6.ネタバレ ウィンターボトムは本当に多種多彩な作品を作る人だ。今回はノンフィクションに限りなく近いフィクション。誰もかれも人間は平等に生まれてくる…とは言い難いこの世界を、積み荷と揺られコンテナに押し込まれながらも強く生き抜く少年の姿。非常に淡々とそしてブツ切れ調子の映像で、真に迫った空気を伝えてくる。紛争の産む悲惨な結果を訴えるのでなく、「これは現実、縁遠いようであなたのすぐ隣で起こっていることですよ。」とにかくそれだけ言いたかったのだろう。ただ相変わらずのオシャレ風味映像だったが。ドキュメントと捉えてこの点数。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-02 02:04:49) |
5.ネタバレ ドキュメンタリーは苦手ですが、最初から作り物のだと分かっているドキュメンタリー風の映画は好きです。この映画でジャマール少年がカフェの客のバッグを盗むシーンで、以前、イランで足を怪我していたとき突き飛ばされてバッグごと盗まれたことを思い出しました。アフガン難民の多い場所で油断をしたのがいけなかったけど、この映画の窃盗シーンを見ても不快感よりしかたないのかもしれないと思ってしまいました。生きると言うことは多かれ少なかれ弱肉強食なんだとあらためて感じました。 【omut】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-06-27 16:18:38) |
4.とても映画好きの友人が誘ってくれたので観に行きました。何でも、他の友達は娯楽性に乏しいこの映画には興味を示さず、ことごとく誘いを断られ、私に白羽の矢が立ったらしい。この友人はとても勉強家で、様々な分野、考え方の映画を観て、見聞を広げる努力をしている尊敬に値する人なので、喜んで同行しました。 確かにエンターテーメントの軽妙さはなく、半分ドキュメンタリーの重たい映像と淡々とした展開は「面白い」ものではありませんでした。しかし、主人公の少年の過酷な旅路をいつの間にか共有していて、目眩のするような暑さも、果てしない大地の風景の美しさも、鮮烈に心に刻まれました。前向きでユーモアを忘れず、絶対的な悲しみの中でも案外ひょうひょうとしている少年ですが、行き着いたモスクでは一心に祈りを捧げる姿が…。本当は不安に押しつぶされそうなんだろう。人間のたくましさや生き抜く強さを淡々と刻んだ、心に残る作品です。観賞後、友達に「誘ってくれてありがとう」と心から言えました。 先日、この友人から「カンフーハッスル見に行かない?」とお誘いが…。守備範囲の広さも尊敬に値します。 【たまねぎ君】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-05-28 16:48:20) |
3.この国に来れば、私も彼らアフガン難民も同じ外国人。結局彼らは不法滞在となってしまうが、結局うちらは同じ人間に変わりはない。って本当にそう思う。私は、外国に来てより一層この問題を身近に感じることができた。そういう意味でもこの映画を見る価値はあった。それにしても、難民問題についてをイギリスの監督が手掛けていたことにちょっと驚きでしたが。 |
2.ネタバレ 画が不明瞭で、状況を説明してくれる台詞もなく、とにかく得られる情報の少ない映画でした。だけどそういった手法でよかったと思います。リアルさを感じて。私たちが生きているのも、状況説明などはない、よくわからない世界ですからね。彼の場合はとにかくハングリー。最後のほう、靴も履かずに新天地へと駆け出します。俺も今いるこの世界(IN THIS WORLD)でがんばっちゃると思わされた映画でした。 【kozi】さん 7点(2004-05-08 02:54:36) |
1.これは単なるロード・ムービーに片付けられない。甘い感情移入をする余地が出来ないほど強烈な現実が次々襲ってくる。ハンディムービーらしき荒れた映像から今、世界中で起きているいわゆる日常~日本では非日常~が淡々と訴えかけてくる。映画というにはリアルすぎ、ドキュメンタリーにしては美しすぎる。とにかく平和ぼけした我々には非常に痛い話であります。 【つむじ風】さん 7点(2003-12-22 03:10:50) |