5.《ネタバレ》 意外に(って言っちゃ失礼だけど)よかったわ。 中学時代のいろんなエピソードは、ほんとに懐かしいっていうか微笑ましいっていうか、なんだかこの監督さんって「そうそう、こんなことあったわよねー」みたいなネタがたくさんある人なのね。 大人になるとそういうのってたいてい忘れちゃうもんだけど…この監督さんって人一倍感受性が強い方なのかしら? でもアタシは見終わったあと、なんだかちょっと複雑だったわ。 だってあの図書カードの裏の似顔絵で、藤井樹(男)が渡辺博子に初対面で付き合ってくれって言ったのは藤井樹(女)に似てたから、って可能性が強くなったわけでしょ? 博子は樹(男)が死んでからもずっとふっきれないでいるってのに、彼は博子が初恋の人に似てたから付き合ってたなんて…もちろんそれだけの理由とは限らないんだけど、穿った見方をすればそうとれなくもないから…なんだかやるせないわね。 今を生きつつ過去を振り返って懐かしんでるだけの樹(女)にしてみれば、そりゃ甘酸っぱい初恋の思い出でいいかもしれないけど、いまだに過去から抜け出せない博子にとっては…。 ってことで「懐かしくって温かい映画だったわー」では終われなかったわ、アタシは。 …博子が早く樹(男)のことをふっきれるよう祈りましょ。 ホホ。 【梅桃】さん [地上波(邦画)] 7点(2004-03-17 20:10:40) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 もともと中山美穂という人に関心がなかったので、これほど魅力的に見える女優だったことにこの映画で初めて気づいた。とにかくきれいだし可愛い(若い!)が、同じ顔で二人の女性を演じ分けているのも素直に評価したい。ストーリーに関しても、手紙のやり取りを通じて男の思いが明らかになっていく(しかし書いている本人は気づかない)構成は巧みと思える。個人的には、学校を訪ねて写真を撮って、それから後輩と出会って…という一連の部分に特に愛着を覚える。
しかし一方、終始出る関西人の男はどうにもイラつくので、神戸のヒロインを素直に祝福してやっていいのかどうかが怪しく思える。ほか無駄にコミカルな場面が多いが笑えるわけでもなく単に不快であり、またロケ地と劇中の設定との関係がでたらめで(彼氏が死んだ山へ行くには余市駅で降りて歩くのか?)、最初から最後まで関係者全員が小樽にいたようにしか見えないのも変だ。周囲の風景がどうでも観客の方が頭を切り替えろというのでは無理がある。 それからストーリーも終わってみればいかにも作り物で、劇中の設定や出来事を全て製作上の思惑通り都合よく作り込んだようで鼻白むものがあり、その上に世間の常識や周辺社会や自然現象までをもねじ曲げるような強引さが感じられる。特に救急車の件については、そもそもが積雪寒冷地なのに窓にチラチラと雪がかかる程度の天候で、それも都市部で1時間かかるなどということは想像もできず、仮にそうだとすれば流しのタクシーなどいるはずもないだろう。その上、いつの間にか時間が40分以内とかいう問題にすり替えられてしまい、外気温が何度なのかといった考慮もなされないまま、吹雪の中で傘をさして走ったりする支離滅裂さはさすがに受忍の限度を超えている。一体どこまで観客に寛容さを求めようというのか。
そのようなことで、愛憎相半ばする映画、というのが正直な印象である。評判がいいのでベタ褒めしたかったのだがそうもいかない。難点を美点でカバーして不問に付すという状態にならなかったことからすれば、結果的にこの映画は性に合わなかったということになると思われる。 ただそれでも、ラストシーンに問答無用で泣かされてしまうのは悔しいが認めざるを得ない。これに免じて、評点は少しいい方にしておく。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-07-15 18:48:54) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 彼が自分に一目惚れした理由が、「昔好きだった子に似てたから」ってことがわかってしまう・・・これ、私だったらかなりへこみます。だから、彼のお母さんに泣きながら似てるか聞いてたシーンが、一番切なかった。博子は、彼に自分の絵を描いてもらったことはあったのでしょうか。描いてもらえてなかったとしたら、博子は樹に完敗のような気がします。もし、樹と博子を別人が演じていたら、もっとドロドロした感情が湧き上がってきたかも。見ている側の「嫉妬心の感情移入」が、一人二役っていうマジックによって、あやふやなものにされてしまうのも、監督の計算なのでしょうか。 【おおるいこるい】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-02-09 17:19:54) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 死んだ藤井樹(男)の妻・渡辺ひろ子が、同姓同名の藤井樹(女)に 手紙を送り、文通を始める。 中山美穂が2役やっていると気付くまでに めっちゃ時間かかっちゃいました^^; 最初いったいなんのこっちゃ 分かりませんでしたもんね、さっぱり 見終わってみて、心の中が2つの意味でグッと締め付けられるような 感じを覚えました。一つはストーリーの甘さ・せつなさへの感動。 そして、もう一つは、かつて男子校で過ごし自分にはああいう青春の 思い出がなかったこと、そしてもうそういう時期は二度と訪れない ことへの嘆き。。 でも、この映画良かったと思います。テレビで放映されたの見逃しちゃった から、どうしても見ておきたくてレンタルしてみたのですが、正解でした^^ 【アキト】さん 7点(2004-07-13 09:15:42) |
1.10年前に見たときより遥かに良く感じた。やすらぎ、くつろぎ、恥じらい、ためらい、この10年で無くしたものがわかるような映画になっていた。確かに女の子への妄想ブリッコ映画ではある(当時も感じた)。しかし10年前なら有り得るのではという女性像を、今は皆無に近いと感じる世の中にいることが、この映画の印象をより良く感じさせる要因になっていると思う。岩井俊二のカメラワークに溶け込む雪と中山美穂に癒されました。 【チューン】さん 7点(2004-02-16 23:14:24) (良:1票) |