6.(疑惑をかけられている状況で)「その話は夕食の後で、それまでは他の話で盛り上がりましょう。」なんて言う女にもビックリだし、そしてここで「そうねそうしましょう。」なんて言って納得する女達にも思わず苦笑い。女たちの間のいい距離感とそこに流れる軽く心地よい空気が映画を包容し、それが見る者をあきさせないテンポを作り出していた。本当はものすごく毒々しい内容なのだけど、さらっと画けてしまうのはこのテンポのよさと女優たちの演技ゆえだろう。 【K・T】さん 8点(2003-12-29 13:54:45) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 有名女流作家の不可解な自殺を巡って複数の関係者が検証に臨み、それぞれの思惑もひっくるめて真相に収束して行く。ミステリーとしての謎解きと云うより登場人物たちの心理の奥底を探求するようなデリケートな作品でした。女性だけのコミュニケーションに含まれるネガティブな感情が男の自分には面白く映りました。原作は読んでいないけど、恩田陸らしいニュアンスを大事に演出していると思います。主要出演者の中で一人、女優専業ではない加藤登紀子さんがとても不気味で、そのノイズが良くも悪くも作品全体に普通の映画じゃない雰囲気を与えています。私は専ら、誰が時子を殺したかと云うことより、突っ張って生きてきたツケを精算するかのような時子の考え方に興味が募りました。テーマもそこにあると思います。自分が生きた証をどこかへ残しておきたい気持ちが、少しは分かるような年代になったのかもしれません。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-09-06 23:21:48) (良:1票) |
《改行表示》 4.ミステリ好きの僕にとって、皆さんが絶賛されているこの作品は本当に見るのを楽しみにしていたのですが、ごめんなさい。どこが面白いのか僕にはわかりませんでした。 ミステリである以上、ある程度は観客にフェアでなければならない(伏線や劇中における公然の事実の認識等)と思っています。ところが、過去の記憶を辿っていく為仕方ないとはいえ、この作品は「後だしジャンケン」の連続です。 「実はあの時はこうだった」「その時の私はこうしたの」、ずーとこの調子で観客にとっての“その時点での事実”を改ざんしていくだけで、そこにはなんの捻りも無く、まるで事情聴取を淡々と聞いてるかの如くです。 事件の真相が明らかになる頃には「後から事実をくっつけるだけなら、何でもありじゃないか」という気分になっており、もはや誰が犯人でもよくなってしまってました。 確かに上質っぽい雰囲気は感じれましたし、女優陣は全体的に好演されてたとは思いますが好きなジャンル故にここは辛口のジャッジしか出来ません。 【よねQ】さん [DVD(邦画)] 4点(2006-07-30 13:53:47) (良:1票) |
3.これはミステリーとして観れば、ネタはしょぼかったです。でも各人物の性格設定など、サスペンスとしての魅せ方は十分堪能できました。年に一度みんなで集まって、という設定は、小説ではありきたりですが、映像としては初見だったこともあり、新鮮でした。果たして時子さんは誰に殺されたのか?という謎を、最後の最後まで引っ張り、観ている僕をやきもきさせる。真相を知っている者の締めくくりも丁寧に作り上げてある。真犯人?の回想も人間ドラマがあって非常に良い。お金はかかってなさそうですけど、経験豊富な女優さんたちの演技でお腹いっぱいになりました。浅丘ルリ子の目が変だったので、8点です。 【どんぶり侍・剣道5級】さん [地上波(吹替)] 8点(2005-12-19 16:46:54) (笑:1票) |
2.《ネタバレ》 ゆるゆるとした雰囲気の中微妙に張り詰めた空気の中展開していく謎解きミステリー・・・それぞれの意見を出し合いながら一体真実は・・・?謎解きと考えるとオチは多少弱いような気がしないでもないが、テーマを女たちの疑惑それにともなう探りあいと考えるとおもしろいかもしれない 【めめこ】さん 6点(2005-03-14 00:45:52) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 「ミステリー」として見ると、謎解きや動機に物足りない部分もあるが、女流作家の不審死を巡る「サスペンスドラマ」としてなら、まあそこそこ楽しめる。ただ、全体の雰囲気や女優陣のイマイチ不自然で硬い演技が舞台劇を思わせる点と、「女流作家たちの腹の探り合い」というドラマ設定が観客を置いてけぼりにしていて、ちょっと感情移入はしにくい。導入も唐突で、見知らぬ同窓会に紛れ込んでしまったような疎外感を終始感じる。「自分の人生に意味を持たせるための自作自演オチ」も結構よくあるパターン。中盤までのダラダラ感もマイナス。あと30分は短縮できる内容。 【FSS】さん 6点(2004-06-28 13:24:16) (良:1票) |