《改行表示》 4.《ネタバレ》 父・ヘンリー8世と母・アン・ブーリンの愛憎劇を描いた『ブーリン家の姉妹』がなかなかの面白さだったので、その子・エリザベス1世の初期統治を扱った本作も連続で鑑賞しました。 いつ殺されてもおかしくない状況からの女王就任に、宗教問題で分断された国家の統合、王位簒奪を狙う周辺国家との駆け引き、国内最有力貴族による反逆未遂など、映画として面白いイベントてんこ盛りのエリザベス治世なのですが、これが実に盛り上がりに欠けるという残念な内容となっています。どうやら本作は当然に英国史を知っている人たちを対象として作られているようであり、各イベントについては観客の側で脳内補完してもらえることが前提となっているため、英語文化圏以外の観客にとっては各登場人物の行動原理が分かりづらい、大した煽りもなく大事がさらっと流されていくという不親切な仕上がりとなっています。 また、エリザベスのメロドラマが作品の横軸となっているものの、物語開始時点ですでにエリザベスとロバートとの関係性が出来上がってしまっているため、こちらも感情移入が難しくなっています。 美術や演技など見どころは多いものの、アカデミー作品賞ノミネートの割にはドラマ部分に力がなく、「名物に旨い物なし」を地でいくような仕上がりとなっています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 5点(2016-12-05 15:29:18) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 日本皇室のゴタゴタ情報を見ていたら、この映画をもう一度観てみようと思い立った。それで日本皇室への見方が変わったわけではないけれど。ただ、頂点に立つ人間よりも、その側近がどんな人間なのかが大事かも、と、言い古されたことを思った次第。 王位に就いたエリザベスが、怖気づきながらも、言葉巧みに周囲の人間を取り込んでいく姿を眺めるウォルシンガム。その表情を見ているだけで、エリザベスはその地位を守っていけるだろうと確信させられた。ウォルシンガム渋い!!その暗躍振りもしかり。それを肯定するか否かは問題ではない。そういう時代だったのだろうから。エリザベスも世間知らずの乙女から徐々に変貌を遂げていくのだが、そのきっかけとなる事件は、女性として傷つくものばかり。その傷を糧に強くなっていく彼女に女の強さを感じたが、もし、エリザベスがブスだったら…。ま、それはいいとして、スコットランドの王女、化粧が現代風で変だったぞ。 【日雀】さん 8点(2004-05-27 10:21:33) (良:1票) |
2.あんまり触れられてないけど、音楽がかなりいい。あとは、ケイトの演技力とジェフリー・ラッシュの眼光だな。ヴァンサン・カッセルの髭つき女装での下手クソ英語も笑った。ケイトの綺麗なロイヤルイングリッシュは良かった。映像のつなぎ方が上手いので無理せずに見られる綺麗な映画だった。 【玉貫】さん 10点(2003-01-07 23:15:58) (良:1票) |
1.実に面白い。エリザベスが、その人生の節目節目で「女王」に変身してゆく姿が、とても印象的。ケイト・ブランシェットは美人ではないかその演技力で観る者を魅了する。ストーリーは、史実の断片を若干組替えながら辿ったもの。観たあと、英国史を紐解くと新たな発見がある。これもまた映画の楽しみだ。 【ローマ】さん 9点(2002-07-21 05:43:54) (良:1票) |