悲情城市の投票された口コミです。

悲情城市

[ヒジョウジョウシ]
A City of Sadness
(悲情城市/Bei qing cheng shi)
1989年台湾上映時間:157分
平均点:7.93 / 10(Review 15人) (点数分布表示)
公開開始日(1990-04-21)
ドラマ歴史もの
新規登録(2003-10-15)【onomichi】さん
タイトル情報更新(2021-11-23)【イニシャルK】さん
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監督ホウ・シャオシェン
キャストトニー・レオン(男優)四男 林文清
リー・ティエンルー(男優)父 林阿祿
チェン・ソンヨン(男優)長男 林文雄
カオ・ジエ(男優)三男 林文良
脚本ウー・ニェンツェン
チュー・ティエンウェン
音楽チャン・ホンイー
S.E.N.S.
立川直樹(音楽監督)
撮影チェン・ホァイエン
製作チウ・フーション
配給フランス映画社
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【口コミ・感想】

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5.《ネタバレ》 最初が日本語で始まるが、その後も日本の言葉や漢字の日本語読みが結構聞こえる。ヒロインも「にいさん」のような呼び名を常用しており、また主人公の林文清のことは「きよしさん」と呼んでいた。そもそも兄妹の名前からして日本語読みできるよう付けられており、生家がかなり親日的だったと想像される。 主人公の生家である林家は財力のある在地の有力者のようだが(日本人の感覚ではヤクザに分類?)、ヒロインの実家である呉家もお堅い旧家か何からしく、子弟の教育水準も高かったようである。戦前は、林家は日本(というより統治体制か)に反発し、逆に呉家は親和的だったようだが、その違いが何か対立を生んでいたわけでもない。戦争では1人が帰還せず、戦後は大陸の密輸業者とのトラブルや共産主義者の弾圧で家族が失われ、先行きは明るくなかったようだが特にはっきりした見通しもなく終わる。結局何がいいたいのかと考えさせられてしまうが、監督インタビューを見たところでは、それまで隠されてきたこの時期のことを人々が改めて回顧するという意義はあったらしい。昔を知らない世代にも、当時の社会の有様を伝えるものになっていたと思われる。 またこの映画ができたのは、1987年に台湾で起きた大きな政治的変化のおかげとのことだが、その変化は単に映画製作の好機というだけでなく、現在の民主的な政治体制につながる歴史的な大事件のはずである。この映画は大陸側の勢力に一方的に支配される形で終わったが、今の台湾がこれからどうなるかは今いる人々が自らの意思で決めるべきことであり、それを改めて認識させる映画だとは思わされた。日本人にとっては他国の問題だが、かなり気になることではある。  登場人物に関して、まず序盤で出た静子さんは上品なお嬢さんだったが、こんなカワイイ系美女が当時の日本にいたか??という意味でも目を引いた。ヒロインの寛美さん(寛美ちゃん)の方は少し地味かと思ったが、よく見れば清楚で優しげで可愛らしい人である。男連中が政治談議をしている脇で、清さんと一緒に「蘿蕾莱」を聴く場面には和まされた。控え目で古風に見える女性だったが、主人公も悪気の全くない温和な男で、この2人が作った穏やかな家庭のはかなさが切ない映画ではあった。 ちなみに筆談の字幕が無声映画のようで、過去を回顧する映画にふさわしい雰囲気を出していたかも知れない。
かっぱ堰さん [DVD(字幕)] 8点(2020-11-14 09:25:43)(良:1票)
4.日本が戦争に負け台湾を撤退した日から、数万人の死者を出した2・28事件を経て台北を臨時首都と定めるまでの激動の四年間をある家族を通して描いてゆく。歴史的大事件を描いた作品は数あれど、その中にあってこの作品ほど人間を映し出した作品はそうはない。あくまである家族の怒涛の四年間を描いており、政治的な事件はその背景でしかなく、しかし背景でしかないその事件が深く深くのしかかり、生活を脅かし、尊い人生を奪ってゆく様が静かに、時には激しく描かれてゆく。戦争そのものも、植民地状態の様も、2・28事件も、蒋介石も出てこない。侯孝賢は大作を撮っても、なにげない仕草を丁寧に、なにげない視線を大切に描いてゆく。それでいて見応えのあるものに仕上がっている。いや、だからこそ、なのでしょうか。丁寧に描いたもののひとつひとつが時代をはっきりと映し出している。歴史大作においてミステリアスな事件の真相やドラマチックな人情劇やダイナミックな騒動を封印できる監督が、今いったいどれだけいるだろう。
R&Aさん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-11 17:18:39)(良:1票)
