《改行表示》 9.《ネタバレ》 6作目。冒険活劇としてうまくまとめてあり高得点。 いたるところで辻褄が合っていなかったり、幼稚な設定で突っ込みどころ満載なのだが、テンポのよいストーリー展開と軽妙なセリフの掛け合いで最後まで一気に楽しめた。 準主役の外人のグレンが、アメリカンな乗りのいい演技(納谷悟朗の絶妙な吹き替え)でハリウッドっぽく仕上がっているのが非常によい。主演の宝田明も、グレンとの掛け合いのアメリカンな演技でぴったりマッチしていた。 無理に子供向けを狙ってはいないが、子供が見ても判りやすいし、特撮のカメラアングルも迫力重視で多少ワイヤーが見えても気にしない感じで、のびのび作った感がある。 ゴジラの顔がかなり可愛くなって、動作もコミカル、特に宇宙に運ばれる時の尻尾を丸めた姿は非常に可愛く、「ゴジラ」が子供中心の人気キャラになる要素が完成しているし、冒険活劇の中でその事に対する違和感がないのもシナリオの妙。 第1作ゴジラが「名作」であったシガラミから完全に開放され、「怪獣」は出てくるが存在の意味を考える必要がない冒険活劇として完成した「B級名作」かもしれない。 【nobo7】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-07-01 00:59:30) (良:2票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 【X星人の謎】 ①何故地下で生活している。 ②水は黄金より貴重らしいが、さほど不自由しないとも言う。地球侵略の目的は水か。金と水を交換すればよかったのに。 ③というか「質量がどんなに大きくても宇宙圏に運び出すのは簡単」なのだから水も運べたはずだが。 ④ゴジラ、ラドンをわざわざX星に連れて、キングギドラと闘わせるという小芝居をする手間を惜しまないのは、電子計算機の計算によるんだね。 ⑤P1ロケットをコピーしてわざわざ地球人に与える必要があるだろうか。UFOで送っていけばいいのに。技術力の誇示のため? ⑥X星人が殺人音波に弱いのは理解するが、コンピュータまで狂ってUFOに不具合が起こるのはどういう仕組みか。そもそもUFOを防音にしておけばいいだけなのだが。耳栓するとか。もっと言えば、発明家を拘束するとき、持ち物チェックぐらいしておけ。 ⑦殺人音波を出すレディーガードの発明家と契約しながら、代金を支払わないのはどうして。そもそも発明家を拘束すれば済む話だが。世界教育社ってどうよ。 ⑧波川女史がグレンに言う。「あなたがX星人になって私と結婚すればいいの。計算値にでました」でも、X星に行ったら女性の区別つかないんですけど。 ⑨X星人はわざわざ地球侵略の方法を説明してくれている。 ⑩「我々は脱出する。まだ見ぬ未来に向かってな」自爆しなくても、なにか脱出方法がなかったのか。 ⑪地球征服計画を立て、地球に前線基地を置きながら、調査ロケットが来るのをずっと待ってたの? ⑫で、癌の特効薬は? 【地球人の謎】 ①人類全体に関わる話なのに、日本人だけで全部決めてる。 【感想】X星人の電子計算機はろくな答えを出さない。だから高度な知能をもちながらも自滅した。いや、待てよ。あれはもしかしたら高度になり過ぎたコンピュータの反乱?わざとヘタな答えを出して、自滅させる計画。とすれば「2001年宇宙の旅」の先取り?なわけないか。しっかーし、モロ日本人なX星人て、萎えるな。外人も日本語しゃべるし。キングギドラがアメリカに出現、とかいいながら映像は無し。まあいいんですけど。無敵のゴジラが操られるところがマイナス。円盤をやっつけるのはゴジラではないとダメでしょう。子供たちにとっては十分楽しめますよ。特撮も合格ライン。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-03-18 18:37:46) (良:1票)(笑:1票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 まずは冒頭のマーチが勇ましい。 