4.ええっ、今年最後のレビューが『蝿の王』かよ…いや別に大昔に見た奴だから、今日レビューしなくてもいいんですが…2004年を総括する作品としてコレが適当かな、と。原作との違いが指摘される本作ですが、最大の違いは原作=「悪の自然発生」説/映画=「元々みんな性悪なんじゃ」説、っていう事になるのかな。原作の持っていた宗教的な構図を骨抜きにしてしまったせいで、オイラ的には原作よりずっと現代的解釈ができるようになったと思います。イラクの刑務所で起こった事がまさにコレですね。まあイラク以外でもあるかもしれんが。人道とか国際法とかは世界が長い歴史で学んだ財産なワケで、それを捨てれば身軽で自由になるけど、もう一度学び直さなけりゃならない。孤島で、そういう世界の「見えない財産」から切り離された子供達は、だから原作のように「悪」に染まっていくんじゃないんじゃないかと思うわけです。ただ、知恵を失っただけなんじゃないかと。血と痛みの記憶を捨てただけじゃないかと。2つの世界大戦の主要プレーヤーで本土の占領・地上戦を経験しなかったアメリカ・イギリス・日本に、いま「悪」の面影を見るのは難しい。だが心底の無邪気さ、その怖さは見える。この映画が強引に「悪」を外科切除したのは、案外21世紀的な描き方だったのかもしれないですねえ。 【エスねこ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-04 03:26:27) |
3.多数の人々が不安に陥っている時は、正しい人間の正しい言葉よりもカリスマ性のある人間のわかりやすい言動が支持され、一種宗教的な集団になってしまう。ヒトラーとその周辺が出来上がるモデルケース的怖さがあった。ラストの何とも言えない空気は大好き。 【ラーション】さん 8点(2004-03-29 02:14:23) (良:1票) |
2.モラルで抑えられていた集団の「たが」が外れたときは,ああいう事も起こりうるんでしょうかね.私は,けっこう良くできてる映画だと思いました.ラストシーンも,「一般社会への突然の回帰によって,悪酔いが一気に醒めた瞬間」という感じで,とても印象的でした. |
1.ん~、考えさせられました。バトル・ロワイヤルはただのドンパチ映画。あの映画の原作者は、この映画とかこうゆう無人島モノをパロっただけのような気がしますね。学校のグループとかでも同じで、人って「悪」に魅せられるのが常。また、強いモノに巻かれるのも同じくです。協力なんて、現代のモノ社会だけの話。普通だと感じる現代の方が、スゴク人類的に見て非常にマレで怪奇なモノなんだと思う。そんな重たい映画。でもラスト。なんでパロったの?マイナス2点。。 【y/z】さん 8点(2002-12-22 14:40:22) |