8.《ネタバレ》 あんまり考えてはいけないみたいだ。「猿ですな」とか「宇宙船ですな」とかいうノリで見ないと、頭がおかしくなりそうだから。そんなわけで、映像と音楽の美しさに一時所有して、心を落ち着けたいときに、ぼーっと寝る前に写してみたりした。セリフがほとんどないから映像つきのBGMにもなりますよ、お客さん。単なるレンズを「恐ろしく」見せたことはすごい。「レンズ」なのに。この時代に宇宙船の中をリアルに見せたことはすごいことだ。とにかく考えるのをやめて、「わー無重力だー」と喜ぶしかない、そんな映画。変人キューブリックは、いつも観客のことなんてこれっぽっちも気にしていないところが正真正銘芸術家であった。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-20 18:32:44) (笑:3票) |
7. 最近の映画って、別に映画じゃなくてもいいじゃないというのが多い気がします。物語だけなら小説で語れる。映画は人々の描く物語へのビジョンを画一化してしまうものが多いと思う。でも2001年宇宙の旅は、私達をさらなる想像と創造の世界に連れて行ってくれる。映像がどんどん訴えかけてくる。無限の旅です。 【ちゃこ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-14 14:51:13) (良:3票) |
6.この映画とキューブリックについて予備知識全くなしの僕の挑戦が始まった。最初はHALが壊れて危機に陥るみたいなサスペンス系かと思って見始めたら、なんと開始約25分。セリフが「ウキー!」しかないじゃないか。そして謎の石碑。徐々にこれはただの娯楽映画じゃないとやっと気がついた。(かなり中略)見終わった・・・。衝撃だ。映像美のことを忘れてしまうくらいだ。そして、ある程度はこの作品の意図したところを理解したつもりだったが、キューブリックの意志は遙かに先の方であった。かくて僕の挑戦は敗北に終わった。 【アルテマ温泉】さん 8点(2004-11-22 00:26:04) (笑:2票) |
5.ハルの視点でカメラが動いていたのが面白かった その視点のおかげでハルがさも生きているような感じがした やはりストーリーは難解でした 何回見直したことか あと何回ぐらい観れば理解できるのかな 理解できるまで頑張って見続けたいと思います 映画はいい音楽といい映像が融合しなければいい作品は生まれませんね 【ぺぷとりじ】さん 8点(2004-06-03 22:54:01) (良:2票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 形而上学を地で行くストーリーは表面的につまらなく、興味を保つことが困難ではあるがボーマンの感じた驚きを自分の中にも発見すると、二重三重に折りたたまれた錯視のような世界が持つ映像の説得力はもの凄い。色やデザインの良さもインテリアに取り入れたいと思えるほど良い。映像編集は斬新だし見所が満載。未だ褪せない個性を纏った人工知能の暴走のようなきっかけもスリルがある。 つまらなさと同居する刺激がある。ストーリーは驚くほどにつまらない。全く面白くない。 しかし、万博のパビリオンに誰もストーリーなんて求めていない。そこで展示してるしょうもない技術に将来があるとも思えない。純粋に眺める。そう言う多面的な要素が実は土台になって作られてるんだと思うととても大切な話に思えてる。 正直、ふと正気に戻れば最新の万博の展示物の方が張り子の虎でプラスチックの玩具にしか見えない。しかしこの作品は正気に戻させない何かがある。それほどこの映画は強烈に未来的でアトラクティブで、迷い込める思索の樹海である。未だに。 そして、何年ぶりかで見直すと、びっくりするほどつまらないストーリーと、年代を差し引いてもゆるすぎるプロットに心の底からもう一度、同じように驚くのである。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-15 15:05:06) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 20年ぶりに鑑賞。これで三回目。しかし、色あせない。飽きない。ひたすら映像美に酔うのみです。木星に着いてからなんでああなってしまうのか、全然わかんないけど、それでも全然オッケー。ディスカバリー号の造形的な美しさはスター・トレックのエンタープライズと双璧をなしますね。