24.ジョンメリックは人の心を写す「鏡」のような存在だと感じた。 バイツや夜警の人等は自分の欲と自分の弱さ、心の醜さを写し、ケンドール夫人は心の美しさ、演劇の美しさ、素晴らしさを写し、トリーブスの妻は戸惑いながらも心の優しさを写した。 トリーブス本人も最初は医学的見地から興味本位の部分や名声や欲があったのだろう。 確かにバイツと同じ穴のムジナだったのかもしれない。 しかし次第に触れ合うたびに二人の心の距離は近づいていった、そして同時に自分は偽善者なのか、メリックを利用しているだけなのかという、名声、人としての優しさ、友情の間に悩み苦しむ人間らしい葛藤する心を写した。 しかし、全て先生のおかげとメリックが語っていたように二人は間違いなく真の友だったと言えるだろう。 そしてメリックに真の幸せの一時を与えたのもトリーブスのおかけだった。 メリックは本当に純粋だった。 人に優しくされたかった、母に愛されたかった、人として扱って欲しかったという想いがことあるごとに強く伝わってきた。 トリーブス妻とのやり取りで涙した姿、ケンドール夫人と演じたロミオとジュリエット、劇場で皆に温かく迎えられ少し驚いた姿は忘れられない。 そしてなによりも「自分は動物でない、人間なんだ」という悲痛な叫びが胸を打った。 ラストはこの上ない幸せを感じ、人間として生き、人間として死んでいった姿はメリック自身の心の強さを自分の鏡に写したといえよう。 |
23.イレイザーヘッドといい惨い作品だわー。現代の自分が見てもちょっとこの酷さはピンとこない部分もあって何だか茫然といった感じ。もう全てにおいて人間の厭な部分を全面に出してるから観ていて疲れてくるのよね。それでもエレファントマンの容姿、エレファントマンの不幸な描写にも顔を背けない自分がいるんだ。目をつぶりたい自分と、目を輝かせた自分が、、 【ホーラン℃】さん 8点(2004-12-08 22:53:04) |
22.ケンドール夫人とメリックがロミオとジュリエットを交互に暗誦し、ケンドール夫人が 「あなたはエレファントマンじゃない、ロミオよ」といってキスする場面などいたるところで泣けてしまう。 彼女は同情などではなくメリックの人間性を見抜いての行動で敬意が感じられるし、彼を助ける外科医が自分の行為を省みて苦悩するのは誠実な証だと思う。少なくともアン・バンクロフトとホプキンスの演技からはメリックに対する偽善や偏見は感じられなかった。メリックは辛い人生を送ってきたが初めて人として認められ、安らかな時の中で教会の模型を作り上げて自分の生きた証を残した。きっと思い残すことなく人生の幕を閉じたのだと思う。
【キリコ】さん 8点(2004-10-19 20:45:26) (良:1票) |
21.モノクロ作品だったので古い作品かと思っていたらそうではなかったんですね。人間の容姿の醜さなんて問題ではないそれよりも心の醜さの方が比較にならないぐらいに愚かであるということを学ばせてもらった作品でした。 |
20.初公開時には大変感動したのですが、その前後のD・リンチ作品を観るに連れどんどん印象が悪くなってきたのです。リンチはジョン・メリックを「man人間」ではなく「creature生き物」として捉えているような気がしてならないのです。 【nizam】さん 8点(2004-03-30 18:31:41) |
19.観たのはもう十数年前だが、ジョン・メリック…この名前を今でもフツーに覚えているということは、自分にとってこの映画がいかにショッキングであったかを物語っている。寒々しいモノクロのトーンに漂う悲しい雰囲気は忘れられない。マクロの視点では黒煙や汚水に象徴される産業の発展の中で、人間が人間として大切なものを見失っていく時代を背景に描き、ミクロの視点ではメリックを囲む人々の優しさと残酷さをオーバーラップさせて描く。“異端のもの”を突きつけられた時を考えると、その自問自答に答えが見つからない。メリックは、「可哀想」とか「不憫」といった感情を超越した存在として、監督の真実を問う姿勢がズッシリと心に響く。ちなみに、私も(?)長い間ホラー映画と勘違いしており、主人公は殺人鬼だと思っていた…。すごく純粋な人だった…。 ゴメンナサイ。 【やすたろ】さん 8点(2004-02-24 22:25:22) |
18.公開当時、友人が「気持ち悪いけど感動する」と言っていた。奇形のエレファントマンを通して、人間の心の奇形をあぶり出すとともに、観客の心まであぶりだす。観終わった後に、観客はジョンが初めて鏡を見た時のような気持ちを味わう。人間の心の醜悪さを描いた映画で感動は出来ない。ジョンが欲しかったものってFriendだったのかな。 【亜流派 十五郎】さん 8点(2003-11-18 21:16:11) |
