6.《ネタバレ》 感染猿は全然凶暴じゃなかったですね。目が赤くないし。あれでは動物保護団体も警告を無視して逃がすでしょうね。でも猿に人間の暴動映像を10台のモニターで見せて、どんな意味があるの?主人公ジムがヘタレなのは、非常に怖がらせて観客の恐怖を煽るためかと思いきや、表情が少なく、怖さが伝わってこなかったです。噛まれると即感染、20秒で化身、高速で走るゾンビ(感染者)は素晴らしいアイデアです。火まみれでも走るのをやめないし。何故人間を襲うのか、昼は何をしているか、普段何を食べているのかなどは不明です。ゾンビ同士は仲がよさそうなので、感染してもそんなに不幸ではないかも。死体から血が落ちる場面がありますが、血は凝固するのであれはなしです。フランクがあえて危険なトンネルを行くのに合理的説明が欲しかった。時間がないとか。途中、銃店で銃を入手すればいいのに。時折挿入される美しいショット、花畑、燃える町、何もない高速道路、馬の親子などは生死の対比をうまく表現しています。力量のある監督ですね。ただピクニックみたいにお気楽にすごしているシーンはやめましょう。おびえてないとダメです。この映画の主題は「ゾンビからのサバイバル」ではなく「人間の本質を描く」でしょうね。助かるためには仲間でも感染者は即殺さなければなりません。それが少年であっても、フランク(少女の父親)であっても。生きるためには、愛するものを殺さなければならない過酷な運命です。そんな立場に立たされたとき人間は何を考えるか、考えさせられます。そんな辛い経験をして、やっとたどり着いた避難所でしたが、そこでの軍隊が異常でした。「殺しあいは人間の本質で生存の掟。昔から変らない」という持論をもつ少佐に支配されている軍隊。兵士たちは少佐の毒に感染してしまったようです。少佐は女性を兵士たちに与えようとします。すると、これを阻止しようとジムが軍隊と闘うという無茶な展開へ突入。いやはや恐れ入りました。そっと助け出すんじゃなくて、皆殺しにします。ここでのジムの心境は十分に描かれていません。また仲間を即殺すほどクールで強気だったセリーヌが、後半弱気キャラになっているのも不自然です。ハンナはラリっちゃうし。最後はHELLOではなくSOSでしょ。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-04-04 21:11:57) (良:1票) |
5.「冒頭の侵入者の正体がわからない」という声が多いが、あれは彼の国で悪名高い過激な動物愛護団体の類だろう。また「28日」というのも,聖書のマタイ福音書第28章の"イエスの復活"を暗示させるためだろうから,「あんな短期間で疫病が広まるわけない」と非難するのは的外れなように感じる。この映画は、はっきりA・ロメロ版「ゾンビ」へのオマージュだと言えるけれど、ロメロ版「ゾンビ」が、ヒッピー思想-「既存社会からの解放」とか「自由共同体」-のような、ややもすれば理想主義的・自己中心的とも取れる主張を多分に含んでいたのに対し、このボイル版「ゾンビ(正確には違うが)」は、ロメロ版の外形を借用しつつも、「絶望的対立(冒頭でサルに見せているあの映像!)の中での人間のありかた」といった,極めて今日的なテーマを描くことに成功していると私は感じた。確かに設定その他に不可解な点はあるけれど、だからといってボイルの問いと、その答えまでもが台無しになったわけではないだろう。「人間の本能は狂気と殺し合いだ」といいたいのであれば,専制と暴力を"答え"とした少佐を破滅させ,良心と協力の人となったセリーヌを生き残らせるようなことはすまい。そう考えれば,やはりボイルの主張は明らかなのではないか。 |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 普通の「ゾンビ映画」とは一線を画する映画だ。ゾンビからの襲撃から生き残って、危機的な状況から脱することをメインに描くのではなく、危機的な状況下における人と人との繋がりをテーマにしているように感じた。「希望」がないと諦めたり、自暴自棄になるの簡単なことではあるが、主人公とヒロインの関係性が深まることにより、何かしらの「希望」が生まれることを描いているように感じられた。人と人との繋がりには、「絶望」ではなく「希望」が生まれるといいたいではないか。 また、「殺し合うこと」が人間の本能だとしても、危機的な状況下だからこそ、その本能を捨て去ることが大事なのではないか。