《改行表示》 6.焼却炉で焼かれる堕胎された胎児、孤児として生き残った自分、その差異はなんら必然的に説明できるものではなく、、、、。そこから、わたしとはいったい何なのかという問いかけが通奏低音として流れているように感じられます。、、、そしてホーマーはいわば自分探しの旅に出るわけですが、特徴的なのは、決して内向きに、内面を探るという展開にならないことだと思います。そうではなく、出会う様々な人との関係で、自分の位置を確定しようとする。 、、、、もちろん、だからといって、社会的に生きよ、という道徳をたれるわけでは全くありません。どこで、どう生きようと、それぞれの人の自由。部屋の中にとどまるのも、部屋から出て行くのも自由なわけですから。、、、、しかし、部屋にとどまるなら、つまり社会の中で生きることを選択するのなら、「役に立て」。、、、そして役に立つというのは、下半身が不自由な者の役に立つ、孤児達の役に立つ、など色々な役に立ち方があるわけで、職業ということに限定されるものではありません。、、、、さらに、そのように考えて自立した人達の関係を規定するルールは、自分たちで作るもので人から与えられるものではない。、、、、、、あと、描かれている人達の関係の殆どは非常に暖かく家庭的で、アメリカ的なのですか、よくありがちなものと違って、家族の延長上にはその関係は設定されていません。ホーマーなど、孤児としてあらかじめ家族から断絶されているわけです。、、、むしろ黒人の父娘の家族の崩壊に見られるように、血のつながりから生まれる家族の情愛などは消極的にここでは捉えられているように思えます。、、、、、、、、何という達観、、、、そしてそこから生まれる、何という暖かさ、何という静かな前向きさ。、、、、、、見終えて、極めて良質なアメリカ的良心の香りをかがせてもらった印象で清々しい気持ちで一杯です。 【王の七つの森】さん 10点(2005-02-12 01:19:32) (良:2票) |
5.いやー素晴らしい!奇跡ですよ。初めて映画見て泣いちゃいましたよ。なんか見ている内に一体何の為にルールがあるのか?誰の為のルールなのか?そんな事ばっかり考えていました。年金も払った事もないお偉い先生方が年金の法律(ルール)を作ったり、小学六年生が同級生を殺してしまう・・・こんな最低限のルールすら守れない世の中に嫌気が差しているそこのあなた(俺も含む)この映画をぜひ見てください。愛情と優しさ、選択と決断。俺の人生の教科書みたいな作品です。(音楽も最高です。) 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(吹替)] 10点(2004-06-07 11:59:12) (良:2票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 注:映画を観る前に読まないでね チャップリンのモダンタイムズに匹敵する深い感慨を残しつつ、あくまでやさしいラストシーン。私はこのシーンが今まで観た映画の中で一番のお気に入りである。必ずしも幸せな身の上とは言えない子供たちの尊厳を守る眼差しと、自分を愛してくれた人に捧げる愛情の眼差し。この2つを、実にさり気なく同時に表現したおやすみの台詞。それを自分自身で受け止めるホーマーの顔。それを受け止める子供たちの顔。この純真さが重苦しいテーマを自然と中和させる。それは、どんなに打ちのめされている時でも、自分を励ましてくれる類の「希望」がある。あざとさや、押しつけがましさを微塵も感じさせない、世界一爽やかな終わり方だ。 【正義と微笑】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-06-22 02:34:43) (良:1票) |
3.これは素晴らしい「グリーンマイル」を「素晴らしい!」とか言っていた意見のあわない私の友人も「いい映画かもしれない・・」と呟いていた。 【W】さん 10点(2003-07-07 21:58:36) (笑:1票) |
2.心に残る感動作。これまでのマイベスト3に入る。淡々と進むストーリーの中に様々なテーマが盛込まれており、映画を見終わった後も考えさせられる映画。重くなりがちなテーマもさらっと見せる手法はラッセ監督のなせる技なんだろうなー。ホントに良かった。 【Andy17】さん 10点(2003-06-01 01:12:27) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 原作者(脚色も)アーヴィング、監督ハルストレムをはじめ出演陣にいたるまで、すべて好きな人たちだったので、期待だけでなく、かえって(がっかりしたらどうしよう・・という)緊張をもって一人で映画館に行き、大きな感動と同時に安堵を感じた作品。とにかく素晴らしいが、堕胎をめぐる話が中心をなしているので、人と一緒に鑑賞することはお勧めできない。できたら一人で見るほうが無難だと思われます。テーマはタイトルの通り、ルール。親子、人種、結婚、中絶、さまざまな側面において存在する既存のルール。その中で意味のないもの、実質的価値を伴わないもの、そうしたルールは、自ら打ち破れるものだ、という強いメッセージを感じる。そしてもう1つのテーマは、息子が父を理解していくまでの道程。当然、2つは絡まりあって根幹をなしていく。父は、信念の人でありながら同時に揺らいでいる、人間的魅力にあふれた人。マイケル・ケインは見事に表現している。アカデミー賞助演男優賞が納得できる、彼のベストアクトだろう。トビーのイノセントな演技も大変よかった。彼のファーストシーンを見ただけで、私はこの映画が成功作であることをほぼ確信したくらいだ。2人に共通して言えることは、複雑なキャラクターを、実に実にナチュラルに表現していること。ハルストレム監督との息がぴったり合っていたことをうかがわせる。監督は、本作で1つの頂点に達した印象。単なる「癒し系」監督ではない、実力のほどがわかる。つくりこんでいるからこその「自然」。実に「映画的」、「映画ならでは」で、すばらしい。但し10点をつけているからといって、文句や疑問がないわけじゃない。一つだけ挙げると、手術にあれだけ抵抗を示していたホーマーが、恋人とのシーンではきわめて無防備な男の子として描かれていて、ちらりとでも「避妊している」ことをうかがわせるシーンはなかったこと。だが、うまい具合に? 彼らに妊娠というできごとは起こらないのだ。このエピソードだけは今でも納得いかないなあと思っている私である。 【おばちゃん】さん 10点(2003-04-05 19:14:48) (良:1票) |