《改行表示》 12.《ネタバレ》 一作目「大魔神」に続き、二作目のタイトルに付いた単語は、まさかよもやの「怒る」である。既述ではありますが、私も「前作でアレだけ荒ぶっといて、ワザワザ今作で怒る、とか、怖過ぎやろ大魔神!」と、ぷるぷる震えながら観賞。 冒頭、逃亡を図る領民の虐殺に始まり、千草・名越領への無慈悲な夜襲、その後の「発破による武神像突貫爆破!」で、物語の前振りは完了です。礫になろうとも、武神像。弾正の配下・鬼子島玄蕃が乗った舟を襲撃・沈没せしめる、いわゆる激おこ状態。胸に刺さった礫は「ワシ、完全に怒ってます」というダイイングメッセージです。その後、兄勝茂、十郎、嘆き悲しむ民衆の眼前で、さゆり嬢を火炙りにするという弾正。「武神像は女の涙で大魔神に覚醒する」という前作でみせた特性を、弾正は知る由もありません。 荒ぶる大魔神は、モーゼの如く湖を二つに裂き、破壊に次ぐ破壊で御子柴勢をビビらせます。大魔神、そこが名越領であろうともガン無視で破壊です。怖いよ!ガン無視で荒ぶる大魔神、怖いよ!冒頭で武神像を木っ端微塵にした発破作戦も徒労に終わり、最終的に「動く石仏に対して、舟で逃げる」という巧妙な手段に出た弾正ですが、大魔神、まさかの発火技で弾正を火炙りに処します。まさしく「目には目を」です。若しくは「弾正なら、爆死に準じる死に様が妥当」との判断でしょうか。怖い! やー…面白かったが、怖かった。大魔神、怖過ぎ。前作のレビューでも書きましたが「大魔神の中途半端な大きさ」が、怖い。次回作は「逆襲」ですか。楽しみです。怖いが。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-06-03 06:44:22) (良:2票) |
11.《ネタバレ》 1作目と似たようなプロット。そこに水だの発破だのなんとか絵的な変化をつけようという努力がみえるのはいい。藤村志保の熱演も光る。しかし見終わって得られるカタルシスは1作目に比べ大幅に減少している。追いかけっこの繰り返しという平板なドラマパートも痛いが、最大の問題は最も気分が高揚するはずの水面割のシーンに、劇中の目撃者がいないこと。あそこは劇中の人物と観客が驚きを共有することによって初めて真の興奮が得られるのではないか。欲を言えば、悪役どもが恐れおののきつつ圧倒的な水量の水に呑まれる〜それを驚愕の眼差しで見届ける主人公ご一行、といった演出があったら、とてつもない名シーンになったのではないか。そこらへんのツメの甘さがなんとも残念でならない。さらに魔神が一仕事終えて勝手にアクションを停止してしまうのもいただけない。1作目の最大の美点は魔神が荒ぶる神であり、善悪という人間の都合を超えた存在だったところだ。悪を倒すという目的を持って行動してしまうアラカツマは正義の味方、良い奴であって到底“魔”神とはいえない。そのせいで乙女の涙の価値、ならびに物語の深みが半減してしまっている。 本当に惜しい。 【皮マン】さん [映画館(邦画)] 4点(2013-03-06 19:05:46) (良:2票) |
10.《ネタバレ》 2作目のタイトルはなんと『大魔神怒る』。なんとなんと、1作目であんなに残虐に暴れまわったにも関わらず、あれでもまだ怒ってなかったのか? 何しろ今回は、武神像が木っ端微塵に爆破されちゃう。これじゃあ、怒るよね(でもまだ暴れ出さないのだ)。隣国からの弾圧は続き、何故か十字架にハリツケにされて火あぶりにされる藤村志保(魔女裁判か?)。そこに、バラバラになったハズの大魔神が湖から復活。十戒のごとく湖が割れ、憤怒の形相の大魔神が姿を現す。大魔神の両側を滝のように流れ落ちる湖水の映像、ん?大魔神両側で背景の映像がズレてるのは合成処理の甘さか? それはともかく、嵐の中、大魔神の怒りが炸裂する。銃で撃ってもびくともしない大魔神。石垣を突き崩し、錨攻撃(?)にもめげず、暴れまわる大魔神。待ち受けるダイナマイト(?)。変身前にはバラバラにされたが、今度はいかに?(一度は粉砕されたくせに、性懲りも無く火薬の山に足を踏み入れるとは、学習能力が無いというか、自身過剰というか。いいぞ大魔神!) ラストは湖上でミサイル攻撃まで披露する大魔神。カッコイイ・・・・・・いや、ちょっとやりすぎですね。大魔神のおかげで、平和が戻った村。湖に沈められた鐘の音が湖底から鳴り響く(ちなみに、琵琶湖の湖底では今でも謎の鐘の音がホントに聞こえるらしい、のだ。↓ワタシもあの島は竹生島だと思いました)。 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 8点(2007-04-28 18:33:22) (良:1票)(笑:1票) |
