5.《ネタバレ》 これからなんですよ、彼女、ほんとにいいラストだ。ええかっこせず、無理せずLVを取りまく人々をまことリアルに描く。だのに、ぬくさがジワジワ沁みる、イギリス映画っていいなァ。悲しくも悔しくもないのに、私はコレ観てる間ほとんど泣きっぱなし。やかましくて醜くて可愛らしい母親・・ブレンダ・ブレッシン上手いわ。でも吹き替え訳がオヤジギャグも含めて大変おもしろい。小宮和枝さんも力はいってはるし、歌の部分は勿論字幕がいいので、DVDで切り替え鑑賞がいいかと思います。腹立たしいほど選曲も私好み、ホンマかなわんわ。 【かーすけ】さん 9点(2004-05-31 01:48:32) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 才能のある人は羨ましいと思う反面、大変でもある。自分の気持ちをまるで理解していない駄目な母親とそんな母親につきまとう男とその男の身勝手さが生んだ結果があれである。火事まで起こしてしまうという災難になるのはこの二人の駄目な大人たちのせいである。ジュディ・ガーランドやマリリン・モンローの歌真似をそっくりに演じることが出来るLVことリトル・ヴォイスがたった一度という約束でステージに上がって大勢の観客の前で思い切り歌う時の表情は本当に楽しそうであるし、観客も同じである。約束を守らない大人への反撥、LVにとっての歌は自分の好きなことへの現れであると共にけして、誰の為のものでもないという気持ちが伝わってくる。それだけに火事の中でも私は「お熱いのがお好き」と言って部屋から出ようとしないし、大切なレコードを守ろうとする場面、もしや?あれはマリリン・モンローが映画「お熱いのがお好き」の中で歌っていた曲を披露していることからくる洒落のつもりか?でも洒落にはならないぞ!いくらレコードが大切たからって火の中にいたんじゃ死んでしまうぞ!さあ、どうする?と思っていたら良かった。良かった。彼女の事を一番よく理解していたユアン・マクレガーが助けに来てくれた。素晴らしい友達、素晴らしき音楽、そして、ラストの鳩、LVのこれからを期待させる終わり方のお陰で嫌な大人のことなど忘れさせてくれそうになる。あのラストのお陰でイライラさせられる気持ちが何とか吹っ飛んで行った。最後にもう少しだけ!観ていたら「オズの魔法使」と「あ熱いのがお好き」が見たくなってきた。今、上映中の午前十時の映画祭で「お熱いのがお好き」は上映とのことで見れるけど(絶対に観に行く。)「オズの魔法使」をはじめとするジュディ・ガーランドの出ている作品「若草の頃」「イースター・パレード」も上映して欲しい。 【青観】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-05-05 10:38:04) (良:1票) |
3.LV役のジェイン・ホロックスの演技力と歌唱力には驚かされた。内向的な女の子、恐らく年齢の設定としては20歳前後か。この時彼女は30代半ばなんですよね。驚くほど違和感が無く、たった一度だけでしたが観客を魅了したステージの歌は本当に素晴らしかった。もう一人、内向的な男を演じたのはユアン・マクレガー。彼もまたこんな役を演じると見事にはまりますね。さらにはイカれた母親にはずっと頭にきましたがこの役が実によく効いていて言うまでも無くマイケル・ケインはどんな役を演じてもやはり上手い。(特に“it‘s over”の彼は絶品!)成功を掴む大ハッピーエンドもありかもしれませんが本作のラストもあの2人にとってのハッピーエンドなのでしょう。最後の鳩を放つ、LVの本作で見せた最も生き生きとした表情がそれを見事に表しています。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-13 21:11:14) (良:1票) |
2.数年前にBSで放送された時に録画したまま未見でした。そのころはユアン・マクレガーが出ていることも知らなかったけど、最近になってユアンがコレに出ていることを知り、慌てて鑑賞。そのユアン、彼はやはりダメ男がぴったりだ。ジェームズ・ボンド役の候補に名前が挙がっているようだけどそれだけは絶対にやらないでほしいわね。エリック・バナだっけ?彼に決まりそうなのでひと安心です。この作品、やはりマイケル・ケイン、ジム・ブロードベント、ブレンダ・ブレッシン、この三人でしょう。やけっぱちになって「It's Over」を熱唱するケインに爆笑。どこか悲しくもあり、おかしくもあり、そしてはがゆくもどかしく、ちょっとイライラする登場人物たち。このリアルさがイギリス映画のよいところだ。いや、おもしろかったです。イギリス作品ではこのような貧乏悲惨系ヒューマンコメディが好きです。これから新たな第一歩が始まるというようなラストがいいわ。 【envy】さん 8点(2004-08-09 11:10:51) (笑:1票) |
1.色んな意味でセンスの良い映画だと思うが、特にキャストが良いね。LV役のジェイン・ホロックスはハマリ役で、引きこもり~一世一代の舞台上での晴れやかな表情まで見事に演じてるし、そのペッタンコの胸も含め実に可愛らしい。LVの母親役のブレンダ・ブレッシンは主役を食うほどのインパクト。「秘密と嘘」におけるあの女々しいオバちゃんとは対照的に、その体つきも含め実に醜い役だが、至るところで笑かしてもらいました。そしてレイ役のマイケル・ケインは正に怪演。特に終盤の涙ながらに絶唱するシーンは爆笑の必見モノ。ラストもハリウッド的にLVが歌手として大成してハッピーエンド、とならないところに不満を覚える向きもあろうが、個人的にはそのささやかな幸福さが却って良かったと思う。ところでLVって単に歌やモノマネが上手いというのではなく、ジュディ・ガーランドやモンローとかが憑依するイタコのような体質を持つゆえ、亡き父の霊が見えてたんだと解釈してます。 【ダイ】さん 8点(2002-02-14 17:50:18) (良:1票) |