基本的には子ども向け映画だろうが保護者も退屈しないようにということか、男2人のユーモラスな会話とか女優2人の美の競演とかラブコメ風味とか悲恋物語(の断片)を入れてあり、大人が見るのが苦痛というわけでもなく、けっこう幅広い娯楽性を備えた映画になっている。伝統的日本人に比べて外人男の言動があっけらかんとしてドライで、真面目な顔で笑わすようなことを言うのがいい。 X星人は宇宙人でありながらもみな不気味なアジア人顔で、歩き方も特徴的だが特に統制官の手振りが印象に残る。大きな動きは地球人類にも理解できそうだが細かい指の動きなどは意味不明というしかなく、これはまさに異文化の所産というところである。最後の「未来に向かって脱出」という台詞は空虚な負け惜しみ以外の意味が感じられないが、自分が負け惜しみを言う時に真似したいという気にはなる。 映像面ではX星での照明の使い方が印象的で、統制官が意味不明のX星語(グスタrrr、タッ、ブツザッと聞こえる)をつぶやいてから暗転するのは好きな場面である。また、あまり格好いいとはいえない円盤が、湖から水煙を引いて飛び立つところの映像美が東宝特撮らしい。 出演者は豪華というかお馴染みの面々だが、沢井桂子さんという人は特撮方面では珍しい出演者も知れない(ほかには同年の「フランケンシュタイン対地底怪獣」、特撮TV番組「ウルトラQ」第8話)。劇中人物としては可憐で清純そうな女性で、公的な場ではうつむき加減で控え目だが、親しい相手にはそれなりに言いたいことを言っていたようで、態度の使い分けがしっかりしているのが奥ゆかしい。波川女史と2人並んだ場面では引いてしまっている感もあるが、波川女史の応対がこなれ過ぎていて怪しいのに対し、この人の清楚さが際立っているという言い方もできる。 ちなみに最近、水野久美さんの出る「ケアニン ~あなたでよかった~」(2017)という映画を見たが、この映画での「ああ、あの方ね」という台詞で、この女優らしさというのが当時から現在まで継承されていることを改めて確認した気がした。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 6点(2018-04-08 23:27:58) (良:1票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 【三大怪獣 地球最大の決戦:1964年】と共にDVDで観たので投稿します。 私が当作品を初めて観たのは小学生のとき。その頃は夏休みの夕方にフジテレビで、往年の特撮映画を放送していました。【三大怪獣 地球最大の決戦:1964年】の放送の翌日もしくは翌週に観たと思います。その後も放送されるたびに観ましたが、私の中では【三大怪獣…:以下、前作と表記します】とセットになって覚えている作品です。 以下、小学生当時に印象に残っていた場面と今回の再見での感想をお伝えします。 まず、オープニングのテーマ曲は、小学生当時から印象に残っていました。ずっと当作品用のオリジナル音楽だと思っていたのですが…後年に第1作目のゴジラ(1954年)を観て、↓の【アンドレ・タカシさん】と同じように、実は1作目で使われていた曲だと知りました。しかし、多くの方々がこの曲を聞いたとき、当作品を想起するのでは…と思います。そして「ボリュームを最大に上げて鳴らしていただきたいのです」という緊急放送と共に始まるクライマックスで、再び、この曲が流れます。小学生当時からワクワクしたものですが…それだけに【シン・ゴジラ:2016年】のクライマックスで、この曲が流れたときには、グッとこみあげるものがありました。今回の再見でこの曲を聞いたときは【ワクワク】と【グッ】の両方を体感させていただきました。 次に、エックス星で、ゴジラ・ラドン・ギドラが戦い、最後にゴジラが【シェーッ】をする有名な場面について。かつて、私は【シェーッ】を知らず、単に『ヘヘッどんなもんだい!』と得意になっているポーズだとばかり思っていました。