9.映画もよかったが【大魔神おこる】と読んだウチのせがれに10点やりたい。 【ケムール人】さん [インターネット(字幕)] 9点(2007-02-20 10:40:13) (笑:2票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 前作と同年の夏に作られた第2作目。夏といえば水遊び、本作は湖の畔が舞台です。 で、知らなかったけど大魔神って1体だけじゃなかったのね。日本の各地に武神像があって、本作の魔神は湖の島に祀られている“水の魔神”。1作目のはさしずめ“土の魔神”だろうか?最後の去り際も、それぞれの属性に準じた消え方をしてる。 比較ばかりのレビューになってしまうけど、序盤から山をズンズン歩いていた(音だけ)前作に比べ、本作は魔神の活躍は終盤のみに集積されている。魔神登場まで、そのまんま、ただ時代劇を観てる気分になる。 武神像の顔が赤くなったのは、早百合を見て照れたのかと思ってしまった。破壊のために爆薬を使うのは、前作で有効かどうか気になった戦い方。あれだけの爆薬だったら、たとえ武神像でも粉微塵に破壊できるんだな。 早百合の涙で動きだし、悪を倒した後、早百合の涙で止まる大魔神は、2作目にして正義のヒーロー物になってしまった。止めようのない自然災害、荒ぶる神の怒りを魅せてくれた前作と比べ、同じ大魔神でも別人格の存在に思えた。もちろん2作品の魔神は別々の存在だから、問題はないんだけど、身近な神様になってしまった気がして、残念にも感じた。 ただ自分に害を与えた親玉が誰かを判断し、確実に惨殺(!)するところは、やっぱ大魔神さん怖ぇ…って思えた。 本作の武神像は、名越の殿さまが国の神様として永らく祀っていたものだから、民も武神を信仰していただろうし、村人に優しい魔神になったのかな? 【K&K】さん [インターネット(邦画)] 5点(2022-03-24 01:30:26) (良:1票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 大まかな見どころは【隣歌】さんが書いておられるので、かいつまんで。 大魔神が出てくるまでのストーリーは前作より劣るものの、大魔神の迫力はさすが。 ダイナマイト爆破にもビクともせず、執拗に敵を追い回す。 前作はまだ善悪の区別が曖昧だったのに、なんか今回は完全にヒーローになっちゃってる。 一言も発しないのがこれまた良いんだな。 最後は超能力かなんかで炎ミサイル攻撃?まで駆使して総大将をやっつける。 これぞ因果応報、観ている側をスッキリさせてくれる。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-08-12 18:16:21) (良:1票) |
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《改行表示》 6.《ネタバレ》 前作との差別化を図るためか、今回は他国からの侵略、しかも同盟している2つの国を手に入れるというすごさ。おまけに武神像をこわしてしまうのですから、御子柴はやりたい放題。今回は十郎と早百合姫が別々に逃げ回っているのですが、それにしては話がややこしくならず、うまくさばかれていたと思います。捕まるのもけっこう後の方ですし、わりと段取りを踏んでいるので前作のような不満も起こりませんでした。 大魔神の暴れ方がおとなしいのですが、ひょっとして千草か名越の領内(どっちだったのかあまりよくわからない)だったから、あまり暴れなかったとか? 今回は、自分から積極的に建物を破壊しようという動きが見られず、大魔神を止めようとして周囲の建物が崩壊する、というパターンだったように見えます。他にも超常的な現象を起こしたりと、前作とはやや異なった性格のように思われますが、場所が違うのですから同じ魔神である必要はなく、それほど気になりませんでした。 さて、本作では「神も仏もないのか」という台詞が出てきたり、鐘が重要なアイテムとなっていたりして、少々仏教的な部分もあるのかと思われますが、基本的にはやはり「ちょっと洋風な戦国時代」という、不思議な世界となっているようです。女性をはりつけで火あぶりにするというのはジャンヌ・ダルクを連想させますし、湖の底で鐘が鳴り響くというのは、どちらかというとヨーロッパのイメージでしょう。このように、時代劇に洋風の要素をうまく加えたところにも、面白味があると思います。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-08-17 20:34:09) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 これはですね。もう、藤村志保様に尽きます。この気品、和風美人顔、凜とした空気。前作の高田美和は、ひたすら純粋に祈り続けるという趣でしたが、こちらの志保様は、何というか、神様ともどこかで意思疎通ができてそうな厳かな雰囲気を感じるのです。今度は大魔神の暴れ方がトーンダウンしている、と感じるのはやむをえませんが、それは、相手が志保様だったからです。しかもクライマックスでは、その志保様を白装束にして十字架に磔にして延々火あぶりにするという、超サディスティックな演出。敵の悪逆非道ぶりもいっそう際立つというものです。