17.イレイザーヘッドなんかより映画としては100倍はいい。しかし、大衆受けしてしまう分、マニアック度が失われてしまった。 【たましろ】さん 8点(2003-10-30 22:30:23) |
16.いろいろ考えているうちに泣けた。 【ロカホリ】さん 8点(2003-10-19 15:22:07) |
15.まずはこれがリンチ作品だとかの以前に実際にあったことだったと言うことに同情する。この映画を見れば我々「普通の人間」の心がどれだけ汚いかが理解できる。監督はこの「普通の人間」の汚さを上手く描写している。アルコール依存症の見世物興行師の多少ブルブル震えた様な上手い演技。興行師はエレファントマンを強引に働かせながらも、どこかで彼の醜い姿の「悲惨さ」に疲れ、見に来る一般大衆の「汚い好奇心」に飽きれ、そしてそれで「金商売」をする汚い自分自身に嫌悪を感じて酒を飲み続けている・・・そんな哀しい世界観も読み取れる。「奇形は不気味」だとする映像表現、音楽も前提にあり、エレファントマンを前にして驚く人達の描写も興味深い。イジメ描写がとにかく凄くって、これが映画だと思うとおもわず笑ってしまったシーンもある。終始に、とことん惨く絶望的な世界観の中、エレファントマンが神について語る純粋さは感動を与える。この映画は、どこか日本人発想的な哀しさを感じる。エレファントマン以外の登場人物に視点を映して考えてみると「差別はしてはいけない」、「見世物はいけない」と言われている世間で、人間の持つ基本的な「差別心」、未知に対する「好奇心」、「金欲」をリンチ作品が見せつけて問い掛けている作品だとも考えられる。 【2003】さん 8点(2003-01-04 12:04:51) |
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14.悲しすぎて二度と観たくない作品だったのでストーリーあまり覚えていません。 |
13.おっさんにはむかついた。ジョンメリックを見世物にするなんて。思えば、ジョンメリックを演じてたのはアンソニーホプキンスだったんですねぇ。 |
12.リンチはやっぱすごいです。こーゆーテーマで何かを表現しようとした時どうしても作り手の価値観が大衆を意識して歪められてしまうと思うのですが…そこはやっぱリンチでした。好きな映画の一つです。 【やなぎ】さん 8点(2002-09-17 07:03:01) |
11.産業革命後の煤にまみれた街や人をモノクロ映像で捉える事によってリアルな時代背景を醸し出す事に成功している。同時に奇形の主人公をカラー映像で見せる事によるホラー映画への傾向を払拭する事にも良い結果となっている。デビッド・リンチ監督作としては「ストレイト・ストーリー」と並んで異色の正攻法映画。 【支配人】さん 8点(2002-08-17 21:37:36) |
10.トラウマ的要素を持った映画の代表格。後味が良い映画ではないが、人間について色々な事を考えさせられる映画。一部で言われてる「あざとさ」は、自分は特に感じなかった。 【鏡に萌え萌え】さん 8点(2002-04-17 04:59:56) |
9.まぁ~俺的には とても悲しくて切ない映画ですよね。「自分だったら何がしてあげられるのだろう」って本気で考えました。アンソニーホプキンスが精一杯できる限りの事をしてくれたことがせめてもの心の救いです。ありがとう。 【東京JAP】さん 8点(2002-03-31 02:57:52) |
8.これが実話だとすれば、この映画を作って金を儲けること自体が、見世物小屋と全く同じ発想なので、この映画は作るべきではなかった。 【死亀隆信】さん 8点(2002-03-19 22:30:31) |
7. 差別という命題を直視している 【ハマハマ】さん 8点(2002-02-26 17:35:02) |
6.デビッド・リンチの映画のわりには、話もわかりやすく、ドラマチックな内容、しかしやはりリンチワールド。観てて気分悪くなってしまった。個人的にはラストが好きですね。城を完成させて、宇宙からお母さんが、、、、、完成度は高い。あれだけたくさんアカデミー賞にノミネートされていて取れなかった理由もわかる。 【あろえりーな】さん 8点(2002-02-23 09:23:25) |
5.色々考えさせられた作品である 【SYU】さん 8点(2001-11-08 20:45:16) |