後年に知り、ようやく今回の再見で「確かにシェーッだったんだ!」と、記憶と知識を整合できて良かったです。 その次は、正体を明かした波川女史が、ネガフィルムのように変化して消滅してしまう場面について。小学生当時から衝撃的でしたが、今回の再見で、まさに【存在を消し去る】という意味で、流血を伴うよりもセンスのある映像表現だと思いました。そして「あなたの監視役を続けているうちに、あなたは計算(機)以外の人になったのです」と言わしめる波川女史とグレンとの温かい交流が、映画の前半にもう少し描かれていれば、一層、この場面が、悲恋の名シーンとして盛り上がったのに…と思ったりもしました。 さらに統制官の「我々は未来に向かって脱出する!まだ見ぬ未来に向かってな…」は、小学生当時から強烈に刻み込まれていたのですが、他のレビュアーさん達にとっても、良くも悪くも印象深いようで…やはり名(迷)台詞なのかもしれません。 最後に、後半の怪獣登場のシーンについて。かつては気づきませんでしたが、【前作】には、日本の怪獣映画の定番ともいうべき自衛隊と怪獣との攻防シーンがありませんでした。それを盛り込んだ当作品は頑張っている!と思った一方、突風で建物や車が吹き飛ばされる場面には、他のレビュアーさん達もご指摘のように、【空の大怪獣ラドン:1956年】や【モスラ:1961年】からのカットが流用されていました。手抜きと言えばそれまでですが、同じような場面をゼロから作る手間を考えれば、これも一つの方法論と言えるかも…と思いました。ちょっと、ひいき目すぎるかもしれませんが…。 さて、採点ですが…冒頭でお伝えしたように、私にとっては【前作】とセットでインプットされている作品なので、悪い印象は持っていません。ただし、大人の視点で観ると、他のレビュアーさん達もおっしゃる通り「ギドラを操るほどの科学力があるなら、最初から地球に来てゴジラとラドンを操ってしまえば良かったのでは?」とも思えます。ギドラ自体も“操られていた”という設定だと、【前作】の「金星を滅ぼした凶悪無比の宇宙怪獣」というステイタスが揺らいでしまうかな…ということで、【前作】よりも1点を減じて9点とさせていただきます。 それでも、今回の再見で【前作】と同様、私の中に眠っていた【無邪気なガキの心】を蘇らせてもらい、少し元気になれたように思います。さ~て、今年も頑張ろう!。 【せんべい】さん [DVD(邦画)] 9点(2018-01-11 21:36:41) (良:1票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 怪獣映画に、宇宙人による侵略ものをミックスした作品。あくまで対X星人がメインで、怪獣は一歩引いた形になるのですが、それでもかなり面白かった。「電子計算機に支配され、命令を聞くだけ」というのは現実世界への風刺なのでしょうが、それを味付け程度にとどめて基本的に娯楽作品に徹したのがよかったです。 関沢新一の脚本は、アメリカ調の明朗快活なユーモアが持ち味のひとつですが、前作『地球最大の決戦』あたりから、その扱いが変わってきているようです。笑いの要素を人間でなく怪獣が受け持つようになってきました。前作なら、ゴジラとラドンの間での岩の投げ合い・それを見るモスラという場面が典型でしょう。ぬいぐるみ自体も目がクリクリ動くようになったりと、表情豊かになっています。本作では抑えられていますが、X星で目覚めたゴジラが伸びをするあたりにおかしみが感じられます。ゴジラの「シェー!」もその路線として出てきたものでしょう。これらは一般的には「子供向け」と捉えられているようですが、それは少々違うと思います。あくまで笑いを取る「ユーモア」の要素を怪獣が表現しているのです。もっともそのため、怪獣が「お芝居」をするようになった結果、人間くさくなって怪獣が持っていた脅威や巨大さが薄れたのも事実でしょう。しかし円谷英二監督としては、怪獣を単に「出てきて暴れる」存在ではなく、演技をつける「役者」として捉えていたのではないかと思います。 閑話休題。本作はメインの出演者にゴジラ映画初登場の方も多く、水野久美・沢井桂子の2人は共に魅力的。ニック・アダムスも、陽気なアメリカ的演技が本来シリアスな物語の中でいいアクセントになっていたと思います。やっぱりこの頃の東宝怪獣映画は、問答無用で面白いです。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-09-15 08:00:46) (良:1票) |