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-08-17 00:48:26) (良:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 いつになったら大魔神出てくるのかなと思っていたら、最後になってようやく出現してくれましたね。 どストレートな勧善懲悪のストーリー。悪者に対して大魔神様が鉄拳を食らわしてくださる。 半世紀以上前の映画にしては特殊効果など頑張っているかと思います。 海が二つになるのはやはり十戒を意識してるんでしょうか? 日本的なものと西洋的なものの融合がなんとも言えない世界観でした。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-08-15 12:17:53) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 大魔神はクチをへの字に結んだまま、ひと言も喋りません。学生時代、いつも汚いジーンズを履いていたヤマグチと一緒に、アフレコ機能付きの家庭用VTR(当時、そんなものがありました)を使って御子柴禅正を追い詰めてゆく大魔神に声を入れました。選んだ素材は「カリオストロの城」のクライマックス、時計塔でクラリスを追う伯爵の声(石田太郎氏)。「フェッヘッヘッヘッ、ヒハハハハハ、そらそら、どこまで行くのかな~、クラリス?」 クラリスって部分はカットしましたが、あの陰湿な声がなかなかフィットする。「減らず口はそれまでだっ(ルパンを竪穴に落すシーン)」と言わせて火炎で弾正にとどめを刺しました。遊びに来た友人たちに事前に情報を与えずに見せるとギョッとした後に軒並み大笑い。約30年前の悪ふざけです。両作のスタッフの皆さま、ごめんなさい。神様、怒らないでください。 【アンドレ・タカシ】さん [地上波(邦画)] 6点(2010-10-17 01:07:05) (笑:1票) |
《改行表示》 2.GYAOの無料動画で視聴。すでに18年前にレビューしていたことはおろか、二度目の鑑賞だったことにすら気づかず、最後まで初めてのつもりで観てしまった(笑)。われながら凄い記憶力の無さ…。 二作目は三隅研次です。キレッキレのシャープな構図がいちいちカッコいい。お姫様の祈りと涙が大魔神を突き動かす設定は前作と同じで、やはりこの神様は「信心の有無」で善悪を見分けているのだということが明確になる。十字架ごと持ち上げられたときの藤村志保の恍惚とした表情にも説得力があります。とりわけ今回は、最後にお姫様の涙が湖に溶け込んだことで、湖の神様との精神的な一体性がより強まっている。 チャンバラの見せ場もあります。大魔神への縄攻めが裏目に出るのは前作同様のお約束だけど、火薬による爆破攻撃もなかなかの見どころだし、船の帆によじ登った敵の親分に縄が巻きついて火あぶりになる最後の演出は、いかにも三隈研次らしくてケレン味たっぷり。 細部にツッコミどころがないとは言えないけど、全体的な設定に矛盾は感じない。たんなる二番煎じではない面白さがあるし、二作目としては十分に成功しています。湖が十戒みたいに割れるのも悪くないし、前作のUFOみたいな火の玉が出てこなかったのはむしろ前進。 18年前には7点つけていたのだけど、8点に格上げ。 【以下は18年前(ビデオ鑑賞)のレビュー】 もしアメリカ人に「GodzillaとDaimajinはどっちがスゴイか」と聞かれたら、絶対、「佐々木のほうです」と答える。東宝と大映の差でもあるけど、大魔神には、時代劇的な情緒感があります。『ゴジラ』も悪くないけど、あれはどっちかっていうと「科学映画」ですよね。それに、ゴジラはデカすぎて、かえってリアリティが無い。大魔神は、目の合うくらいの高さで迫ってくるから、ほんとうにむこうから歩いてくるようなリアリティを感じる。鎌倉の大仏さまを初めて見たときのような、微妙に大きさの感覚が幻惑される感じ。これは、怪獣映画にとってとても重要なことなんだけど、ゴジラにはそれが感じられないです。日本映画は大魔神のようでなくちゃいけないです。 これはシリーズ2作目。豪快で明快な怪物映画の中に、三隅研次一流のありえない演出の妙や奇特な映像のエロティシズムが加わってて魅力的。同時に、三隅作品として見るならば、大魔神の豪快さと明快さによって、彼の奇特な映像エロスに偏りすぎていないところがちょうどいい。そんなわけで、いっぱい楽しめます。 【まいか】さん [インターネット(邦画)] 8点(2004-03-19 15:59:14) (良:1票) |
1.大魔神シリーズ第2作目。本作は八雲の湖畔が舞台となっており、ワンパターンにならぬよう、新鮮で見応えのあるシーンも数多く用意されています。とくに、「十戒」を彷佛させる湖水を割って大魔神が登場するシーンが圧巻で、出来れば大画面で見たいもの。さらに、武神像(変身前の大魔神)を爆破させるという凄い場面もあり、魔神の首がふっ飛んでいく様には強烈な印象が残っています。ラスト、悪領主の処刑からエンディングにかけては、伊福部昭の荘厳な音楽と共に前作以上の余韻を残してくれました。 【光りやまねこ】さん 8点(2003-08-29 16:52:29) (良:1票) |