一度は駄目になりながらも再び力強く登っていく。 生きていると何度かは本当に投げ出したくなるような辛い坂道もあるけれど、それでも生きていかなければならない。 それはまさに「そして人生はつづく」という風景でした。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-03-05 17:40:22) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 これ日本で初めて映写されたアッバス・キアロスタミ作品だったと思う。『友だちのうちはどこ?』公開より前に東京映画祭で上映された。せっかくの国際映画祭なので、まず一般公開されそうにないイランの映画を選んで見たのに(一本千円)、やがて一般公開されて悔しかった。もちろんこの舌を噛みそうな名前の監督の作品公開が続くことになったのは歓喜したが。地震の被災地へ向かうロードムービーなんだけど、「悲惨」を描く場面が一切ない。明るさと暖かさ。理不尽な天変地異と向かい合ったとき、かえって見えてくる「人の生活の明るさと暖かさ」、それがそれとはっきり輪郭を見せてしまう一歩手前でスケッチしているようなところが、すごくいい。静かで穏やかなものとして。立ち小便する少年が、どうも広いところではやりづらく、細~い木の陰になってするユーモアでまず引きこまれた。壊れた店でジュースを買おうとするあたりのアレコレ。そういうロードムービーの中で目的地のコケルの町が聖地のように特化されていく、一種の巡礼のようになっていく。渋滞(『ウィークエンド』よりすごい)から脇道に入って、ますますコケルが聖化されていく。展開する明るさも、別に「息苦しい市民社会から解放された」なんてんじゃなく、そもそもそう窮屈な土地柄ではなさそう。この不思議な明るさを見るだけでも心ときめくフィルムだ。ロングで捉えた地割れもすごかった。これが初めて観たイラン映画だったが、イスラム臭が全然ないのに驚かされたものだった。のちに『友だちのうちは…』を観たあとで再見したら、また味わいが深まった。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-01-08 10:06:51) (良:1票) |