《改行表示》 5.《ネタバレ》 上映当時は見ておらず、衛星放送が始まった直後くらいが初見だったが、昔の怪獣映画など期待して見ても落胆させられる場合があることを初めて思い知らされた映画だった。 まず一応褒められる点としては、ミニチュアセットの中で小さい車両を動かすのにこだわっていたことである。また怪獣のデザインも未来的で、外見だけ見れば「宇宙大怪獣」にふさわしい。しかしこの怪獣が変にオーバーアクションで、鳴き声もBGMも単調でやかましいのは評価を落とす。ストーリーに関しても、特に人類の火星到達を阻止しようとした勢力が何だったのかわからないまま終わってしまい、せめて登場人物の台詞で“宇宙にはまだわからないことが多い…”くらい言わせないと最後が締まらないだろう。 一方で登場人物としては、主役のオヤジじみた男、香港映画にでも出そうな通信士、可愛くない外人女性、わがままいっぱいの外人医師など全てが魅力に欠けている。特に主役は和洋で両手に花状態になるのが極めて不自然に思われる容貌だが、まああまりこの人の悪口を書いてしまうと「ミラーマン」<TV>(1971~1972)の村上チーフに対して失礼ということになるので自粛する。 劇中でかろうじて好意的になれるのは日本人ヒロインであり、見た目はわりと地味だが外人女性に比べていかにも若々しく(撮影当時は17歳程度?)、またすらりと背の高い人のようで外人女性に負けておらず、日本人の男連中が低身長に見える。この原田糸子さんという人は女優としての活動期間が短かったようだが、この映画のほかには「レモンのような女」<TV>(1967)の第6-1話(佐々木守脚本、実相寺昭雄監督)で主演しており、昭和特撮ファンにとっては少し重要人物かも知れない。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 4点(2014-01-06 23:46:23) (良:1票)(笑:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 心底氣に入ってしまい通算6回観て6回泣いてしまったゴジラ/-1.0。本日はマイナスカラーを観てまた泣いて、レビューしようとしたら当サイトにこの【ギララ】という作品の変更を書いた方がおられて。何氣なく動画検索したら当該作品があげられてたので、私が幼児期に制作されたこの作品を謹んで拝見しました。 うーむ。これは凄い(絶句)。 G/-1.0/cで流した涙をさし置いてでもこちらのレビューを書きたくなってしまいました。この堪え性の無さは年のせいかしら。 ストーリーやら主題歌やらは他のレビュワーさんに追従しますが。なんかあの、エービーガンマとかいう宇宙船ってどっかの観光地の遊覧船にありましたよね?ああいう形。乗組員も氣楽に椅子をくるくる回して会話したりバインダーのメモ用紙をすっ飛ばして慌てたりと楽しげ(制作スタッフは安全な宇宙船航行は観光地の遊覧の延長と考えてたんでしょう)。月面基地もさ、どっかの観光ホテルか旅館みたいですよね。通信室はフロントみたいな作りだし木造の風呂とか。基地には飲み屋あるしダンスしましょ?なんつってくつろぐし。指令室ではタバコ喫い放題。コーヒー無料(制作スタッフは安全な宇宙基地での寛ぎとは社員旅行でホテルや旅館で休息する感覚なのでしょう)。そんなこんなの楽しい宇宙バカンスに本編の50分近くも費やされてもう何の映画だかわけ解らなくなったタイミングでギララ登場。 登場するとき、箱根の火山(?)の炎と煙に巻き込まれて熱そうだぞギララ(笑)。 で、怪獣なので登場したからには取敢えず暴れて町を壊すんですが、可愛い顔つきもあって何か、子供が駄々こねるみたいな破壊。 戦闘機も戦車も、ドえらい数量を次から次へと投入する自衛隊。もちろん怪獣には通常兵器は通用せず。 あっ!ギララがタンカーをぶん投げた!。山崎監督はここをG-1.0でパロったか!?…んなわけは無いか。 ああっ!戦闘機がギララの頭部に特攻した!!。山崎監督はここを(以下自粛)。 あとはもう、なんだっけ?【ギララニュウム】。ってカタカナ書きされた箱を持ってジープで疾走して逃げる隊員と、それをよこせとばかりに追いかけて迫るギララの爆走。 