4.ラストのマダムジューヴの台詞がベルナールとマチルドをスバリ言い表しています。空家で体を重ねる二人。何時までも苦しむ恋を続けるのだろうと思った矢先の結末に、側に居て欲しいと切望するときに限って居てもらえない、道ならぬ恋の現実、道ならぬ恋の寂しさを腹に呑み込めない者の行き着く果てを見るようでした。自分はマダムの台詞の逆が幸せなカップル、夫婦、不倫の二人だと思います。 |
3.ネタバレ 困るよね。隣町なら大丈夫でも隣は困る。 フランス映画が描く狂気の愛はあまりにも激しくて、そんなたいそうな、とまずは思うんだけど、「彼らがそうなってしまうのもいくらかわかる。同じような気になることもあるけど多くの人はそこを持ちこたえているのよ」と考え直すと俄然現実味が増してくると思う。 無難な相手と結婚した場合は、他の存在が入り込みやすい、、と思う。 ドパやんの奥さんはアルダンと何もかも対照的で、いわゆる良妻タイプであるが、女の誰もが持っている恥ずかしい面(男性にとっては魅力となーる!)を端々に見せる。これがアルダンに走る男の心を援護してるように思えるわ、監督さん上手いわね。 それに今作は「迫られたら退く。退いたら迫りたい。迫ったら退かれる。退かれたらもっと迫りたい」なる基本中の基本を大柄な二人がこれでもかと見せてくれる、あーなんちゅう繊細で過激なこと。 トリュフォー監督は、後期になるとうんとわかりやすくなる。 これは監督が年を取り、年を取った私が観ている故だと思う。(思い過ごしかもしれんけど。)まぁとにかく吐く場面(←一瞬よ)までもが美しいと思えたのは今作が初めてでした。 ♪東京ロマンチカ「君は心の妻だから」が染みて、そばにいる人が1番でないかもしれないと密かに思ってる中年世代にちょっとだけオススメ。 【JAPANESE.551】様案:愛の公式に入れると・・今の私は「半分幸せ」です。昔の私は 「幸せ」です。あぁ、飢えてる。。
【かーすけ】さん 8点(2005-01-21 16:45:59) (良:2票) |
2.結構、重いテーマですね。逃れられない泥沼恋愛地獄とでも言うのが適当なのだろうか。一途で、純粋であればあるほど、周りから見ると異常なほど激しい恋愛に思えるのかもしれない。見方を変えると、相手を愛すると言うより、自分の欲求を満たすためだけの行為に思えてくる。相手にされなければストーカーにもなりかねない。主人公二人の心の葛藤が生々しく、トリュフォーの描く恋愛の複雑な側面が良く表現されている。惹かれあう者同士でなければ恋愛は成立しないが、お互いの欲求を満たすだけでは幸せにはなれない。 【パセリセージ】さん 8点(2004-12-12 22:58:56) (良:2票) |
1.テニスコートの経営者のおばさんの恋は確かに究極の恋なんだろうが、主人公二人の恋はよくよく考えれば大人の普通の恋愛である。いっしょにいると苦しいが一人では生きてゆけないという愛のカタチは結局のところ大人の恋愛は得てしてそういうものであって、トリュフォーはそれをリアルに描いたにすぎないのではなかろうか。しかしながらこの恋物語は、愛を肉欲でしか表現できない大人ゆえにタチが悪い。お互いに家族があり、しかも男には子供がいるという設定が最悪な後味を残す。”恋は盲目”とは思春期の男女だけのものではないということか? 【R&A】さん 5点(2004-06-21 19:25:24) (良:1票) |