自暴自棄になって短絡的な本能に従うよりも、どんなに危機的な状況でも「希望」を捨てないことを訴えている。 現実の社会では、ゾンビに遭遇することなどないが、災害等いつ危機的な状況になるかは分からないものだ。 さらに、旅の道中で、主人公が意味もなくチーズバーガー屋に入り、ゾンビ化した少年を殴り殺すというシークエンスが実は結構重要なのではないかという気がした。主人公は、ちょっと暇だったから、ゾンビでも殺そうかと思い、チーズバーガー屋に入ったのではないか。この行動は、遊び半分で楽しみながら銃を乱射する軍のソルジャーとさほど変わらない行為だ。「殺し合うこと」の本能に従った行為であり、ソルジャー達と何も変わらないことを知り、主人公の中で何かが変わるきっかけとなっている。 「HELLO」で始まり、「HELLO」で終わるという構成も見事だ。確かに、挨拶こそ、人と人との繋がりの一歩なのかもしれない。「HELLO」と返してくれる人のいる喜びも感じられる。 DVDにはもう一つのエンディングが収められている。もう一つのエンディングは、銃弾を浴びた主人公がヒロイン達の手当の甲斐なく、あっさりと死ぬものであり、まったく意味のなさないエンディングだ。幸いにも、日本の初版の劇場公開版は、「DVD版」がエンディングだったと記憶している(もう一つのエンディング版も後発で劇場公開されたかもしれない)。 主人公が死ぬという絶望的なものを描くことは、本作のテーマとはそぐわないだろう。 危機的な状況でも「希望」を捨てないことがテーマであるから、「HELLO」で終わる、最後に「希望」をもたらすエンディングこそ、適切なエンディングだったのではないか。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 7点(2004-06-25 15:44:39) (良:1票) |
3.「ゾンビ」へのオマージュだろうけど、パクリではなく、上手く自分のものとしている。特に前半の緊迫した雰囲気は良かったね。後半、展開はダレたけど、ストーリー上の必要性は理解できる。良い作品でした。 【マックロウ】さん 7点(2004-06-15 13:19:26) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 いやぁ最近のゾンビって足速いんですねぇ~ おなかがすいたら何食べるのかが気になりました。別に、人間を食べる目的じゃないんですよね??やっぱり腐ったオムレツ食べたらゾンビもおなか壊すのかなぁ・・ トレスポもそうでしたが、赤ちゃんの死体が衝撃的で嫌でした。お父さんも、せっかく高いウィスキーたくさん買ったのに・・←ちゃんとカード置いてたとこが良し☆ ただのゾンビ映画に終わらせないのはさすがダニーボイル、ラストも良かったです♪(個人的にハッピーエンドの方が) 生き抜く宣言してた「ドラゴンヘッド」より、断然こっちの方がいいですね。生きる希望っていうのは、口に出さなくてもこうやって映像で伝わるものなんですよ。 【akoako】さん 7点(2004-04-11 00:44:44) (笑:1票) |
1.この映画で私は、不覚にも「ドラえもん」を思い出しました。ドラえもんのある話の中で、嫌いな奴をこの世から消してしまうという恐ろしい道具をのび太はドラえもんポケットの中から見つけてしまうのです。のび太はあまり道具の意味を把握せずに、軽い気持ちで嫌いな奴を消していくと、本当にこの世に存在しない人物となってしまったことに気付き、もう時すでに遅し、ひょんな事から、この世の人類全ての人間を消してしまったって話ですよ。かなりこれと似た状況でした。誰もいない中で、のび太が泣きながら「ドラえも~ん!」と叫ぶ姿には、子供ながらに恐ろしかった記憶があります。もちろん、ジャイアン・スネ夫のゾンビ&血がドピャ~は出てきませんけど。残念ながら。 映画に話を戻すと、私はコレ、結構好きな分類に入ると思います。ただのゾンビ映画は嫌いなんですけど、こういった状況に陥る世界観が好きなんだと思います。この異様な雰囲気がたまらなく好き。でも、ゾンビに関しては突っ込み所はたくさんあるけど。なぜそんなにマッハで走れるのか…etc。全体からすると面白いかなっと。ゾンビ以外に出てくる登場人物がかなり少ないのも嬉しいし、そもそも主人公の男がゾンビ似の顔ってのもなかなか斬新だしね(どんな顔だよ)。 |