4.アステアとロジャースのコンビがいて、気のいい相棒がいて、ライバルがいて、三角関係(あるいは四角関係)があって、もちろん華麗なダンスがある。もう最高ですね。ウチの子供たちもアステアのダンス映画はお好きなようで、私が観てると横に来て見入ってますが、ジャッキーチェンのアクションを楽しむように、アステアのダンスを楽しんでるみたいですね。ストーリーは例によって他愛無いと言えば他愛ないのですが、アステアがロジャースと組んで、まずヘタクソなダンスを見せたと思えば次には華麗に踊って見せたり、あるいは奪われかけたバンドを賭けで取戻したかと思えば、また賭けですべてを奪われたり。あるいは反復される、ズボンの折返しネタ。こういう、振り子が振れるような行き来をストーリーに織り込み、おどけて見せながら、クライマックスでは主演ふたりが誰もいないホールでダンスを繰り広げ、カメラも素晴らしいクレーン撮影でこれを追いかけるのが、まさに圧巻。楽しさに満ち溢れた作品です。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-04-09 22:57:37) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 このコンビの映画ではこれが一番好きなの。変化球のようでいてちゃんとツボを押さえているとこ。趣向が凝ってる。アステアの結婚式から始まるが、相手はロジャースではない。そうだったら話が進まないけど、こう始めて話を収められるのか、と観客は興味津々。ロジャースとの最初の出会いはツンツンしているという定型を踏む。そこらへんの「外し」と「定型」の揺らし具合がシャレてるんだ。うさんくさげに見られて、次第に心が解けていく経過が、だいたいこのシリーズの基本。わざと下手に踊ってから実力発揮、ってパターンも好きだね。それにずっと一緒にいる親父が楽しさを添える。ダンスの見せ場としては、三つの影とのやりとりか。最初はアステアの影と思わせておいて、次第にズレてやりとりを始めちゃう。とこの客席に元婚約者が現われて、さあどうするどうする、となる。アステアとロジャースは、大人数で踊ったあと二人だけでしみじみ踊る定型へと進む。こういうダンスは「愛」のシーンなの。ただただうっとりさせる。最初は下の階で踊ってて、心の高潮とともに上の階にのぼり、クルクル回る。この二人で踊った一番ロマンチックなナンバーじゃないか。そしてもじもじしていた婚約者マーガレットとの再会、マーガレットの手紙を読んだアステアが「You don't love me」と喜悦に震えて叫ぶ。一同大笑いになるのもアメリカ映画のいいところ(藤木孝似の指揮者は可哀想すぎる。婚約者のモチーフがあるのだから恋敵はいらなかった。なんかイタリア系をいつも笑いものにしているな)。フランスだったら人生の皮肉を強調したりするとこだが、あっけらかんと元恋人同士が互いを祝福し合う。いいなあ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2011-05-01 09:55:14) |
《改行表示》 2.アステアとジンジャー・ロジャースのダンスが芸術であり、他のどのような表現方法を持ってしても到達し得ないと思わずにはおれない"NEVER GONNA DANCE"惚れ惚れするこのシーン!映画としての完成度は、このコンビ作品の中でも最高峰にあるでしょう!それにしてもジンジャー・ロジャースは最高にキュートで、あの困ったちゃんの眼差しにメロメロです・・・。そんで、アステアのダンス、特に例の黒塗り&影のカッコよさのはシビレます。また時折と言うか、結構思うんですけど、アステアの演技、ニヤッとした時の目線の送り方にキムタクを感じるのは自分だけでしょうか?(おそらくキムタクは意識していないと思いますけど)この作品では、特にそれを感じますんで。あぁ・・・書いてしまった。 【よし坊】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-06-24 17:51:09) |
1.個人的にはアステア&ロジャーズ作品の中で一番すき。はじめてみたとき、「Never gonna dance」で、「君以外の人とはもう踊らないよ」と歌うアステアと、指揮者と結婚することになっているロジャーズのダンスシーンに涙が出た。ダンスシーンで泣いたのは後にも先にもこの映画だけだが、二人の気持ちの微妙な部分がダンスとして表現されていることへの猛烈な驚きは今でも変わらない。ミュージカルってストーリーは二の次で、音楽とダンスだけ楽しめればいいと思っていたが大間違い。この映画の二人のダンスには、台詞によるシーンよりもずっと濃密なストーリーがはいっている。もちろん、アステアのソロダンスなど、他のシーンも充実。邦題については賛否両論だが、名づけた人がこの映画をみて有頂天になってしまったことは想像に難くない。 |