『ソラリス』とよく比較されますが、どちらもバイブルのような作品です。でも造形美では、こちらの方が勝ってます。『ソラリス』のデザインは、いかにも旧ソ連製って感じで(笑)。他の方のコメント全部読んでないので、以下のコメントは重複かもしれませんが、『鉄腕アトム』のアメリカ放送を見たキューブリックが手塚治虫にデザインのオファーを出していたというのは、手塚が自伝の中で紹介している有名な話ですね。結局手塚側が忙しくて実現しなかったのですが、でも、実現したとしても、きっと喧嘩別れに終わっていたと思う。天才二人は並び立たないんじゃないだろうか。 【いのうえ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-09 00:03:33) (笑:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 「人類」と「道具」の進化。そして両者の支配関係を巡る映画でした。始まりは「人類」が“サル”で、「道具」が“骨”の頃。今や2001年。道具を使って効率良く動物を殺し、食うことにより、“種”の競争を生き延びてきた類人猿はホモサピエンスへと進化。「道具」は、蒸汽動力を得て「機械」へ、電子工学の活用で「コンピュータ」へと進化。そんな進化を遂げた時、両者の支配関係に見直しの儀式が実施されたのです。場所は宇宙空間ディスカバリー号。人類代表ボーマン船長、一方はHAL。感情や自尊心を持つことでHALは「有機体的な無機物」という「有機」と「無機」の中間的存在へと究極の進化を果たす。ボーマンは酸素・重力が存在しない激変の環境で、自己制御が効かない「無機物的な有機体」となる脆弱な瞬間にいます。両者は「有機(能動)」と「無機(受動)」の境界線上にいる点で並列であり、“人類がHALを創造したが、HALが乗組員を管理し、支配もしている”という「支配・被支配」の混迷下にある非常にボーダーレスな関係にあったのです。 “種”の闘争に勝利し、次のステージ(宇宙空間)で対峙したのが、己の武器である「コンピュータ」の「狂暴な正体」だったのです。そもそも“骨”は他の部族や動物を支配するための「残虐な武器」として描かれており、「機械」や「コンピュータ」になってからも、「防衛・兵器」の側面から進化を加速させてきた経緯があります。支配関係逆転のための、偶然を装った必然の攻撃だったわけです。■結局。HALは電子動力を断たれ機能停止。勝者であるボーマンは次のステージへの新規DNA配列をダウンロードする為、再起動・強制終了を受けます。いくら文明が洗練されようとも、地球では「繁殖し、他者を殺し、食う。」「繁殖し、他者を殺し、食う。」という原始的で残虐な“種の保存”行為が繰り返されていくのです。宇宙空間に浮かぶ胎児は、この“種の保存”を実行する為に発生し、今後も発生するであろう夥しい数の胎児(=繁殖)を表現していると感じました。膨大な数の胎児を用意し、切り捨てを前提とした様々なロールプレイングを経て、DNAは生き残る術を学習していきます。地質学的な時間の中で最適なDNA配列に行き着いて、“種”は「進化」を続けていくのです。■■確実に、強固に、そして徹底的に他者を支配するために.......。 【マーク・レスター】さん 8点(2004-01-04 21:53:19) (良:1票) |
1. 映像よりプロット重視の私にとって、コイツは…手強い!でも、そんじょそこらのクズSFとは明らかに一線を画していること位は分かる。何ていうか気品、格調があるんだよね。(因みにリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトウストラはかく語りき」やヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」といったクラシック曲をBGMに用いたのは「何でもイイからテキトーに曲入れちゃえ」と試しに入れたら映像にジャストフィット!してたので、結局そのまま使われたとのコト。)ダグラス・トランブルによる拘りの職人芸にシビレまくり、何度も観てしまった、ということは矢張り名作なんだろう、ウン。因みにクラークは映画を脚本と同時並行でノベライズ(小説化)したのであって、厳密な意味での「原作者」じゃあナイ!! 【へちょちょ】さん 8点(2002-12-24 20:07:58) (良:1票) |