1.《ネタバレ》 人間としての誇り、本当の気持ちというものを木下恵介監督らしく訴えかける作品になっている。息子に兵隊同士、子供同士は戦友なんだから父親同士も喧嘩ばかりしたりしないで仲良くしてほしいと訴える。戦友として生きてほしいと願うそんな気持ちに応えようとする父親として息子に対する思いとラストの息子を見送る母親の悲しみとが切ない気持ちにさせられる。田中絹代演じる息子を思う母親としての思い、息子が上等兵として出世した時の喜ぶ顔とは裏腹な戦地へと送り込まれて行く息子を見送る表情との差がこの映画を物語ってる。木下恵介はこの映画の中に生きること。戦争に対する憎しみを声に出して叫んだりはしない。映像と俳優の演技と表情だけで訴えようとしている。一時間半にも満たない短い時間の中で親の気持ちというを戦争に対するやるせなさの中に描き出しています。これもまた木下恵介監督の代表的な映画としていつまでも残る作品になることでしょう。
【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-07-26 21:45:19) (良:1票) |