ここね、怪獣に追い詰められる恐怖の場面だと思うんですけど、なんか昔のコントであった【おまわりさんと泥棒】みたいな構図で撮られてるので思わず爆笑してしまう迷場面になっちゃってんですよ(笑)。もしご覧になられるならここのシーンは【ハチャトゥリアン : 剣の舞】をBGMにしながら見ると絶妙に合います(笑)。 けっきょくなんだかわからないけれどギララはスムージーみたいになって。 さらに何だかわからないけどラストは、なぜか金髪姉ちゃん隊員が日本人のお姉ちゃん隊員に負けたわとか言って角刈り男の隊員に失恋して、 【終】 でした。 いや待て。なぜこの映画の〆が失恋話になるのよ(―▽ ̄)?とか言ってはいけないかも知れない雰囲気。(笑) いやいや、正直言うと、月面基地の宴会(20分経過)時点から2倍速で見て、それでももうおなか一杯でした。 G-1.0の後に観たという間の悪さ。 でも、【自分の意に反して観えてしまっただけの映画】というには相応しい。和める作品でした。あー面白かった。当サイトの採点基準、(なかなか面白い作品。 他人に薦められなくもない。)の7点を献上させていただきます。 どことなく【男はつらいよ】の雰囲気あると思ったら同じ制作会社と知り、二度楽しめましたとさ。 【役者の魂】さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-01-15 21:35:05) (笑:1票) |
3. ホームドラマを得意とした老舗、松竹が、柄にもなく時代に乗せられてつくっちまった怪獣映画。たしかに「場違い」もはなはだしい。しかし、いずみたくのお気楽な音楽といい、深刻さに欠けた緊張感のなさ、どこかちゃちな特撮は、松竹ブランドと言えるところ。そんなわけで、これは断然レアものだ。くわえて「この手のマニア」のはしくれであるかもしれん私にとっては、嬉し懐かし、「おもひで映画館」もの。なので、最低7点は与えておかなければならぬ。そしてこれと比べてみれば、東宝怪獣映画群の、あの本多猪四郎の誠実一路の演出、あの伊福部明の音楽のどす黒い暗さが、よけい引き立ってみえてくるだろう。 【goro】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-05-01 03:22:25) (良:1票) |
《改行表示》 2.へちょへちょ星人さんのおっしゃる「この手のマニア」がどの手なのかがよくわからないのだが、 今だになぜか「ち~きゅうー、ぼくたちーのほしー」とこの映画のテーマが口ずさめる僕はその手なのだろうか.... という疑問はさておき、東宝のゴジラ、大映のガメラに対抗するべくブーム便乗で製作された怪獣映画が、 松竹のギララと日活のガッパ。その様はまるでかつてのビールのドライ戦争を彷彿とさせる。 で、ドライ戦争が結局アサヒの一人勝ちに終わったように、付け焼刃的に作られた ギララやガッパはそんな映画あったんだー?くらいの映画になってしまったわけだ。 主人公(?)のギララ、正面からのデザインは嫌いじゃないんだけど、全体的な形としては尻尾がないのが 致命的。しっかりした尻尾があったらもうちょっとかっこよかったと思うんだけどなぁ。 それで映画自体が面白くなったとはいわないが... 【あばれて万歳】さん 4点(2004-01-15 11:58:17) (良:1票) |
1.松竹が怪獣ブームの煽りを受けて製作した唯一の特撮怪獣映画。スタッフ&キャストも”地味”の一言であり、東宝と違って「取り敢えずついでに作ってみました~」的な投げ遣りさとやる気の無さが随所に滲み出る怪作としか言い様がない。主題歌を倍賞千恵子ってのも何とも場違いで浮きまくり。後に「男はつらいよ/寅次郎真実一路」の冒頭にギララ出現シーンが使い回され、ソレで本作の存在を知った方も少なくないかも。もうソレくらいマイナー。日活の「大巨獣ガッパ」は親子3匹登場するからまだマシだったが、コイツは一匹だけしか出ない上にゴジラみたいな無敵さを誇るでもなく弱いし、迫力も今イチだし。しかし!この手のマニアは酒の席で話題に乗り遅れない為にも必見と言えよう。 【へちょちょ】さん 5点(2004-01-15 11:10:23) (良:1票) |