3.戦後台湾を舞台に、ある一家及びそれを取り巻く人々の生活と、彼らが時代の波に翻弄される姿を描いたこの映画、その求心力はズバリ「空間」。カメラは不必要に登場人物たちを追い回さず最小限の動きで、役者達が作り上げる演技空間を静かに見守る。また、カメラ位置が限定される事で、「空間」そのものが強い印象をもたらして映画を支える軸となっており、そこに映り込む登場人物だけが、時代の流れ、シーンの流れとともに、入れ代わったり、命を落として消えて行ったりする。時代に翻弄される庶民の無力さが際立つと同時に、それを乗り越えていく逞しさもまた、確かに感じさせます(ここに展開される「空間」、何やら松竹クサさも感じさせる・・・と思ったら、ホウ・シャオシェン監督、小津信者だったか)。うーむ。そりゃいいんだけど、2時間半を超える長尺を支える求心力としてはやや弱いかな。内容的には少々散漫な印象、無きにしもあらず。あと音楽が---何となく安っぽい気がして残念。それにしても、最後の方で出てくるアカンボのナチュラル過ぎる絶妙の演技(なのか?)、全体的に重たい本編の中で何とも言えぬ微笑ましさが光っており、これはまさに名シーン中の名シーンと呼びたいですね。
鱗歌さん 8点(2004-02-29 01:07:07)(良:1票)
2.終戦の年から始まるこの物語は、林家の四人の息子の生き方を見つめることで、台湾の激動の歴史を振り返るというもの。日本と中国本土の二つの文化の間で翻弄され虐げられてきた台湾の人々の、やりきれない悲しみと怒りが描かれていくという、辛口のホームドラマのスタイルをも有した本作は、悲痛で重厚で堂々たる風格をもった大作ではあるが、我々をも含めて外国人には、その歴史及び社会的背景をある程度理解していないと、複雑に入組んだ人間関係もあって、一度観ただけでは頭に入りにくい部分が多いのも事実。それでも、ヤクザ社会からインテリ層までのあらゆる階層を、ごった煮にしたような猥雑感を魅力たっぷりに描出し、一方ではリリシズム溢れる優しくそして切ない恋愛ドラマとしても、侯孝賢の力量は十分発揮できた作品だったと思う。テーマ曲の素晴らしさもまた忘れられない。
ドラえもんさん 10点(2003-12-04 18:23:58)(良:1票)
1.侯孝賢監督映画。80年代終わり頃に流行りました。「冬冬の夏休み」とか「恋恋風塵」とかね。で、この2作を太刀持ちとして、どーんと構えるのはやっぱり歴史大作「悲情城市」でしょう。あの頃、ようやく中国映画なんかが国際的に評価されてきて、陳凱歌とか張芸謀の映画が次々と公開されていました。彼らの初期の作品というのは、中国の広大な大地に根ざした裸の人間たちを描くかなり骨太で大味な印象を与えるものでしたが、台湾出身の侯孝賢というのはどちらかといえば繊細で暖かな味わいを作風とする為、彼の作品の方が、僕らには受け入れやすかったように思います。小品を得意としてきた彼が初めて祖国の歴史大作として世に問うたのがこの「悲情城市」です。<それまではこういった歴史を公然と語ることができなかったそうな> 大戦後の日本軍の台湾撤退から、蒋介石による台北制圧までの4年間の内乱を、ある家族の悲劇を通して描いていきます。戦後の台湾の歴史を知らないとなかなか理解できないところもあるかもしれませんが、実際、そこに僕たち日本人が深く暗い影を落としていることが事実としてある以上、それを知らないのは本当は失礼なことなのかもしれません。それはともかく、トニーレオン扮する聾唖の写真屋と少女の静謐な愛情のやりとりが秀逸です。歴史のうねりに翻弄されながらも家族の愛を拠り所とする生き様<そう最後の家族写真のシーンです>には、静かな感動と言い知れぬ哀しさを感じずにはいられませんでした。中国人監督達がその後、商業ベースにしっかりと乗っかったのに対し、一体、侯孝賢はどうしてしまったのでしょうか?ここのレビューで全く人気がないのも忘れ去られた監督故なのでしょうか?ちょっと心配なところです。
onomichiさん 10点(2003-10-16 00:03:35)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 15人
平均点数 7.93点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
416.67%
5213.33%
600.00%
716.67%
8533.33%
9213.33%
10426.67%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 Review0人
3 鑑賞後の後味 Review0人
4 音楽評価 5.00点 Review2人
5 感泣評価 Review0人

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