5.先日のBS2の放送でようやく観る事ができました。フィリップ・マーロウって、原作では「一人称」なもんで、マーロウ自身の風貌のイメージが掴みにくいんですよね。いやあ、まさかこんなタレ目のオヤジだったとは。いやでもロバート・ミッチャム、これはこれでよいかもしれない。観ててちょっと気になったのが、マーロウの心の声を、独白としてナレーション風に入れちゃってる事。このせいで、なんだかマーロウがやたら饒舌なオジサンに感じられちゃう。でも酔いどれのごとき表情のR・ミッチャムなら、むしろ違和感がナイ! と言う訳で、本作が原作の雰囲気に忠実かというと、ちょっと疑問にも思えるのですが、決してそれば悪いものではなく、逆に言えば、原作と映画がそれぞれに楽しめる、とも申せましょう。原作との違いと言えば、そうそう、アムサーって女性だったのか~! いや、そんな事はどうでもよくて。映画化にあたっては、単純化するところは単純化し、盛り上げるところは原作以上に盛り上げ(特に後半、思い切ったアレンジですな)、それでいて、原作のセリフをしっかり映画の中にちりばめてみたりするサービスもあってニヤリ。「アン・リアードン」という重要キャラをばっさり切って、「トミー・レイ」なる人物のエピソードを軸のひとつに設定することで、よりハードボイルド色が強められています。上手いです。長い映画ではありませんが見ごたえありますね。あと、脇役出演のスタローン若き日の姿も要チェック。 【鱗歌】さん 8点(2004-08-28 00:34:44) (良:2票) |
4.ロバート・ミッチャムのフィリップ・マーローは、原作のイメージからだといささかクタビレ過ぎかも。ただ、だからこそこの、メロウでハードボイルドな世界にぴったり溶け込んでいるんスよね。ディマジオの連続安打記録更新だけを楽しみにしつつ、醜悪な社会の闇(=病み)へと踏み込んでいく探偵マーロー。『三つ数えろ』のボギー以上に、その「諦観」をにじませたミッチャムの存在感に魅せられました。そして、シャーロット・ランプリング! この美しき”ビッチ”な悪女役こそ、彼女のキャリアのなかでも最も輝いたものじゃないでしょうか。どうも忘れ去られた映画のようだけど、1970年代に作られた探偵映画としちゃあ、『チャイナタウン』に優るとも劣らない名作だと、小生信じとります。あのシルベスター・スタローンも、頭の悪そうなツラしてチラッと出演しているしね! 【やましんの巻】さん 9点(2003-12-05 18:09:32) (良:2票) |
3.何度観ても「うん、うん」と頷いてしまうような映画です。原作ファンとして、文句の付け所が一番少ないマーロウ物と言って良いでしょう。まあ、本来ゲーリー・クーパーをイメージして作られたフィリップ・マーロウというキャラに、ミッチャムは少々どん臭い感じが否めない、という泣き所はあります。しかし、この後もう一本『大いなる眠り』をミッチャムで撮ったわけですから、本国でも概ね好評を持って迎えられたんでしょう。原作は元々短編を長編に引き伸ばした話なので、途中で少々無駄な部分も感じるのですが、この脚本は大筋を変えずに綺麗にまとまっていて破綻を感じません。鮮やかな色を出すためにわざわざフジカラーフィルムを使って撮影した夜のネオン街も、退廃的な雰囲気を醸し出すのに一役買っていて良い感じ。原作の乾いたセンチメンタルを、もう少しだけウェットにしたような、すばらしいハードボイルド映画だと思います。また、若き日の端役の頃のスタローンが見られるのは、嬉しいオマケと言ったところでしょうか。www 【TERRA】さん [ビデオ(吹替)] 8点(2007-06-18 07:25:38) (良:1票) |
2.この何とも言えない倦怠感!イイっす!チャンドラーの魅力ってあの文体にあると思うので【鱗歌】さんご指摘のナレーションも雰囲気作りに一役買っていたように思います。ちょっとズルしてる気がしなくもないですけど。そしてああ、大鹿マロイ。悲しい結末なのに彼のキャラは何故か私たちを優しい気持ちにさせてくれます。ストーリーは端折ってアレンジしてなのでちょっと唐突と言うか、原作を知らない方には入り込めない部分があるかもしれません。なので評価の別れ目は雰囲気に浸れるか浸れないかって所かな?私は思いっきり浸りました。それにしてもハリー・ディーン・スタントンは全然わからなかったなぁ。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2005-03-11 12:24:55) (良:1票) |
1.バレバレのネタが見てすぐ転がってるけど、そこがいいんだなこの映画は。聞き取りにくい声でいつも眠そうな目のロバート・ミッチャムは美女を前にするとちょっとだけ目が開くんだよね。 【mimi】さん 8点(2004-01-26 23:43:19) (良:1票) |