6.今回の趣向はモノクロ無声映画、ということで、カウリスマキ作品にしては、登場人物がわりと表情らしい表情を見せたりもしますが(特に最初の方の「幸せだった頃」の描写)、それにしても顔ぶれは相変わらずで、フィンランドには他に俳優がいないのか!と言いたくなったりも。 もっとも、そんな事言ってたら、かつでの日本のやくざ映画など、もっとひどかったんですけれども、しかしそれにしたって、もうちょっとそれらしい女優さんはいるでしょうに(失礼)。 という部分では、やはりこれはカウリスマキ作品。ちょっと戯画的。 農村で幸せに暮らす夫婦の平穏な生活が、そこにやってきた怪しいジジイのため、崩れ去ってしまう悲劇が描かれます。古き良きものが失われていく様、とも言えるでしょう。 ラストではあの優しかった夫が、オノを持って復讐に立ち上がる。『SISU/シス 不死身の男』ってな映画が最近ありましたけれど、フィンランドではオノとかツルハシとかが標準的な凶器なのでしょうか??? 無声映画ですが、やはり「歌」は落とせないようで、歌い手が歌う場面では音が取り入れられています。またいくつかのシーンでは効果音もあり。だけど基本はサイレント映画路線なので、ほとんどのシーンには音声のセリフの代わりに音楽が当てられており、この音楽が、なんとまあヒネていること。ここばかりはかつてのサイレント映画を模擬しておらず、やけにスパイシー。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2025-05-03 12:23:41) 《新規》 |
5. 世紀末に作られたトーキーだけに、電子レンジやエレキギターが映るシーンに違和感を感じる。効果音は普通に聞こえてくるし。 実験的に作られた映画だと思うが、それ故、一般のフィンランド人の感性がイマイチ掴めなくなってくる。若いのか、年なのか? デブなのか、痩せなのか? 美人なのか、ブスなのか? その下手な演技は天然なのか、計算なのか? 日本人には伝わってこない部分が多々あるように思う。 それに、どっかで聴いたことがあるBGMに、どっかで観たことがあるシーン…。 長々とケナしているように書いてしまったが、でも、どことなく憎めない映画だった。 自主製作映画を作る人たちが集まって鑑賞すると盛り上がると思う。 【クロエ】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-01-18 05:15:00) |
4.あまり、好きになれないかも……。第一あのヒロイン、あまりにもアホ過ぎて同情する気になれない。しかも、あまり可愛くない。ユハがどうしてあんなに彼女を愛していたのかが分からない。ユハもお人好しで怪力である以外のキャラクターがよくつかめないし。『浮き雲』では小さなエピソードを積み重ねることで観客を自然と物語内に導いていたと思うのだが、本作は短いためかその点不十分だった(感受性が鈍いといわれればそれまでですが)。主人公二人に感情移入できないままに悲劇を描かれても感動できない。ラストシーンは某有名作品のパクリ(オマージュ?)であることがわかり、さらに冷静になってしまった。可憐な白い花が踏みにじられるように、夫婦のささやかな幸せもいとも簡単に壊れてしまう――あらすじだけなぞると好きなタイプの作品に思えたのだが、上記の理由で面白く感じられなかった。ただサイレントである分、音楽が雄弁すぎるくらい雄弁なのが印象的だった。おかげでかえってカウリスマキ作品の割には派手な演出に感じた。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-12-23 00:51:26) |
3.今の時代に敢えてモノクロ&サイレントの映画を撮るには相当な自信がないと出来ないんじゃ…。かえって今撮るモノクロ&サイレントだからこそ、その向こう側のリアルなカラーと気配を感じた。最近の映画は人がべらべらしゃべって成り立ってるんだと改めて思い知らされた感じ。映画なんだから画で魅せりゃいいんだよね。紅の豚と同じ音楽が流れたシーンでやっと人の声が聴けてちょっと嬉しかった。 【kaneko】さん 6点(2004-04-04 23:15:18) |
2.アキ・カウリスマキは大好きだけど、この映画はきつかった。おなじみのおばちゃんも流石にきびしい。公開当時のインタビューではたしか、サイレントかつモノクロという手段は、映画にストーリーとりもどさせる為だとかいうような意味のことを言っていて、なるほどと期待して見たのですが、結果がこれでは、、、。 【コーラL】さん 4点(2004-02-09 20:11:25) |
1.モノクロの無声映画。カウリスマキの映画に出てくる人はみな無表情だからこういうのにぴったり。公開時は字幕だけで見て、弁士付で再見。やはりこのくらい説明がないと現代の人間にはわからないなあ。 【イリス】さん 7点(2003-11-02 15:48:24) |