4.伊福部昭氏が作ったゴジラ音楽のなかでは、この作品のテーマである怪獣大戦争マーチがいちばん好きだ。日本の怪獣映画を旋律とテンポで表現しきっています。でも、最近知ったことだけど、このテーマはゴジラ第一作ですでに使われていたりしますね。前作に続いて登場のキングキドラは、今作の方が良く動いていたと思う。SF作品として、当時としては頑張って特撮していた方なのだろう。ちなみに「2001年」が公開されるのはこの作品の3年後。ラドンが暴れるシーンに「空の大怪獣ラドン」の映像が使いまわされていたような…。悪しき慣習がこのときに始まったのかも。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 6点(2008-11-18 23:40:18) (良:1票) |
3.昭和のゴジラシリーズの中でも一際完成度の高い本作。人類対X星人といった趣があり、肝心の怪獣ドラマが薄れてしまったような気もするが、「地球防衛軍」や「宇宙大戦争」で描かれた宇宙ドラマをゴジラ映画に取り込んだ姿勢は評価すべきである。また、軽快に展開される宝田明とニック・アダムスの掛け合いや、X星人・波川の悲恋物語、街のしがない発明家の意外な活躍、そして統制官のラストの名台詞など、ここまで人間ドラマが際立っているゴジラ映画は珍しい。そして、冒頭からギンギンに流される「怪獣大戦争マーチ」は映画史上に残る名曲。至れり尽くせりのゴジラ映画だ。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-04-24 06:54:36) (良:1票) |
2.えーっと、これは昔、小さい頃テレビで観た記憶がありまして、そんときの印象はイマイチってな感じでしたんで、子供の時の記憶やし、あてになんないと思い再見してみれば、やはりイマイチでした。ゴジラがシェーッをした時点で、かなり見る気がうせました。人間的な動きを怪獣にされると、怪獣がキグルミに見えてしまって、いや、実際キグルミなんやけど、少なくともこっちは怪獣だと思い込もうとして、映画にノッテいこーとしてるのに。もう、その後は宇宙人もサングラスかけた、ただのおっさんにしか見えへんし、その他の怪獣映画にはかならずある粗も気になりだして。ただ、キングギドラはやっぱり格好いいです。それと人間ドラマ部分はほほえましくて、そんなに嫌いじゃなかったです。 【なにわ君】さん 3点(2004-10-03 02:48:39) (笑:1票) |
1.《ネタバレ》 衝撃的な第1作から徐々に対象年齢を下げる一方だったゴジラ映画が決定的にお子様向けにシフトしたターニング・ポイントとも言える作品。作中、我らのゴジラが披露するのは何と「シェー!」のポーズ。と言っても若い方には何のコトやらお分かりになるまい。当時、子供に大人気だった赤塚不二夫の漫画「おそ松くん」に登場する”キツネ目に出っ歯”で「ミーは~ザンス」が口癖のキャラクターがいた。その名も「イヤミ」!!彼が頻繁に見せる驚きのポーズ、それが「シェー!」なのだ。どんなポーズかって?え~つまり片手を頭上にかざしつつ、もう片方の手を腹へ、更に片足をヒョイと上げ…って字で説明しても全然訳分からん!!と、兎に角”百聞は一見に如かず”本作のゴジラ君の勇姿で御確認あれ。おっと、点数は色っぽい波川女史にオマケして6点。円谷英二特技監督ご免なさい…。 【へちょちょ】さん 6点(2003-11-20 01:14:06) (笑:1票) |