4.みなさん結構点数低いですね、私は好きなんですが。ペ・ドゥナが屋上で犬を犯人から取り返そうとするとき、大勢の黄色いパーカーを着た人間が彼女を応援するシーンが大好きなんです。ペ・ドゥナはあの瞬間だけ退屈な現実から抜け出すことができていますからね。そのあとすぐに、ニュースに取り上げられなかったという現実が彼女を襲うのですが。この映画は退屈な現実から逃げ出そうとする人々のちょっとした冒険を描いていると思うのですが、どうでしょう? 【まにまに】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-02 02:09:37) (良:4票) |
3.ネタバレ うーん、困った。僕は結構良い映画だと思ったのだけれど、どこがどう良いか、説明するのは難しいなあ。確かにある種ショッキングでシニカルな作風だけど・・・。大した事も起こらない、退屈な日常の中、ヒロインのヒョンナム(パッケージで鼻にティッシュ詰めてる女の子)は行方不明になった仔犬を探し出すという、いささかヒロイックな使命を自らに課して「日常の打破」を試みる。最終的に別の仔犬は救う事ができたけれど、仕事はクビになり、憧れていたテレビインタビューもカットされてしまう・・・という、「なんだかなあ」な結末だけれど、作り手のヒョンナムに対する視線はあくまで優しい。それは、彼女よりしっかりした親友の女の子(退屈な日常を受け入れている)がラストで失意の彼女を森に連れて行くラストに現れているように思う。この監督は日本のマンガにも造詣が深いそうだけど、観客の予想をうまく外して裏切る展開(切干大根のお婆さんの“遺産”の所とか)はすぎむらしんいちを思い起こさせるし、ギャグのセンスはどこか小林まことっぽい感じがしました。<補足>朝鮮(だけでなく中国なども)には昔から犬を食用にする文化はあったそうです。ただしソウル五輪の際、外国人(というか西洋人だろうな、主に)の目を気にしてか、その手の店は撤去されたとか。この作品はその辺も皮肉っているのではないでしょうか。だからといってペットの犬を捕まえて食べることが普通なんてことは、多分ないと思います。あくまで「映画」ですから、これは。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-06-01 19:03:24) (良:2票) |
2.ペドゥナが黄色いパーカーのフードを被って、団地の廊下を全力疾走するシーンが好き。あと、団地の地下でおっさん2人が怪談話を始めてそれを聞いていた主人公が遭遇する悪夢とか、日常に潜むサスペンスを描いていてワクワクするような面白さがあった。それぞれのキャラクターが上手く描き分けられていて、脚本も良く練られているなぁという印象。犬食いの警備員は日本ならでんでんが最適だなと思った。 【ヴレア】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-07-10 16:06:59) (笑:1票) |
1.いやはや、なかなかのものでした。どんな映画、と説明するのは難しいんですが。トボケた味わいで、ストーリーを追うことはあまり意味がないタイプの作品。仏映画「猫が行方不明」をちょっと思わすものもあって、こういう「日常」を背景にしたオトボケ映画、私は好き。朝鮮半島では当たり前の文化である「犬を食べる」ことをモチーフに、言ってみれば社会風刺作品、ブラックユーモアなんですが、肩に力が入りすぎてなくて、不思議となごんじゃう。自国への批判、愛がほどよくミックスされていて、押しつけがましくない。このポン・ジュノという監督サン、なかなかの才能です。たとえるならルコントと周防サンをブレンドして、さらに素朴にした感じかな。DVDのおまけで入っていた絵コンテの上手さ、的確さにはビックリ。絵コンテってちょっと興味があるので幾つか見たことありますが、あんなにチャーミングな絵コンテは、初めてだったかも。 【おばちゃん】さん 8点(2004-08-22 02:42:04) (良:1票) |