5.”残酷”とはついているが特別に残酷な描写はほとんどない。ドキュメンタリー風にまことしやかに撮られてはいるが、相当嘘っぽい。例えば日本では、肉牛にビールを一日何リットルも飲ませ、その上飼育係が牛の体を丁寧にマッサージしていい肉をつくるといった描写が出てくる。確かに牛にビールを飲ませることもあるだろうが、日本の飼育係が全員編み笠をかぶって牛をマッサージしているという時点でこの映画のノリがわかる。映画全体を通じて自国の文化が至上のものであるという認識が非常に強く感じられ、どちらかというと劇中の奇習よりも、裏でずいぶんと棚に上げられている”自国”(イタリア)の文化に対する認識の方に興味が引かれた。この監督がイタリアの文化をこのタッチで撮ったら面白いシリーズものになったと思う。そのときは「タコペッティ」名義で出して欲しい。 【おしりはばとび】さん [DVD(字幕)] 2点(2005-06-06 00:06:21) (笑:1票) |
4.まったく対照的な文化を続けて観せるのは面白いです。犬を食べる台湾と犬を人間のように埋葬するアメリカのコントラスト。後者の映像では生きている犬がその墓におしっこをひっかけたりして、「犬からすれば人間が何をやっているのかわからないでしょう」って、すごい皮肉だなあ。人の営みの不思議さ、滑稽さを見せつけます。 ただ、映画としては普通につまらないです。酔っ払いやフラダンスのシーンなど、なんらかの効果を狙ってのことなんでしょうが、それ以前に退屈です。おまけに、全体的に胡散臭すぎる。ドキュメンタリーっぽく撮るならそれはそれでいいけど、あまりそれが上手いとは思えません。しかも少数民族やアジア人をバカにした描写が多すぎ。嘘ならなんでもOKなんでしょうか(「東京温泉」って何だ?)。差別意識ばりばりの胡散臭いものを出し物にする、昔の見世物小屋みたいな映画です。 作中で嘲笑されている芸術家イヴ・クラインは、お気の毒に本作の鑑賞中に心臓発作で亡くなったそうです。ヤコペッティには、撮る対象への侮蔑、差別意識があります。この人に「人間は愚かだ」式の説教をされたくありません。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 3点(2005-05-02 13:47:52) (良:1票) |
3.以前に見つけた「不滅の映画音楽」というCD。「風と共に去りぬ」「第三の男」「ゴッド・ファーザー」「スティング」などの名画に混ざって、なぜかこの「世界残酷物語」のモアが収録されていました。「これが不滅の映画(名画)!?」と驚いたのですが、少し考えて答えは出ました。確かにこれは不滅の名画です。“モンド映画”の。題名は凄まじいものですが、内容はそれほどすごく残酷ではありません。残酷さなら他のフィクションのホラー映画のほうが勝っています。ただ、“悲惨”という意味では、ちょっと凄いかも知れません。実際、この中に収録されているものの大部分はヤラセでしょうけど、ヤコペッティはただそう云うものを見せるだけではなく、「なんともやりきれない」という題名を付けることで「俺たち人間のやってることってのは本ッ当にバカだねぇ。俺たちって、何なんだろうねぇ」と皮肉っているようにも思えます。まあ、ヤコペッティ氏が本当にそんなこと考えていたかどうかは判りませんが(笑)。ただ際物と切り捨てるには惜しいようなものではあるとおもいます。 |
2.★見た理由:テーマ曲の「モア」が好きだったから。 ★流血シーンが苦手な私にとって、イタリアの血まみれ祭は見るのが辛かったが、キツいシーンはここだけ。お薦めは「女だけの水難救助退会」。世界のいろいろな生活習慣が紹介されているので、社会科の教材としてお薦めです。(嘘) 【flyhigh】さん 5点(2004-11-30 17:15:36) (笑:1票) |
1.事実とフェイクをまぜるやり方って確かにありますよね。ジョアン・フォンクベルタなんてそうですし。ボクは結構笑えたなぁ。コメディですよ。滑稽な文化対比がすごく面白い。これは、こういう題名してるから気色の悪いセンスゼロの映画と思われるかもしけないけど、まぁ確かにグロイところもいつくかあるけど、基本的にそういうのを見せるだけが目的の映画ではないと思いますね。たぶん、人間て何だろう?人間の営みとは何だろう?みたいなことをヤコペッティなりの見せ方で提示してるんだと思いますね。その必然として「残酷」があるわけですね。 【あろえりーな】さん 6点(2004-05-15 00:29:22) (良:1票) |